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クールな原宿 少女の共通語
一般書店にも日本の少女漫画などが並ぶ=今年10月、米・カルフォルニア州で
かつて日本の少女たちは、少女漫画に描かれた欧米の文化に憧(あこが)れた。が、最近はこの傾向が逆転しているという。日本の「MANGA(漫画)」などに夢中の各国の少女たちは、これらのポップカルチャーの舞台となる東京・原宿こそ「世界一クール(かっこいい)な街」と信じる。
「原宿? すごく行きたい」
米ニューヨーク市の大学生アナ・ハフナーさん(18)は勢い込む。CLAMPの漫画「ちょびっツ」(注<1>)が大のお気に入りというハフナーさんは今年、登場人物の服をイメージしてハロウィーンの衣装を作ったという。「日本の漫画は何より衣装がすごくすてき。原宿ファッションはアメリカじゃ手に入らないけど、古着屋を回ってストリートファッションを自分なりに作っている」と話しながら、原宿に行く日を夢見る。
「まず、アンジェリック・プリティー(<2>)やクローゼット・チャイルド(<3>)に行って…。たくさん買いたいけど高いから一着くらいしか買えないかも。もうお店を見るだけでもいい」
同市ブロンクス地区の高校生モーガン・ウォルターさん(17)も「満月をさがして」(<4>)、「パラダイス・キス」(<5>)など日本の少女漫画に夢中だ。「日本の文化にも興味が出てきてインターネットで調べている。日本のファッション誌もすごく楽しい」
原宿を舞台に高校生を主人公にした小説を執筆中というニューヨーク州の作家ダコタ・レーンさん(46)は「米国の少女が言う『原宿ファッション』とは、個性的な重ね着などのストリートファッションと、ゴスロリ(<6>)などの二つに分かれている」と説明する。いずれもアニメや漫画などを通して、米国の少女たちに浸透した日本の「少女文化」だ。
昨年、日本びいきで知られる人気歌手グウェン・ステファニーの「原宿ガールズ」など日本の女子高生を題材にした曲もヒット。米国では原宿ファンが急増している。
こうした反響を背景に今年六月、日本の人気作品を集めた月刊少女漫画誌「少女ビート」も創刊、全米で販売された。「NANA」(<7>)や「風光る」(<8>)など出版社をまたがる六作品を掲載している。
アジアを中心に人気の「NANA」は先月末、米国での単行本発売も始まった。集英社広報室は「アジアやヨーロッパに比べて米国進出は始まったばかり。これからもっと伸びる市場」と期待を込める。
■“脱お姫様”を象徴
米少女たちはなぜ「原宿」にひかれるのか。
米国の「オタク文化」に詳しいジャーナリスト、パトリック・マシアスさんはまず、「一九九五年に米国で放映されたアニメ『セーラームーン』(<9>)から、北米の少女たちは日本のポップカルチャーに夢中になった」と解説する。
「米国では長い間、少女の役割はバービーのようなブロンドの『人形』であり、王子様を待つディズニーのお姫様だった。アメリカンコミックでさえ、女性はいつも男性に救出される存在。アメコミに女性ファンが少なかったのもそのためだ。でも、日本のアニメや漫画では強かったり弱かったりと女性たちの役割は幅広い」。そして、日本の少女文化の象徴が「原宿ファッション」だという。
実際、原宿は週末になると、日本のポップカルチャーが早くから紹介されてきた台湾や韓国などの観光客がひしめく。さらに、原宿竹下通り商店会は「ここ数年、欧米の観光客も目立つようになった」と指摘する。
ドイツから竹下通りを訪れ、友人と楽しそうに物色していたイザベラ・バルトッシさん(24)は「原宿ファッションがすごく好き。ヨーロッパとは全然違う」と話した。
いつの時代も日本の少女を夢中にさせてきた「原宿」は今、世界中の少女にとっても“聖地”となっている。
文・中山洋子/写真・久野功
◆少女文化を読み解くキーワード◆
<1>「ちょびっツ」 2000年から講談社「ヤングマガジン」で連載された女性漫画家集団CLAMPの作品。02年にアニメ化
<2>「アンジェリック・プリティー」 ラフォーレ原宿などに店舗を持つフリルやリボンのお姫様風で人気のブランド
<3>「クローゼット・チャイルド」 原宿などに展開するゴスロリの古着専門店。ゴスロリは<6>参照
<4>「満月をさがして」 種村有菜作。02年から集英社「りぼん」で連載。アニメ化もされた
<5>「パラダイス・キス」 矢沢あい作。99年からファッション誌で連載。アニメ放映中
<6>ゴスロリ ゴシック・アンド・ロリータの略。黒い悪魔的スタイルとレースやフリルの融合が特徴的なファッションに象徴される少女文化
<7>「NANA」 矢沢あい作。集英社「クッキー」で連載中。今秋、実写で映画化され、CDやゲームなどもヒットして社会現象になっている。各国で翻訳版が人気
<8>「風光る」 渡辺多恵子作。新撰組を題材にした。小学館「フラワーズ」で連載中
<9>「美少女戦士セーラームーン」 武内直子作。講談社「なかよし」連載。92年からアニメ化され世界中で人気を博した
(敬称略)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/thatu/20051226/mng_____thatu___001.shtml
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