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2006年03月14日20時30分
http://www.asahi.com/international/update/0314/015.html
記者会見で質問者を指さす温家宝首相=14日、北京・人民大会堂で
中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相は14日、日中関係が悪化した原因について「日本の人々にはない」と明言した。暗礁に乗り上げている両国関係の改善に向け、民間交流の拡大も提唱。靖国問題で溝が埋まらない小泉首相は除外し、いわば「首相抜き」で対日関係の改善を目指す姿勢を明確にした。
ただし、「この(靖国)問題が解決されなければ(ポスト小泉政権でも)中日関係が順調に発展するのは難しい」ともクギを刺した。
中国全土に生中継される記者会見で、中国政府首脳が日中関係の悪化に関連し、日本人にも責任がない、と言い切るのは異例のことだ。
温首相は全国人民代表大会後の記者会見で、日中関係の悪化について「原因は中国にも日本の人々にもなく、日本の指導者にある」「A級戦犯をまつった靖国神社への日本の指導者による度重なる参拝が中国やアジアの人々の感情を傷つけている」と語った。
日中関係をめぐる3項目の提案では、(1)外務次官級の戦略対話を継続して障害を取り除く(2)相互理解を進めるため民間交流を強化する(3)経済・貿易関係を発展させ、ともに利益を得る協力を拡大する――と提言。実務レベルや民間レベルの交流はむしろ拡大すべきだとの意向を示した。
こうした発言の背景には「これまで対日関係の改善に向けたメッセージが日本側にうまく伝わっていなかった」(中国政府当局者)という意識があるとみられる。
今後、中国を訪問中の緒方貞子・国際協力機構理事長や近く訪中する谷垣財務相らと中国政府要人との会談が予想されるが、そうした場で中国側がどういったメッセージを発信するかが注目される。また、胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席は3月末に訪中する日中友好7団体に対し、今後の対日政策に影響を与える「重要講話」を発表するが、今回の首相発言を受け、日本国民に向けたアピールになるとの見方も強まっている。