★阿修羅♪ > アジア3 > 704.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
比、非常事態を宣言 アロヨ政権で初 反政府デモ排除
【シンガポール=藤本欣也】フィリピンのアロヨ大統領は二十四日、軍や野党、共産主義者などが政権転覆を共謀していたとして、全土に国家非常事態を宣言した。これに先立ち、クーデター計画を未然に摘発したと発表、陸軍准将らを拘束した。非常事態宣言により街頭デモが禁止され、同日、野党勢力が組織した反政府デモは治安当局に排除された。政権側は軍の不満分子などを一掃する方針とみられるが、“強権発動”が逆に反アロヨ勢力を再結集させる可能性もある。
アロヨ大統領は二十四日、テレビを通じて「国家に対する明白な脅威があり、国家非常事態を宣言するに至った」「(同宣言は)政府を脅かす勢力に対する私の警告である」と強調。政権転覆の企てを徹底捜査するよう治安当局に指示した。
二〇〇一年に発足したアロヨ政権下で非常事態宣言は初めて。同宣言により、当局には令状なしの逮捕や拘留延長の権限が付与された。外出禁止措置は含まれない。一九八六年にマルコス独裁政権を崩壊させた「ピープル・パワー革命」二十周年を記念する二十五日の公式行事は中止された。
非常事態宣言を受け、軍や警察車両がマニラ首都圏各地に展開し、検問を強化した。街頭デモも禁止されたが、野党勢力は数千人規模の反政府デモをマカティ地区などで組織、治安当局と一部で衝突があったものの、大きな混乱はなかった。
アロヨ大統領は〇四年の大統領選で開票を操作した疑惑が浮上、支持率は低迷を続けている。最近の世論調査では、「アロヨ退陣」を求める意見が65%と高率だが、あくまでも自発的な退陣を促す声が強い。反アロヨ勢力も思惑の違いから足並みがそろっていない。
今回の非常事態宣言に対し、野党指導者は「政府の反応は過剰で不適切だ」と反発。フィリピン大学のベニト・リム教授(政治学)はロイター通信に対し、非常事態宣言はマルコス時代の戒厳令下の弾圧を想起させるものであり、「(危機感を強めた)野党勢力や軍を結集させる可能性がある」と指摘している。
この日の反政府デモに参加したアキノ元大統領も「私たちの民主主義が奪われるのを許してはいけない」と訴え、アロヨ大統領の退陣を求めた。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/25int001.htm