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改めて、グローバル化とは何か?
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投稿者 張良 日時 2005 年 11 月 24 日 00:12:21: YeLj0JQdWAK.A
 

今日の世界を理解する為の基本認識として、改めてグローバル化の意味を考えてみたいと思います。

グローバル化とは何なのでしょう。とりあえず、地球規模での人間社会の成立と考えてみます。もとより歴史をさかのぼれば、地球的規模での人間同士の交流・交通は様々の形で存在してきました。しかし、今日のグローバル化が、そうした過去の事象と異なるものとして語られているのは何故なのでしょう。

こうした捉え方は、具体的に見ていけば、80年代に進行した金融のグローバル化に始まるようです。しかし金融そのものなら、はるか古代から、国境を越えた遠距離の営みが存在しました。何が違うのでしょうか。確かに、規模が違うでしょう。社会全体への影響力も違うでしょう。しかし、重要な違いとして考えられることが一つあります。通貨の質の問題です。

1971年のいわゆるニクソン・ショックによって、国際通貨たるドルと金の兌換が停止されました。このことによって、古代から通用してきた貨幣の質が決定的に変化したのだと思います。言うなれば、貨幣は消滅し通貨が残った。

古来から、貨幣の本質をめぐっては意見の対立が存在します。貨幣商品説と貨幣法制説です。今日のドルや円は、法制的貨幣でしょう。それに対して、歴史的に貨幣として使用された金や銀、その他の有用物は、商品的貨幣です。

ニクソン・ショック以前は、商品的貨幣と法制的貨幣が共存してきたと言えます。あるいは、全ての貨幣が、商品的性質と法制的性質を併せ持っていたのでしょう。そうした貨幣のあり方を変えたのが、ニクソン・ショックです。以来、貨幣は法制的なものに純化したと言えます。

ところで、法制的貨幣と商品的貨幣の違いは何でしょう。此処では一つだけ考えてみたいと思います。それは、共同体との関係です。法制的貨幣は、当然のこととして、特定の法制度が支配する共同体の中で通用することが基本です。一方、商品的貨幣にはそうした制約は存在しません。むしろ、共同体の外部、法制度の支配しない領域でこそ利用価値のあるものです。

こうした点に注目した時、法制的に純化した貨幣、今日の国際的な機軸通貨の意味が見えてきます。すなわち、特定の法制度が支配する共同体の中で通用しているものという意味です。今や世界は、少なくとも貨幣現象においては、一個の共同体と言える訳です。こうした擬似共同体の成立を前提として、金融のグローバル化が意味する事を考えてみるべきでしょう。

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既に、グローバル化は金融に止まりません。貿易、産業、労働力など経済全般に広がりつつあります。いや、軍事・政治の分野でも、国家主権や国境の意義が低下しつつあります。主権国家といえども、グローバルな政治の世界では、地方自治政府程度の意味しかなくなりつつあります。

アメリカによる属国化が進む日本の姿は、見かたによっては、世界政府の下に統合される地方自治政府ということです。亀井静香氏の言う「日本がアメリカの51番目の州にされてしまう」のは、グローバル化の流れに沿った現象ということになります。

しかし、そうした流れをそのまま受け入れることが何をもたらすのか。それが肝心なことです。グローバル化にどのように対処すべきか?先ず、貨幣現象に着目してはどうでしょう。

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