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http://www.zakzak.co.jp/gei/2005_11/g2005112408.html
9月に内示も「かしこまってしまう」
アングラ精神は健在。紫綬褒章を辞退した唐十郎さん
アングラ劇団「状況劇場」や後身の「唐組」を主宰し、日本演劇界を牽引(けんいん)してきた演出家、作家の唐十郎さん(65)が今秋、紫綬褒章の内示を受けながら、辞退していたことが24日分かった。夕刊フジの直撃に対し、唐さんは「お客さんに対する礼儀」と理由を語った。
「今年の春ごろ、文化庁の方に貸してくれといわれ、何に使うか教えてもらわないまま半年間、(唐さんの活動に関する)資料を渡してきた。9月1日、内閣府から内示の通達があって、紫綬褒章と知り驚いた」
夕刊フジの取材に対し、唐さんは褒章の打診があったことを認めた。
毎年春と秋に授与される褒章の受章者は、衆参両院議長や各省大臣らが推薦し、内閣総理大臣が審査したうえ閣議決定される。紫綬褒章は学術、芸術、スポーツなどの功労者が対象。今年11月には、俳優の渡哲也さん(63)、女優の鳳蘭さん(59)、作詞家の荒木とよひささん(62)、作曲家の三木たかしさん(60)ら19人が受章した。
「先輩の演出家も受章しており、僕もいただきたいとは思った。でもこれまで僕は、高いところから賞をもらったことはない。正座してもらうような賞で、かしこまってしまう。2週間ほど考えさせてもらって、お断りすることに決めた」
唐さんは昭和45年の岸田国士戯曲賞、58年の芥川賞など、演劇でも文学でも数々の賞を受賞してきたが、「どれも民間の賞」だという。
38年の「状況劇場」旗揚げ以来、東京・新宿の花園神社や戒厳令下の韓国に紅テントを建てて公演を行うなど、唐さんは体制に縛られないアングラにこだわり続けてきた。
「紅テントで泥臭い活動を続けてきた。国から賞を与えられると、国がバックグラウンドというか、国にアイデンティティーを与えられたようで、芝居の作り方が変わってしまう」
ちなみに岸田賞をもらったときでさえ、「アングラが市民権を得やがって」と非難する向きもあったという。
「僕は紅テントでも、お客さんにワイルドスピリッツを求めている。受章のために尽力してくださった関係者の方々にはじゅうじゅう謝ったが、今回の辞退はお客さんに対する礼儀です」
反権力の象徴として舞台に立つこと40年余。時代と格闘してきたアングラの旗手にはいまだ、ギラギラした“野性”がみなぎっているようだ。
ZAKZAK 2005/11/24
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