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□日本の割り箸がピンチ、中国側が大幅値上げを要求 [サーチナ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1629534/detail?rd
日本の割り箸がピンチ、中国側が大幅値上げを要求
森林保護の一助に、有料化推進を―本間俊典(週刊エコノミスト編集委員)
たかが割り箸、されど割り箸・・・・・・。日本の割り箸(ばし)業界が、いま大変だという。主要輸入先の中国から大幅値上げ要求を突きつけられ、そのコスト負担をどこでするか、頭を痛めているのだ。われわれ消費者も、日常生活で何気なく使い捨てている割り箸について、それでいいかどうか本気で考えるべき時期にきている。それほど奥行きのある問題なのだ。
いろいろ調べてみると、日本の年間輸入量は約240億膳。膳というのは、割り箸1本のことで、日本の人口で割ると200膳。日本人は年間で200本の割り箸を消費している計算だ。そんなに使っているかなあ?
割り箸業界もご多分にもれず、国内製造のコスト高からコスト安の中国へ進出。現在は99%が中国からの輸入で賄っている。原材料は中国東北部のシラカバ、同南部のタケだが、近年、中国の森林伐採の行き過ぎで反省の機運が高まり、やたらに伐採できなくなった。このため、中国でも原材料の3割ほどはロシアなどからの「輸入材」が占め、中国でそれを加工、輸出しているのだ。
こうした事情を背景に、現地の生産者が2005年12月と06年3月の2回、合計で5割の大幅値上げを要求、または予定しているものだが、「中国側は、日本と妥協してまで割り箸を輸出する意向はなさそうだ」(業界筋)との観測が強く、値上げを呑まざるを得ない状況という。
では、日本側は誰が負担するか。現在、割り箸はコンビニエンスストア、スーパー、ホームセンター、外食産業などが主要な消費地で、大半は弁当などの価格に盛り込まれ、消費者は「割り箸はタダ」という意識が強い。これまでは輸入業者や消費産業などが弁当などの販売コストに含めていたが、それもボツボツ限界に来ているようだ。
それでは、消費者に価格転嫁できるだろうか。私はこの際、「転嫁キャンペーン」とでも言うべき運動が起きてもいいと思う。仮に転嫁しても、現在の小売り価格は1膳で3−4円だから、4−5円程度になるだろうか。コンビニで「割り箸、お付けしますか」と聞かれて、「お願いします」という客に4−5円を払ってもらうのだ。払いたくない客は、自分の箸を常に持ち歩けばいい。
「タダ」から「有料」へ目に見える形で転嫁するには、消費者にとって抵抗感があるかもしれない。しかし、07年からはポリ袋も有料化される見通しであり、割り箸にしても、韓国や台湾ではすっかり影をひそめ、金箸や塗り箸に置き換わっているという。日本だけ、できない理由があるとも思えない。
現代日本は、世界でもずば抜けた「衛生国」になっている。割り箸も白いのが主流で、色の黒いのや原木のコブが見えているようなのは受け付けられないという。本来、割り箸という道具は、家や家具を作る際に余った木を使っていたはずだが、いつの間にか「高級材」の世界になっていた。どんな箸で食事をしても味は変わらない、にもかかわらず。
日本割箸輸入協会(大阪市)では、こうした日本人の「高級」志向をどう変えるか、さまざまな対策を検討中だ。さすがに、中国政府も自然環境対策の重大さに気づいてきた。日本のNGOなどによる中国での植林事業が盛んだが、今回の割り箸問題はそれとは別な、もっと身近な貢献もあることを示唆しているように思う。(執筆者:週刊エコノミスト編集委員 本間俊典)
2006年01月13日15時04分
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