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(回答先: なぜ、通り一辺倒の服が並ぶか 投稿者 姫 日時 2006 年 1 月 18 日 14:04:12)
姫さん、こんにちは、はじめまして。
横レスにて失礼します。
独自には洋服文化を持たない日本のアパレル産業界が 流行は造られるもの、つまり発信側がトレンドセッティングするものと云ったことを明確に意識したのは、ニットの潟潤[ルドがデザイナー菊地武夫を招請したことに象徴されるように80年代に入ってからのことではないでしょうか。勿論、それまでにはメルローズやビギ等の所謂マンション・メーカーにその萌芽が見られました。と、これはファッション関係の専門学校や大学の家政科もしくは生活科の出身者ならば誰もが基礎知識として持っていることでしょう。
詳しくは、“ゼロから始めるアパレルショップ開業塾”■ファッショントレンドの生まれかた■http://www.f-biz.net/Kiso01/kisotisiki009.htmlにアクセスしてみるのも一考の余地ありでしょう。姫さんには物足りないかも知れませんが、業界人ではない人にとっても解かり易いようによく纏まった構成になっています。
>オートクチュールなどファッションリーダーと呼ばれる、200万クラスのドレスを展示する春夏コレクションは1年前から製作にあたってます。そのセレブな方々のコレクションでプレスから受注が多かった素材などをリサーチして、庶民用の生地屋が量産するワケです。
>そんで、今頃、セレブが支持した素材が庶民のデパートなどに並ぶワケですが、シーズン中頃になり、暖かくなって本格的に売れてくるシーズンになってくると、セレブチョイスは確実に変更になり、民衆チョイスの服が並ぶ仕組みとなってます。
後から考えますと人々はバブル経済の到来を予期していたのでしょうか、80年代の後半頃にはライフスタイルの確立というのがトレンドセッティングする場合のメイン・ストリーム(主概念)になっていたように記憶しています。しかしながら、バブルが弾けて後、どれ位の人達が自身のライフスタイルを確立し得たのか、すなわちセレブに成ることができたのか、おそらく微少なものに留まったのではないかと推測しています。ユニクロや100円ショップ等がセレブには到底届かずミドルからも弾かれた人達の行き場になったことも、その表れと見ることが可能だと考えています。
最近のメイカーサイド(デザイナー)や流通業者サイドが何をメイン・ストリームと捉え・トレンド予測しているのか、関連業界を離れて久しい今となっては計り知ることができません。しかし、現在も尚、全クラスターを網羅するようなトレンドセッティングは最早困難になりつつあるのは明白なようですし、アパレル業界は50年〜52年のガチャマン景気に発する負の遺産を抱えたまま、いつまでも構造的不況を脱することができずにいるのではないでしょうか。
ところで、フォーマル・シーンではそれなりのプロトコルに遵ってのスタイリングを心掛けるべきでしょうが、インフォーマル(カジュアル)・シーンでは、それが自身にとって心地良いものではない限り、メーカーや流通業者が発信する如何なる流行のコーディネーションにも諂うべきではないと思っています。無論最低限おさえるべきことはありますが、本来トレンドなどとは無関係に、コーディネーションの基本は簡素で常識的なものですので、何よりも基本を身につけさえすれば流行云々など懼れるに及ばないのです。
しかしながら、日本人の多くが皆と同じようなコーディネーションでなければ安心できないといった心性を脱することができず、なかなか自身のファッション“哲学”を確立できないようです。対照的にそれが発信側にとってはクラスターを限定しさえすればトレンドセッティングすることは容易いといった一面もある訳ですが...。確かに通り一辺倒の服が並ぶのはメーカーや流通業者の都合によるものでしょう。片やそうしたプライス・ラインのアイテムでしか購買意欲を満たすことができないようなデフレの環境を甘受せざるを得ない消費者側の事情もあるかと想われます。
つらつらと脱線した話になり、お恥ずかしいかぎりです。
また、会いましょう。
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