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http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/03/25/20060325000026.html から転載。
12日午後3時40分、ソウル市明洞CQN劇場前の道路に約500人の群衆があふれた。「エリちゃん、かわいー!」。変声期を過ぎたばかりのような男子学生のかすれ声があちこちから聞こえる。押すな押すなの大騒ぎの中、警察の護衛を受けて映画館へ日本映画『パッチギ!』のヒロイン・沢尻エリカが入っていく。
同日午後4時、ソウル市新村の延世大学百周年記念館。約1000人の観客が客席を埋め尽くす中、『メゾン・ド・ヒミコ』の犬童一心監督と、この映画でゲイの主人公を演じたイケメン俳優オダギリジョーが舞台に上がると、女性たちは悲鳴を上げた。
最近、映画館街では日本映画の静かなる反乱が感じられる。『パッチギ!』や『メゾン・ド・ヒミコ』の監督・俳優が相次ぎ訪韓したり、『スウィングガールズ』(矢口史靖監督)のヒロイン、上野樹里が映画公開(23日)前にソウルを訪ずれたりした。10日に記者会見した上野樹里は韓国の観客たちの熱気に感動し、24日に再び韓国を訪れる。日本の俳優が映画公開前後に2回も訪韓するのは異例だ。今月13日には矢沢あいの少女マンガを原作とする映画『NANA』(30日公開)に出演した日本のトップシンガー、中島美嘉と成宮寛貴が訪韓した。また『ジョゼと虎と魚たち』の主演2人、妻夫木聡と池脇千鶴がともに出演する『きょうのできごと』も来月6日の公開を控えている。
1998年の日本大衆文化第1次開放後、岩井俊二監督の『ラブレター』のように話題を集めた映画はあるにはあったが、こんなに集中的に日本映画に関心が集まったことはなかった。映画街に‘日流’ブームが巻き起こっているのではないか、という声がささやかれているほど。しかし評論家たちの答えは「まだ違う」。いくつかの映画に寄せられている評判を、日本映画全体のブームとして見るには無理ということだ。しかし韓国の観客が好む日本映画のパターン変化は確かに注目するに値する現象だ、という。
最近、韓国で人気がある日本映画の共通点は、奇抜な想像力に社会性が強い素材を織り込んだ‘重厚さ’と‘軽快さ’を自由自在に行き来する演出の技が光る作品。映画評論家のシム・ヨンソプ氏は「何年か前は岩井俊二監督の少女的感受性がある純愛映画や、宮崎駿の哲学的なアニメが人気だったが、最近はハツラツとして趣向を凝らしたマンガ的想像力が光る作品が若い観客に好まれている。感情の過剰さにアレルギー反応を起こし、奇抜でなければ我慢できない韓国の若者のセンスにぴったりとあったようだ」と説明している。
実際、『メゾン・ド・ヒミコ』は、下手をすれば拒否感を起こす同性愛問題を扱っているが、‘ゲイのための老人ホーム’という斬新なアプローチで笑いも添えた。政治色濃い在日朝鮮人問題を扱った『パッチギ!』もまだ幼さの残る青春の紆余曲折に理念の重さを加えている。両作品はマイノリティーを扱った非主流映画という点でも似ている。問題のある女子高生たちがジャズバンドを結成する過程を描いた『スウィングガールズ』もマンガにでも登場しそうなシーンにあふれている。
日本映画に対して片思いしているだけではない。日本から見れば韓国は重要なテスト市場。『スウィングガールズ』マーケティング担当のソン・ヒョジョンさん(フォーミーコミュニケーション)は「日本の制作会社で俳優の訪韓スケジュールを直接管理するなど、広報に非常に神経を使う。‘逆韓流’を利用しようというムードもあるようだ」と話す。
日本映画人気で最近、玄海灘を越えて訪韓した日本の監督やスターたち。左から『パッチギ!』の高岡蒼佑・沢尻エリカ・井筒和幸監督、『スウィングガールズ』の上野樹里、『メゾン・ド・ヒミコ』の犬童一心監督・オダギリジョー
朝鮮日報