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(回答先: Re: こんなブログを見つけちゃったんですが…。 ⇒ <政治・社会>小さな政府?(そなたんパパの備忘録) 投稿者 gataro 日時 2006 年 1 月 04 日 07:26:43)
山家悠紀夫氏(暮らしと経済研究室)に聞く
政府は財政赤字削減のためとして「小さな政府」をめざしています。これに対し、暮らしと経済研究室の山家(やんべ)悠紀夫氏(元神戸大学大学院教授)は「日本は今でも小さな政府。これ以上の公共サービス切り捨ては社会不安を高める」と指摘します。
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政府は公務員の賃下げや定員削減による人件費削減を求めるとともに、業務委託や民営化などを進めている。人件費以外では額の大きい社会保障をターゲットに、給付がウンと個人負担のアップを求めている。先の国会で成立した障害者自立支援法などはその典型だ。こうした手法が進められればどうなるか。(もうからなくても必要な)サ
ービスがなくなるか、残るとしても有料化されるかすることになる。いずれにしてもサービス低下は必至だ。また社会保障の悪化は国民生活を直撃し、社会不安を高めるだろう。
「小さな政府」で最も痛手を受けるのは経済的弱者だ。お金のある人なら民間のサービスを自由に買えるが、お金のない人や障害者、高齢者などはそうはいかないからだ。また、公務員の労働条件を切り下げれば労働者全体に波及する。人を安く使うという流れに政府が加担することになる。
■貧困な保健・社保支出
実は、日本は今でも相当に小さな政府になっているのだが、このことは余り知られていない。
日本の人ロ1000人あたりの公務員数(中央と地方の合計)は35.1人。イギリスやアメリカ
の半分、フランスの3分の1にすぎない。政府支出の全体規模の対GDP(国内総生産)比も欧州諸国より小さい。
特に保健・社会保障関係の支出はフランスやドイツの3分の2の水準にとどまり、介護労働者や看護師・医師などが不足している。
教育関連支出の対GDP比もイギリスやフランスと大きな差があり、OECD(経済協力開発機構)加盟30ヶ国で比較するとトルコと並び最下位だ。この結果日本の小・中学校の1クラスの生徒数は、30ヶ国中で韓国に次いで2番目に多くなっている。
■放棄される政府責任
日本の政府支出のうち対GDP比で突出しているのは経済・公共関係だ。
ダム、道路、空港などムダな公共事業が後を絶たないためだ。
軍事費も5兆円規模で、米国に次いで世界2番目の水準。これは憲法からみてもおかしな支出だ。
だが、政府はこれらの支出を温存しつつ、他の必要な分野の支出を削ろうとしている。これは非常にまずい事態だ。
政府が果たすべき役割の視点はなく、コストと効率追求に終始している。これでは政府の自已否定だ、政府は人々の生活を支える活動は不要と考えているのかと問わざるをえない。