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朝日新聞からhttp://www.asahi.com/international/update/0215/019.htmlより引用
「謹慎」義弟を再登用、体制固め 金総書記、64歳
2006年02月15日20時49分
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は16日、64歳の誕生日を迎える。父、金日成(キム・イルソン)主席の死去後、名実ともに権力継承を完成させてから10年目に入るが、日米との関係改善は進まず、経済苦境打開の道も見えない。そんな中、謹慎中だったとみられる義弟の復権が関心を呼んでいる。経済改革から後継者指名まで、北朝鮮なりの「変化の兆し」と受け止められているからだ。
北朝鮮の国営メディアは先月末、党組織指導部第1副部長を務めた張成沢(チャン・ソンテク)氏が、旧正月を祝う宴会に金総書記とともに出席したと報じた。張氏は金総書記の妹、金敬姫(キム・ギョンヒ)・党軽工業部長の夫で北朝鮮の実質「ナンバー2」ともいわれた側近中の側近だった。しかし、03年夏から動静が途絶。公式に確認されたのは約2年半ぶりだった。
張氏は公式メディアで党中央委第一副部長とだけ伝えられたが、韓国政府筋などは「勤労団体」「首都建設部」担当に任じられたとみる。詳しい任務は不明なものの、経済再建に関係する部門のようだ。
韓国を経済視察するなど、張氏は積極的な改革派だとみられてきた。韓国政府関係者によると、今月下旬の訪中を検討しており、先に金総書記が視察した南部を訪ね、中国式の市場経済の現場を視察する予定とされる。
外交政策の面でも注目される。いっこうに改善しない対米関係に危機感を抱いた金総書記が、軍部にも大きな影響力を持ち、信頼の置ける身内を再登用して足場固めを図る狙いではないか、との見方が有力だ。
一方、張氏の復権は、金総書記の後継構図にも微妙な影を落とす。張氏は、金総書記の有力な後継候補とされる次男の正哲(ジョン・チョル)氏と故高英姫(コ・ヨンヒ)氏親子との確執が重なって失脚した、といわれている。母親の高氏は04年に死亡した。張氏の復権は「正哲氏の後継指名がすでに固まったため」との見方もあれば、「金総書記ファミリーの後継力学に何らかの変化があったのでは」との観測も出る。
今のところ後継問題で明確な方針が下された兆しはない、というのが韓国政府の見解だ。ただ、絶対権力を誇る金総書記にも次第に「老い」が目立っており、後継者をめぐる憶測に拍車をかける結果となっている。