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大学は身の丈をわきまえ、専門化していく道を選択すべきだという論者もいる。
しかしながら、下位大学においては、学問的伝統の薄い分野に関して、東京大学の学問を直接移植するという形で水準を保つことで、中流を養成してきたのだという面を忘れてはならないのである。日本の強さというのは、この中流層の底堅さにあると考えてよい。
1億総中流という発想が、戦後日本を支えてきたのである。
この風潮が、社会秩序の安定にどれほど貢献したのか、といえば、
それは計り知れないものがある。
弱者を蹴倒せば、自分は幸せになれるなどと考えるのは、
愚かなことである。そのような思考に及ぶ者ものほど、
弱者であるという統計もでている。
(小泉政権を支持したのは、都市部の敗者としての
サラリーマン、フリーターなど。)