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スピルバーグ監督の「ミュンヘン」めぐり論議噴出 NYのユダヤ人社会で
【アルジャジーラ特約6日】巨匠スティーブン・スピルバーグ監督がテロ問題を取り上げた最新の話題作「ミュンヘン」をめぐり、ニューヨークのユダヤ人社会で今、さまざまな論議が飛び出している。
同監督自らが「平和への祈り」と評する「ミュンヘン」は、2005年に公開された作品中の「ベストテン」に入る秀作ともされている。
「ミュンヘン」はカナダ人ジャーナリスト、ジョージ・ジョナス氏が1972年9月5日の西ドイツ(同時)・ミュンヘンで開かれた五輪大会中に起きたイスラエル選手団襲撃事件をテーマに著した「報復」(仮題)を基に映画化された。
パレスチナゲリラ「ブラック・セプテンバー(黒い9月)」が起こした同事件では、イスラエル選手団の11人、パレスチナ人5人、地元警察官2人の計18人が死亡した。
「ミュンヘン」は同事件発生を伝える白黒テレビの報道場面で始まるが、その事件直後に、イスラエルのゴルダ・メイア首相(当時)が同国の秘密諜報機関モサドに、欧州地域に逃げ込んだ襲撃犯人らに報復、パレスチナ人11人を殺害するよう指令したことはだれも知らなかった。
自らもユダヤ人である同監督は93年に、ナチによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)を扱った「シンドラーズリスト」を発表、ユダヤ人社会から大きな評価を受けた。
これに対し今回の「ミュンヘン」には酷評から絶賛までさまざまな評価がなされ、作品をめぐる論議も多様にわたっている。
厳しい意見の代表が「イスラエルの五輪選手たちとパレスチナ人への暗殺を同列に扱っている」というもの。
ニューヨークに本部を持つ全米シオニスト連盟のメイア・ジョロビッツ理事長は「作品は本当に起きたことを描いていない。監督は創意にあふれすぎている」とし、さらに「パレスチナ国家建設の唯一の手段はユダヤ人抹殺とするアラブ・テロリストを人間的に描きすぎている」とも批判した。同連盟は「ミュンヘン」の鑑賞ボイコットを呼び掛けている。
また、襲撃事件で命を落としたイスラエル選手の遺族たちの間からは、作品を賞賛する声が上っている中、イスラエルの駐ロサンゼルス総領事もラジオの取材に対し「スピルバーグ監督は(イスラエルとアラブとの)均衡をはかろうとしずぎている。実際にはそうした均衡はあり得ないのだ」と鑑賞後の印象を語った。
当のスピルバーグ監督は最近、米紙シカゴ・トリビューンに掲載されたインタビュー記事の中で、「この作品が描くモラルの均衡をやゆする者たちは、外交がモラルの均衡の場としたり、戦争が唯一の解決策とする者たちと同列」と厳しく批判。その上で、同監督は「テロが起きる背景を探ることが重要だ」と強調した。
当然、同監督擁護派もおり、広報会社に勤めるカウスマン氏は「素晴らしい作品。感情豊かな演技から、テロがどうして起きるのかが見事に描かれている」と賛辞を送っている。
また、ワシントンの中東研究会のスカム博士も「この映画はユダヤ人にイスラエルとパレスチナ紛争を再検討を促す機会をもたらすと同時に、ユダヤ人社会が対応を迫られている現実問題を突きつけている」と指摘、「ミュンヘン」に高い評価を与えている。(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)
2006年01月07日00時06分 アルジャジーラ /
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1611181/detail
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