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「マンガ嫌韓流」は内容が薄すぎと言う過激な書評の紹介。
http://www.asyura2.com/0510/asia3/msg/734.html
投稿者 ミスター第二分類 日時 2006 年 3 月 01 日 00:36:29: syFUAx3Wc1pTw
 

「マンガ嫌韓流」は内容が薄すぎと言う過激な書評プログがありましので紹介します。

はっきり言えば、本やマスコミやテレビで○○人はなどと・・・ほざいて決め付けの価値感をばらまいている人たちに読んでもらいたいですね。

生身の人間、いまそこにいる人間、そういった視点がないといつまでもアジアから対立はなくならない。欧州は戦争の危機を取り除こうと連立・連合をしつつあるのに・・・・

これじゃあいつまでたっても「ポチ」じゃない・・・・・・・・

対立の構図が続いて儲かるのの「アメリカ」かそれとも「シオニスト」か。

http://blog.goo.ne.jp/mujinatw/e/b8f20c33d7cf7b02e2a84d2cfaaaa631

引用します。
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マンガ嫌韓流は内容が薄すぎ

先月日本に帰ったとき、話題の「マンガ嫌韓流」を大阪で買った。ずっと売り切れが続いて増刷が出たばかりで山積みだった。
神戸三宮に出かけて京都までの新快速の中で一気に読んだが、第一、マンガとして面白くない。言っていることも、2ちゃんねるのハングル板のカキコの寄せ集めという感じで薄っぺら。韓国・朝鮮に昔から接している私から見たらとうの昔から周知のことばかりで新味とパンチがない。しかも右翼的挑発本という巷の評判から「期待(?)」していたよりも「穏健」な内容だったので、一気に脱力してしまった。私だったらもっと辛辣な批判ができるくらいだ。
 これが日本の「右」の言説レベルなのか。古本屋にでも売り飛ばすか友人に上げよう(笑)。

中身は、ほとんどが「戦後左翼進歩派」の「自虐史観」を「論破」する、というものに終始していた。これでは、タイトルから想像される「韓国の欠点をえぐる」というには程遠く、ほとんど詐欺商法に近い。表紙とタイトルだけは面白そうで、買ってビニールをあけてみたら、実はつまらないエロマンガというのがよくあるが、その類である。そもそも、著者が生身の韓国人とあまり付き合っていないらしく、宙に浮いた批判を投げかけている。2ちゃんねるのハングル板や極東ニュース板が元ネタらしく、たとえば韓国の欠点をえぐった鄭大均氏らの本すら参考にしていなさそうだ。
だからこそ、皮相的だったり、的外れだったり、むしろ突っ込みが甘すぎるところが目立つ。「挑発本」としても挑発にすらなっていない。韓国の世論が激怒しないのも当然だろう。
ただ、奇妙なのは、「良識」的だと自負しているマスコミがこの本をあまり正面切って取り上げようとしないどころか、半ばタブーにしているところである。韓国・朝鮮と接していれば初歩の初歩ともいえる問題意識を衝撃的で挑発的と受け止めたのか?それもそれであまりにもお粗末である。戦後マスコミを支配した「進歩派」論壇は、韓国・朝鮮を神のように美化しすぎて、欠点や悪い面をまったく見ようとしてこなかったことが暴露されている。
あらゆる国や民族や集団には、善もあれば悪もある。というか、そもそも善悪で論じられないのが人間である。この本を見て「民族差別だ」と決め付けてタブー視する進歩派の側もお粗末なら、この程度の本で「韓国人はだから馬鹿なんだ」といって悦にいっている右翼の側も、この本ではじめて韓国のお粗末な論理も知ったという30万以上の読者たちも、いずれもお粗末というしかない。いずれも人間を0か1かのデジタル思考で解析しているだけだからだ。
そこには、実際に生活している生身の韓国人なり在日韓国人という存在がないからだ。これならこの本がいうように「韓流はマスコミが捏造した」などと批判する資格はないだろう。なぜなら韓流ファンのほうが韓国語も勉強して韓国にも足を運んで、それなりに生身の韓国人と接点があるからである。

 的外れといえば、空手や寿司やソメイヨシノが韓国に起源があるという、一部のキワモノ本、ゾッキ本で流通している話、独島など領土主権問題など一部の政治家や活動家だけが大騒ぎしている問題を、あたかも韓国人全体がそうであるかのように敷衍拡大して批判したり、在日の松本君が日本の歴史を糾弾するなど「マスコミで一部活躍しているよくいる在日知識人像」がさも在日全体がそうであるかのように描かれている部分である。
的外れな虚像を勝手にこしらえて「韓国人」を批判したつもりになっても、風車を巨人と勘違いして戦いを挑んだドンキホーテのようなもので、滑稽なだけである。まあ、マンガだからデフォルメや滑稽さはつき物だといえばそうだが、ところが、このマンガの場合、マンガとしての滑稽さもない。つまらない滑稽さでしかない。
独島・竹島問題でも、韓国で騒いでいるのは、戦後民族主義教育のはしりの中年世代の一部で、若者はそもそも独島には関心がない。そういう点で、日本でも「竹島主権決議」だの「領土主権」にやたらといきり立っている一部の右翼とのサルの喧嘩の類といえる。
 
 この本が韓国批判として甘く的外れだと思われるのは、韓国人の欠点の根本となる部分をきちんと指摘できていない点である。
 韓国人の欠点としては、「民族」「韓国」を出発点に考え勝ちであるという点をもっと指摘すべきであろう。
 たとえば、韓国は左翼勢力といえども、民族や国家を第一に考える癖がある。今年3月、竹島問題が起こったとき、民主労働党が韓国旗を掲げて独島に上陸して「韓国主権守護」をうたったり、12月に香港でWTO閣僚会議を批判するデモが起こったときも韓国闘争団が韓国旗を掲げたり、ドラマ「大長今」のテーマソングを歌ったりと、何かと国家、民族ばかり強調する。
 これが右翼だというならわかるが、左翼としては脱線ではないか?もちろん、民族解放闘争などの場面では左翼も反帝国主義の立場から民族自決を主張することは珍しいことではない。しかし、いったん民族国家が形成され、しかも今の韓国のように国家としてはむしろ中心部として第三世界を搾取する側にある強国になっているところの左翼が、いまだに国家や民族を第一義に考えているところが、まずは発想の貧困というしかない。
 まして、英国共産党のイデオローグで国家論理論家でもあるホブズボームは、民族主義なるものは、近代になってブルジョアジーが階級的利益を守るために捏造した幻想と虚構だと指摘している。
 ある意味では古いタイプのマルクス主義の影響が強い民主労働党や民主労総が、民族や国家を振り回している姿は、韓国の思想的貧困と限界を示しているといえるのではないか?

 単なる民族主義なら、それほど害があることではない。誇りを持つことは意味がないとはいえないからだ。
だが、韓国の場合、文化的に画一均質度が高いこともあって、それが排外主義、ショービニズムにも直結し、自己反省もされない点が問題である。
日本も少数民族を抑圧しているとはいえ、それでもアイヌ、ボニン、沖縄、そして戦前以降の移民である朝鮮人、華人などの少数民族が存在し、自己主張もできている。ところが、韓国には華僑以外の少数民族がおらず、しかも華僑ですらひどく迫害されている。外国人労働者がまず最初に覚える韓国語は「殴らないでください」だというほど、外国人労働者への差別と迫害もひどい。日本人で韓国も台湾も長期滞在した人がいっていたことでは「韓国は地獄、台湾は天国」だという。労働者ではない長期滞在者にとっても、韓国は世界で最も住みにくい国とみなされている。
 また、「反日」についてはどんな過激な言論も可能な点では、政府の公式論で統制されている中国よりは、まだ自由度が高いとはいえ、反日を批判したり、親日的だと見なされる言論は社会的に許されないという風潮も、排外主義というしかない。
 若者には醒めた見方が多いとはいえ、かといって積極的に排外主義に異議申し立てするほどの力もない。
 もっとも、こうした韓国の民族主義と排外主義を批判することは、嫌韓流やそれに群がる浅薄な日本の右翼はできない相談なのだろう。それは自分自身にも降りかかってくることだから。だからこそ、歴史問題で「自虐史観を論破する」という体裁をとったのだろう。そういう意味で、あくまでも日本が中心と主体で、議論の主題となっている相手は客体でダシに過ぎないという組み合わせは、小林よしのりの「台湾論」と同じ系譜にあるといってよい。
 韓国人の最大の欠点である民族主義、排外主義を批判できないのは、韓流を嫌っている右翼も同じ病理を持っているからである。その点では、東アジアの「経済大国・政治外交小国」という点では瓜二つの日韓の排外主義者どうしの黄色いサルのいがみ合いでしかない。

(ただ、公平のためにいっておくと、韓国の「反日」も評価できるところがある。それは建前の民族主義とは裏腹に、やはり民主主義国家だけあって、あくまでも「反日」も言論、言説レベルでなされているのであって、反日だからといって何の関係もない日本人の通行人をいきなり殴って憂さを晴らすことはしない。言論による発散の回路が確保されているからである。
 その点では、韓国の反日と中国の反日では質が違う。中国では、西安裸踊り事件の反日暴動、教科書問題などを理由にした今年春のそれにしても、いずれも関係ない日本人が多数殴られたりしている。中国は言論が抑圧されているため、言論による発散の回路がなく、反日が見境のない暴力に短絡的に直結しやすい。それは韓国との違いである。
 その意味で、私は嫌いだが、麻生外相が、持論として「韓国と中国は区別。韓国は同じ民主主義国家で友好を求めるべき」としているのは正しいといえる。)

 この本について批判ばかり述べたが、現実にベストセラーになって、社会的反響と影響力を生んだ以上は、正面切って考えなければならないかもしれない。
 肯定する側面を挙げれば、この本を通じて、韓国の欠点も正視して、韓国のさまざまな側面を理解するきっかけが生まれてほしいと思う。また、実は韓国を批判することは、韓国が日本の猿真似で成り立っている以上は、それは日本を批判的に見直すことにもつながる。日本は世界からみて特殊で非常識なところがたくさんある。それも考えることにつながればいいとは思う。

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ここまで、

ついでに「マンガマンガ嫌韓流の真実!」も(第1章以外は)お粗末と言う書評も転載しておきます。

http://blog.goo.ne.jp/mujinatw/e/f9d077b5afebbb6b8e10689d1a87cc3c

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「マンガ嫌韓流」と同時に買った「別冊宝島 マンガ嫌韓流の真実!」(以下「真実!」)だが、これも第1章の4本の文章ではいずれももっともな指摘がなされているものの、だい2章以下の検証部分はかなりお粗末である。
第1章の、実際に韓国での反応や在日の反応を取材した部分については、かなり面白い。たとえば、「真実!」p24で韓国人の話として紹介されているように、「韓国人観については反論のしようがありません。だって空手や寿司やソメイヨシノが韓国に起源があるだなんて、そんなこと言う韓国人はいませんよ」、また同書p27で在日韓国人の話として「在日については現状認識が甘いと思った」「日本人の高校に通っていて、ああいう主張をする松本君みたいな在日はいないんですよ」。
 だが、第2章以下の検証部分は、韓国語もわからない素人が、断片的で偏った知識や情報だけであれこれいっているものが多く、きわめてお粗末である。
 
具体的に述べると、「真実!」p48で創氏改名について「苦痛だったか」どうかの議論に熱中していて、そもそも氏と姓の別すらわかっていないのはどういうものだろうか?それこそ韓国側のずれた歴史認識と同じ土俵に乗っていることになる。
創氏改名は、創氏というように、日本人式の氏を新たに「創る」ということで、朝鮮人伝来の姓はそのまま残されたのが建前なのである。だから、「朝鮮名のまま」中将や国会議員になった人は、朝鮮の姓として洪姓や朴姓が日本名の洪氏や朴氏となったというだけのことなのだ。もちろん日本の意図としては「朝鮮姓」を公式には使えなくして最終的には廃止、朝鮮人を同化させることを目論んだことは事実だが、批判するにしても弁護するにしても、当時の制度の建前や仕組みについてちゃんと理解しないでは話にならない。
 
P53「両班の怨念」でも、「この層からすれば化外の地である日本の野蛮人どもに支配され、そのときに近代化が行われ、人々がこれを受け入れていたことなど、絶対に認められないのである」と書いているが、それをいえば、ソ連支配下のバルト三国、英仏植民地下の中東イスラム世界についても同じことが言えるのであって、近代化と文化伝統との相克というのはそういうものなのである。バルト三国だって「昔は遅れていた露助に支配されて、工業化がされた」ことへの鬱屈した屈辱感がある。だからといって、「両班の怨念」を書いている荒木和博氏は、バルト三国のソ連への抵抗をいちがいに「怨念」と切って捨てるのだろうか?
荒木氏は韓国語もわかる韓国研究者だが、逆に日本人で韓国しか見ていない人にありがちな過ちに陥っている。つまり、日本にあまりないが韓国にはある部分を見ると短絡的に「これは韓国の特殊性だ」と決め付ける議論である。それは荒木氏の視野が狭いだけである。世界は日本と韓国だけではないのだ。
 
同様にP66−68の「海賊版・パクリ文化」は、別に韓国だけの病理とはいえない。そもそもパクリといえば日本がどれだけ米国や英国やドイツのものをぱくって経済発展させてきたか。現在でも日本のテレビ番組のほとんどはパクリである。また、日本のアニメをそれと気づかされずに放映されていたことについても、それだけで、なぜ「マジンガーZ」や「キャンディキャンディ」など「バタ臭い」キャラのものばかりで、たたみが出てくる「ドラえもん」「サザエさん」がないのかの論考がないのは片手落ちである。それは、台湾でもかつて反日国民党独裁時代に同様のことがあったのだが、それは日本アニメといっても、キャラや背景や物語に「日本を感じさせないもの」だけが選別されたのである。その部分を指摘すべきではないのか?
 
P71−72の「天皇を在日認定」についても、「もし天皇が朝鮮半島由来だというなら、天皇主権の明治国家が朝鮮を植民地にしたことは、侵略ではなくて、復国である」くらいの切り返しがほしかった。これは徐福伝説を史実として教えていた中華人民共和国と国民党が「日本の侵略」を指摘した場合にも使える理屈ではあるのだが。ただし、私は韓国人と違って、「民族の悠久の歴史」など信じていないし、アジアでは民族だの国家だのは、たかだか100年の歴史もないわけだから、近現代史に限って日本の侵略があったことは反省する立場であるけども。ただ、韓国人の論理構造を使えば、そういう切り返しができるということであるわけだ。
 
また、おかしなことに、宮島理氏という人は、P74−75の「ウリナラマンセー主義」ではハングル専用化、漢字の事実上の廃止について、「偏った民族主義」と非難する一方で、その次のページでは「小中華思想」として韓国には民族主義がないかのような矛盾した指摘をしているのである。
 もちろん人間は矛盾だらけの存在だし、韓国人も偏狭な民族排外主義と中華事大主義が混在していることは事実である。
 しかし、宮島氏は、おそらく朝鮮語も読めないのだろう。「ハングル専用化は同音異義語に対応できない」「言葉の広がりを犠牲にしている」などといっているのは、あまりにも浅墓な議論だ。
そもそも朝鮮語は日本語と比べて音素にして倍、音節は40倍は多いので、同音異義語の問題はあまり発生しない。「日本語から漢字を取り去ったら、わからなくなる。それと朝鮮語も一緒に違いない」という認識なのだろうが、それこそが自民族のものさしで他人をはかっているだけである。
同音異義語が問題になるのは、漢字を使っているからであって、「漢字を使わないと同音異義語が区別できない」というのは、因果関係を転倒させた議論である。漢字語をほとんど入れていないモンゴル語では同音異義語の問題はあまりおきない。
 どういうわけか日本では右寄りの人にかぎって、漢字崇拝が強く、戦後朝鮮の脱漢字志向を非難しがちだが、漢字はそもそも中国の文字であって、日本や朝鮮の固有の文字ではないことを忘れているのだろうか?また、漢字廃止を問題にするなら、ベトナムだって戦後漢字を廃止してローマ字専用にした。ベトナム語のほうが朝鮮語よりも漢字起源の語彙が多いにもかかわらずである。台湾でもかつて漢字を使わないで全部ローマ字で台湾語を表記した聖書が広く使われたことがある。別にそれによって「言葉の広がりは犠牲」になってなど、いない。
しかも、宮島氏は、韓国ではハングル専用化が進められた70年代を境に、韓国語の文体そのものが変わってきていることも知らないようだ。韓国では、ハングル専用化することで、文体そのものが口語調の滑らかなものに変化しているのである。
 日本でも、ラジオ放送用の原稿や盲人用の点字図書は、同音異義語を避け、なめられかな文体に工夫されている。ラジオや盲人が漢字という視覚に頼るわけにはいかないからだ。韓国のハングル専用化もそれと同じことだ。視覚に頼った表意文字漢字こそ用途の広がりという点で問題をはらんでいることを、宮島氏はわかっていないのだろうか?
だいいち、言葉は環境に適用する。漢字を廃止すれば、漢字を使わなくても理解できるような方向で言葉が広がるだけのことである。
 漢字があるほうが言葉が広がるなどと思っている宮島氏は、点字やラジオ原稿に頭がいかない。それこそ頭の固い中華主義者というべきだろう。
 P79で黄文雄氏は朝鮮で世界的な文明が生まれなかったことをこき下ろしているが、そもそも「世界的な文明を生まなければならない」という強迫観念こそが異常だし、黄氏の母国の台湾だって世界的な文明は何も生んでいないから、別に韓国人を哂う資格などないことになる。

 P81「火病」についてだが、交通マナーの悪さによる事故死多発についての議論は、あまりにも短絡的で、それこそ韓国人の議論態度に近い。
そもそも交通のマナーが良いのは世界でも米国と日本(とくに東京で、大阪や名古屋はその限りではない)など数える国しかいない。私は韓国の交通マナーが世界的にひどいレベルだとはまったく思わない。韓国程度でびっくりしていたのでは、レバノンやエジプトにはいけないだろう。

P82でも韓国人が自分の英語力の低さについて自己認識ができず、うぬぼれていることを指摘しているが、その調査統計で、アジアで英語能力に不安を持たない人の割合が多い国の1位がシンガポールで、2位が香港になっていて、彼らの自信過剰について指摘しないのはナンセンスである。シンガポール人と香港人のどこが英語が「うまい」と言えるのか?日本人よりはぺらぺら話せるというだけで、実際の中身はほとんどないし、文法・表現はお粗末なのだから。英語を話せるというのは、英語の根底にある西欧文化への理解と教養なしには「話せる」といってはいけない。本をろくに読まないようなシンガポール人や香港人が表面的にぺらぺら話しているからといって、そこに疑問を投げかけないで、韓国人ばかり非難するのはフェアとはいえないだろう。

P92−94の総連と民団に関する記述で、法務省の統計として、「北朝鮮籍約14万5千人」などとしているが、日本政府は北朝鮮を国籍として認めていないので、これは完全な誤りである。日本には国籍としての韓国籍と、「旧外地で戦後日本の手を離れた」朝鮮という地域の籍があるだけで、北朝鮮籍など存在しない。北朝鮮の在外公民は日本ではたいていは朝鮮籍であるが、すべての朝鮮籍が北朝鮮支持者だとは限らない。朝鮮籍は北朝鮮籍にとっての必要条件とはいえても十分条件ではないのである。こんな基本的なこともわかっていないで議論しても仕方がない。

また、P95で韓国民団が外国人参政権を要求していることに批判的な論調を掲げているが、たしかに日本で生まれ育って、しかも3世や4世になっている在日韓国・朝鮮人についていえば、「帰化すればよい」という議論はなりたつが、そうではない外国人配偶者が増えていて、彼ら彼女らが簡単に日本国籍を取れるわけではないということを無視している。
あたかも外国人参政権問題は、在日韓国人だけの話だという決め付けはおかしい。
しかもこの本で批判している韓国が最近外国人の地方参政権を認めたり、北欧をはじめ先進国では地方レベルでの外国人参政権は普遍的になっている。というのも、外国人といえども税金を払い、ゴミ問題など地域的な問題への発言権はあるからである。
それも「帰化すればよい」とはいえない。帰化したくなくても、地域的な行政や政治にかかわるケースはいくらでもある。

P113で西村幸祐氏は、韓国語がまったくわからないで、ネット翻訳にかけていることがばれている。「日帝強点下民族差別用語行為者処罰法案」と書いている。この「点」は正しくは「占」である。韓国語では同じ音점になるから、翻訳エンジンが間違えたのだろうが、間違いにさえ気づかないのはお粗末である。
また、P122−23で、ノムヒョン大統領を人権派弁護士出身である点から「曲者」だとして、国家人権委員会を「北朝鮮による工作が関与している」などというでたらめなことを書いている。国家人権委員会は、タイやインドネシアなどアジアで民主化したところでは広がっている制度で、北朝鮮とは何の関係もない。また、人権派弁護士というなら、台湾の陳水扁以下、今の民進党政権の重鎮はほとんどそうなのであって、それこそ新興民主諸国の特色でもある。それを「曲者」だの「左翼」だの「北朝鮮の工作」などと結びつける西村氏は、北朝鮮がそんなに強い工作力をもったすばらしい国家だと過大評価し、民主化というものを過小評価しているだけではないのか?


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                                   以 上

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