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金大中事件、最終決着は日本が主導
2006年03月31日06時30分
73年の金大中(キム・デジュン)氏拉致事件をめぐり、韓国政府が口上書を提出することで幕引きを図った第2次政治決着(75年)は、日本政府が提案し、交渉を主導していたとする韓国側の外交文書の存在が明らかになった。韓国政府は31日、これらの文書を公開する。金大中事件のほか、70年の日航よど号乗っ取り事件関連の外交文書も含まれている。
韓国政府は2月にも、金大中事件に関する外交文書を公開した。事件発生から3カ月後の73年11月、金鍾泌(キム・ジョンピル)首相が訪日し田中角栄首相と会談し、「これでパーにしよう」(田中首相)として日本が捜査を事実上、終結させることで合意(第1次決着)したことが明らかになっていた。韓国側の公開文書からは、水面下での日韓の癒着ぶりとともに、いずれの政治決着でも日本側が積極的に動いた形跡がうかがえる。
第1次決着後、日本では現場から指紋が見つかった韓国大使館の金東雲(キム・ドンウン)1等書記官の処分をめぐり不満が高まった。75年7月の韓国外務省文書によると、日本外務省は6月、三木武夫首相と宮沢喜一外相も了承したとして韓国政府が自発的に口上書を出すことで決着する案を提示した。
口上書は(1)(韓国政府は)金書記官の捜査を中断した(2)その後、確証を得られず不起訴処分になった(3)国家公務員の資質に欠けるため辞職した、の3項目。宮沢外相の訪韓にあわせて韓国側が日本に伝達すると同時に、「日本は金東雲問題を今後、再論しない」と約束することが秘密裏に盛り込まれた。
日韓関係の改善を優先し、口上書を宮沢外相訪韓と日韓閣僚会議開催の前提として決着を促す日本に対し、韓国は「再論しない」方針の文書化を求めた。日本は政治決着に反発する警察当局からも「これ以上追及しない」とのメモを得たと説得。結局、日本が再論しない方針を「口頭で表明する」ことで合意した。
口上書は宮沢外相の訪韓直後に公表されたが、韓国側文書によると日本は当初、「日本の政界、マスコミで物議を醸す可能性がある」として、韓国側に非公開とするよう要請していた。
よど号事件に関する外交文書では、平壌に向かっていた同機が機長の意思で韓国・金浦空港に「偽装着陸」したとの見解を韓国政府がまとめていたことが明らかになった。だが、当時の同空港の管制官は29日、朝日新聞の取材に「金浦に着陸させるよう米韓から指示があった」と証言。石田真二機長も「平壌と思った」と否定している。
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宮沢喜一元首相は30日、朝日新聞の取材に対し、「この件に関してはコメントをするつもりはありません」と事務所を通じて答えた。また、外務省の鹿取克章外務報道官は同日、「政府として見解を述べることは差し控えたい」と語った。
http://www.asahi.com/politics/update/0331/004.html