★阿修羅♪ > Ψ空耳の丘Ψ42 > 958.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□麻薬性持つ「カート」の使用を禁じず 取引の地下潜行を懸念する英政府 [アルジャジーラ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1700400/detail
麻薬性持つ「カート」の使用を禁じず 取引の地下潜行を懸念する英政府
【アルジャジーラ特約9日】英国政府はこのほど、同国在住のイエメン人とソマリア人の間で広がりをみせている麻薬性のある「カート」に関し、その使用を法律で禁じないことを決めた。使用を禁じてしまうと、カートの葉の輸入や取引が地下に潜行、犯罪発生の要因になるのを懸念したためという。
アラビラ・アフリカ原産で、日本語名を「アラビアチャノキ」という常緑低木「カート」の葉には麻薬性がある。このため米国、カナダ、欧州諸国の一部そして大半のアラブ諸国ではこの葉の輸入、使用を禁じている。
英国でもここ数年の間、イエメンからバナナの葉に包まれたカートの葉の束が2日ごとに、ロンドンのヒースロー空港に到着している。カートの葉が広く出回り始めたことなどから、英国でもカートを法律で禁じるべきだとの意見が出ている。
この葉を好むイエメン人やソマリア人たちは午後になると集まっては、収穫されたばかりのカートの葉を楽しんでいる。この集まりでは、車座になった男たちがカートの葉を口に入れてかみ始める。葉を何度もかみ、仲間同士で話を交わし、お茶を飲むうちに、葉からアルコールや麻薬にも似た興奮作用が起きる。
カート禁止を訴えていたのは労働党のケリー・マッカーシー下院議員。同議員はアルジャジーラネットの取材に対し、「在英ソマリア人社会では、多くの者たちがカートにより家庭崩壊が起きていると指摘、その使用禁止を求めている」と述べた。
これに対しイエメン出身で、ロンドン在住のアブドゥル・ラザク医師はカート禁止を訴えているのはほとんどが女性で、その理由のひとつはカート使用の男性の性欲が減退し、これが女性たちの不満になっているからだとしている。
一方、同じくロンドンに住むイエメン人女性のアジラ・アブタレブさんは、女性たちの間でもカート使用が起きているという。「私の知っている女性は、毎週土曜になると友達と一緒にカートの葉をかむのを楽しみにしている。彼女にとりこれが息抜きになっているが、カートを楽しむ数人の者たちとだけで閉じこもってしまうのは危険といえる」と警告している。
とはいえ、アブタレブさんによると、在英イエメン人社会でのカート使用は、本国のイエメンに比べれば、法律で禁じるほどの状態ではないという。
アルジャジーラネットの記者は1月のある午後、カートの葉をかんで楽しむ集まりに参加した。カートの葉をかみ始めて数時間すると、集まりに出ていた男性たちの話は次第に脈絡がなくなり出した。夜に入っても男性たちは床に直に座りながら、陶酔したように葉をかみ続けていた。男性たちはこの葉に悪い点はないと話していた。
しかし、アルソームリー医師によると、カートの葉を使用する者たちの中には失禁する者や、葉をかむ集まりが終わりに近づくと、黙り込むうつ状態に陥る者もいるという。
カートの葉の使用者がアルコール依存症患者と比べられることについて、アルソームリー医師は「前者のほうが問題は深刻だ。多少深酒しても、翌日仕事を休むことはないが、カートの葉をかむ者の間には仕事を忌避する事態がみられる」と指摘している。
また、アブタレブさんによると、本国のイエメンでは、農産物の代わりに収入の良いカート栽培に転じる農民が多く、耕作地の多くがカートの木で埋まり、この結果、イエメンは食料の輸入国になっているという。
それを明白に示しているのが、同国の名産として知られるモカなどのコーヒー栽培が減り、カートの輸出が経済を支えているという現実だ。
このような問題がありながらも、英国の薬物乱用監視委員会はカートの葉使用を禁じないことを決めた。その理由は、カートの葉を違法にしてしまうと、同葉の取引が地下に潜行、犯罪組織の格好の収入源にされてしまう恐れがあるからだ。カートの葉を禁じている米国では、同葉1キロが400ドル(約4万7200円)するのが、英国ではわずか25ドル(約3000円)で済んでいる。
禁止によりカートの葉の流通量が減り、取引価格が高騰すれば、その結果、犯罪発生の増加を招く危険性があるというわけだ。(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)
2006年02月10日01時35分
▲このページのTOPへ HOME > Ψ空耳の丘Ψ42掲示板