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(回答先: 「殖民地支配美化するな」なら、 北海道はアイヌに返還されるのか。 投稿者 東京音頭 日時 2006 年 2 月 03 日 23:07:58)
これは自虐史観と右翼から叩かれる左翼唯物論史観でもそうである。大和のある関西ではなく、大和に侵略された東北や北海道や沖縄の歴史を見ていくと、大和中心史観では決して見えてこなかったもう一つの文明観が浮かび上がって来るのではないでしょうか。それは天皇制に基づく支配とは農耕の普及と共に拡大していったということです。大和・関西中心史観だと、縄文文化から弥生文化への移行はスムーズに行われているように見える。だから、簡単に万世一系の思想を受け入れることができるでしょう。ところが、東北、北海道、沖縄になってくると、このイデオロギーにも日本列島から元々かった自然状態によってそこにただあるのではなく、血生臭い歴史と共に拡大していったということが分かってくる。青森が朝廷の支配下に入ったのは、なんと9世紀中ごろであった。自然だと思っていた日本の風景が実は手を加えられていた人工的な風景なのだと知ってくる。単純に日本列島=日本=天皇支配ではない訳です。
自然は決して自然なのではなく、縄文から弥生への移行は日本全国で決して自然な形で移行した訳ではない。明治以前にも環境破壊によるカタストロフィーはあり、人間が意図的に環境保全を考えねば、近代以前でも日本人全滅の可能性はあった。江戸時代の享保・天明の大飢饉の直前には新田開発が奨励されており、日本もまた自然征服型の文明による限界を感じつつ、発展してきたといえるでしょう。そして、このような問題意識が日本史を見る上でも大切だと思います。