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私は日本の左翼が李登輝氏が日本軍国主義を賛美する発言をしたり、靖国神社に参拝したり、日本の右翼と接触した場合に批判するのは結構なことだと思う。しかし、「李登輝は分裂主義者だから訪日はけしからん」と中国が日本に訪日しないよう圧力をかけるとすれば、これはおかしいと思う。まず、分裂するもしないも、台湾は中華人民共和国政府の支配下に入ったことは一度もないし、国家統一自体が人民の幸福につながる訳でもない。もし、中国軍が台湾を占領しても、世界の理解を得られることはないだろう。住民の意思を無視して、一方的に占領した所で良い結果は得られる訳がないし、中国が何でもかんでも軍事力で解決しようというなら、中国には日本軍国主義を批判する権利はない。何故なら、それが軍国主義だからだ。
中国には李登輝氏の訪日自体に反対する権利はないし、反対するなら「あんたは一体日本や台湾の何様なのだ？」となる。日本は中国に経済援助したことはあっても、逆はない。一体、何の権利があって李登輝氏の訪日や台湾独立に反対するのか？現在の中国政府の立場というのは全くただの国家主義と軍国主義なのであって、労働者国際主義とは無縁の立場である。
中国だけが世界の国でなれば、アメリカだけが世界の国でもなく、もちろん日本だけでもロシアだけでもない。ある一つの国の一部の人だけが全人類の利益を代表するような顔をして威張るのはどうかと考える。世界には中国、アメリカ以外の国もある。
また、仮に全人類が全て中国人だと仮定しても（その仮定自体がおかしいのだが）、全世界の中国人の全てが北京や上海の洒落た小奇麗な家に住む中国共産党員の利益と同じでないことは明らかだろう。かつての革命フランスや革命ロシアにも同じような過ちは見られたし、今のアメリカにもそのようなものは見受けられる。
拉致事件の解決一つとっても、人民がヘゲモニーを取る形での解決が必要だ。国旗国歌より国家の中身が大切だ。バブルでも農産物輸入でも狂牛病でも建築偽装問題でも国家とその象徴尊重の自己目的化ではなく、国家の中身自体が問われ続けねばならない。大切なのはほんの一握りの権力者による世界政治の寡占化に反対し続けることだと思う。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。