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(回答先: ベーシックインカム論考@(一律の所得保障で国民の生活リスクをカバーできるか?) 投稿者 張良 日時 2005 年 12 月 26 日 10:24:36)
ベーシックインカムに関する下記サイトの議論を手掛かりに、少し考えてみました。尚、ベーシックインカム自体の説明も同じサイトにありますので、どうぞご覧下さい。
http://homepage3.nifty.com/civilsocietyforum/page061.html
A働かない道を選択する人が社会の中で相当数を占めれば、BIの原資は十分に確保されるか?給付面では切り離されるかに見えても、給付の財源面では所得の源泉である労働との関係を断ち切ることはできないのではないか?………………
小沢修司氏の試算は、財源を所得税に限定する形で行なわれており、其の限りでは、上記の懸念は正当なものです。従って問題は、所得税に拠らない(あるいは、それを補完する)財源を工夫できるかどうかでしょう。
先ず考えられるのは消費税です。(但し、現行の日本の消費税には問題が多く、その欠陥を改めることを前提としておきます。)消費税については、生活必需品に対する課税が低所得者を圧迫するとの批判があります。しかし、ベーシックインカムによる所得保障が実現している環境に於いては、食料品を含めた全ての生活必需品と生活に必要とは言えない奢侈品とを同等に扱い、一律に課税することに問題は無いと思われます。物品に限らず各種のサービスについても同様です。実際問題として、今日流通する多様な商品を必需品と奢侈品に区分すること自体が困難なのですから、一律の課税こそ無理の無い方法と言うべきです。
そして、多額の消費をする人の負担によって、所得の無い人の基礎的生活に係る消費を賄うことは、いわゆる所得の再分配に代わる消費の再分配という意味を持ちます。さらに、消費に対する課税は、大量生産大量消費と言われたこれまでの経済を、より適切な姿に変える効果も期待できます。
次に考えられるのは、国債の発行です。ベーシックインカムは、一国の経済に於いて、基礎的生活資料やサービスへの需要を作り出します。需要は生産を促し流通を引き起こして、経済活動を活発化させます。結果として、税収も増加することになります。増加した税収によって、発行した国債の元金と利息の支払いに充てます。勿論、税収の増加分が国債の元利支払いを可能にするとの保障はありませんし、そもそも国債の買い手が見つかるかどうかも分かりません。従って、とりあえずこういう手段も可能というところでしょうか。
制度施行の実際に於いては、所得税・消費税・国債発行といった手段を組み合わせることによって、財源面に於いても労働との関係を断ち切ることが可能になると考えられます。