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2006年03月29日11時45分
http://www.asahi.com/national/update/0329/SEB200603290004.html
第2次世界大戦中に中国から強制連行され、福岡県内の炭鉱で強制労働をさせられたとして、74〜91歳の中国人元労働者45人が、国と三井鉱山(本社・東京)、三菱マテリアル(同)を相手取り、1人あたり2300万円、総額10億3500万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟の判決が29日、福岡地裁であった。須田啓之裁判長は、旧憲法下では国が生じさせた損害については賠償責任を負わず、賠償請求権もすでに消滅しているとして原告の請求を棄却した。強制連行・強制労働の事実は認定した。原告側は控訴する。
この訴訟は、中国人強制連行を巡る福岡地裁での訴訟としては第2陣にあたる。02年4月の第1陣訴訟判決で同地裁は被告の三井鉱山の賠償責任を認めたが、04年5月、福岡高裁は、20年で賠償請求権が自動的に消滅するという除斥期間を適用し、原告逆転敗訴の判決を言い渡している。
争点は、旧憲法下では国が生じさせた損害については賠償責任を負わないとする「国家無答責」や、「除斥期間」が、適用されるかどうかだった。
判決は、これらについて適用を制限する理由はないと判断。国家無答責については「旧憲法下でも特段の事情がある場合、国は不法行為責任を負わなければならない」とした福岡高裁判決を踏襲しなかった。除斥期間については、「原告が働かされた炭鉱の鉱業所は45年に停止しており、65年時点で賠償請求権が消滅した」と判断した。
また、「国は中国人労働者の安全に配慮する義務を怠った」とする原告側の主張については、国と中国人労働者の間には「具体的な支配従属関係がなかった」として退けた。
原告側の訴えによると、中国人元労働者は日本国内の重工業部門での労働力不足を補強する目的で、42年の閣議決定に基づき、日本に強制的に連行され、福岡県内の炭鉱で過酷な労働を強いられた。
判決は、この主張については事実と認定。「国と企業の共同不法行為だった」とした。
戦時中の日本の中国人強制連行・労働の責任を問う戦後補償裁判は、このほかに全国で13件が係争中。戦後補償裁判全体ではこれまでに80件以上起こされているが、ほとんどが原告敗訴となっている。