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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu113.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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イスラム社会と中国社会に共通する言論の自由に対する
拒否反応は、排外思想になり文化文明停滞の元である
2006年2月7日 火曜日
◆「狼の乳を飲み続ける中国の青少年」を育てる歴史教育。やはり必要な日中の歴史対話 船橋洋一 週刊朝日2月17日号
http://www3.asahi.com/opendoors/zasshi/syukan/briefing/index.html
(前略)
中国共産党は、共青団中央宣伝部名で、袁教授の文章の中に「帝国主義列強の中国侵略の罪という歴史事実に反し、新聞宣伝規律に反するという重大な違反があったこと」を処分の理由に挙げている。
「氷点週刊」は1995年、刊行。良質にして躍動的な社会派ジャーナリズムとして改革派の人々に支持されてきた。
袁教授は論文を次のように書きだす。
《中国では、1949年の建国後、反右派闘争(注2)、大躍進(注3)、文化大革命という三つの災難を経験し、人々は1970年代になって、「われわれは狼の乳を飲んでしまった」と沈痛に自覚するに至った。それから20年以上を経て、私は中国の歴史教科書を読み、「われわれの青少年は、依然、狼の乳を飲み続けている」ことを知り、愕然とした》
「狼の乳」とは「誤った思想、文化、観点」のことである。
一例として、義和団事件(注4)を取り上げる。
《「8カ国連合軍が北京占領後、放火略奪を行った」など一部の記述を除き、次のとおり誤りの連続である。
(1)義和団が現代文明を敵視し、外国人および外国文化を盲目的に排斥した愚劣な行為について言及がない。
(2)清の高級官僚および義和団の殺戮、放火略奪の罪についての批判がない。
(3)西太后の専制、邪(よこしま)な政治がきわめて大きな災いをもたらしたことについての記述がない
これに比べ、香港の教科書では、義和団が、外国人、洋書を所蔵する者、メガネをかけた者などを殺したこと、教会、電線、線路などを破壊したことが非難されている。また、義和団事件発生の背景について、(1)民族感情(2)人民の生活困窮(3)列強の侵略(4)キリスト教教会と人民との訴訟事件の頻発、があると分析している》
《中国の教科書は、義和団事件の野蛮行為をいまなお「革命」とたたえている。ある者は、現行の国際条約を遵守する観点を主張する者を「売国奴」「投降者」と過激な批判を加えている。
結局のところ、これは革命を粗略に扱う害毒だ》
当時も今も、共通している中国の国民性、つまり中国特有の論理や思考形態がある、と教授は言う。
(1)中華文化こそ最高のものである。
(2)外来文化の邪悪さによって中国文化の純潔が浸食されている。
(3)政権、あるいは暴徒の専制的な暴力を用いて、思想文化分野の邪悪を排除しなければならない、あるいは排除できる。
といった思い込みである。。
(後略)
言論を弾圧するイスラム教のイメージは悪化するばかり
◆「預言者ムハンマドに関する漫画問題」 2006年02月05日 佐々木 良昭
http://www.tkfd.or.jp/news/today/1_20060206_2.shtml
デンマークの新聞にイスラム教の預言者ムハンマドに関する漫画が掲載された。そのことがいま、世界中のイスラム教徒を怒らせ、危険な情況を生み出している。この漫画に対する抗議デモが、シリアやイラン、レバノン、パレスチナなどで起こっているが、近い時期に東南アジアや中東全域でも激化していくことが予測される。
既にシリアのダマスカスとレバノンのベイルートでは、デンマーク大使館がデモ隊によって投石されただけではなく、放火されてもいる。デンマーク大使館内部には館員がいることから、生命の危険も懸念される情況なのだ。
何故、預言者ムハンマドが漫画で描かれ、新聞に掲載されたことが、これほどの状態を生み出すのだろうか。そこには二つの理由がある。
ひとつは、イスラム教徒の間では預言者ムハンマドを描いてはならない、ということになっているからだ。このため、イスラム教の歴史書にも、子供向けの本のなかにも、預言者は描かれていないのだ。
預言者を描かない理由は、それが偶像崇拝に繋がる危険性がある、とイスラム法学者たちが判断しているためだ。また、描かれた絵によって受ける感覚は、見る人によって異なり、場合によってはイスラム教そのものを嫌ったり、軽蔑したりすることにも繋がりかねないからだ。
イスラム教の映画を作れば宣伝効果がある、と若い頃に考え提案したことがあるが、簡単に否定された思い出がある。それだけイスラム教徒は原理原則に厳しいのだろう。
もうひとつの原因は、やはりイスラム教徒が世界中で敵視され、蔑視されているということにあるのではないか。アフガン戦争、イラク戦争と続き、イスラム教徒が多数死傷していることに、怒りを感じているイスラム教徒は世界中にいる。
そのイスラム教徒が今回の漫画で、一度に怒りを爆発させたということであろう。不当な尋問と逮捕、逮捕後の長期にわたる投獄と尋問なしの放置、理由の不明確な国外追放など、通常の生活の中でも多くの困難にイスラム教徒たちは欧米で直面しているのだ。
このためアラブ諸国では、預金の凍結を恐れ、預金をアメリカからから東南アジアやヨーロッパに移したり、留学先を東南アジアに変更するケースが増えているのだ。
このことに加えて、イスラム諸国の経済状態が芳しくないことも原因のひとつであろう。アラブ諸国の大衆は、政府の規制が比較的緩やかな、外国に対する抗議デモで日ごろの鬱憤を晴らそうとも考えているのであろう。
しかし、そのことが主たる原因だとは考えるべきではない。それよりも、表現の自由という権利で何でも表現していいという風潮が、果たして正しいのかどうかについて考えてみる必要があるのではないか。日本でも過激な漫画が、性犯罪や暴力を助長していることが問題化しつつあるではないか。
欧米の漫画家による十字軍遠征
(私のコメント)
今日のニュースなどでは、イスラム諸国におけるデンマーク大使館や領事館への投石や放火などの光景が映し出されていますが、どこかで見たような光景だ。去年の4月頃の中国における反日デモで日本の領事館への投石や国旗の焼き払いなどの光景が思い起こされる。デンマークの首相は言論の自由を侵してまで謝罪するわけにはいかないと述べていますが、火に油を注ぐ結果になった。
小泉首相の靖国参拝も個人としての行為であり思想や信教の自由の問題なのですが、中国ではそれが許されない行為なのだ。細かく言えば靖国神社の歴史観が気に入らないという事なのでしょうが、中国人は小さい頃からの教育で「狼の乳」を飲まされて育ってきた。
中国の戦略としては経済成長こそが第一優先課題なのですが、そのためには日本からの資本や技術などを導入していかなければなりませんが、反日デモが起きるようになるとそれが上手くいかなくなる。中国はNHKなどのマスコミに圧力などをかけて中国投資キャンペーンを行なっていますが上手くいかなくなってきる。自分で自分首を絞めているのだ。
イスラム教の問題についても、小さい頃からの厳しい戒律教育が「狼の乳」となってしまって、表現の自由などに対して非寛容な態度を取るようになってしまっている。イスラム教では偶像崇拝がいけないこととされていますが、他の宗教の信者までを拘束するものではない。
日本人からすれば偶像崇拝のどこが悪いのかと思うのですが、奈良の大仏や各地にある大きな観音像などは日本の繁栄と平和の象徴ではないかと思う。逆にイスラム教の厳しい戒律こそがイスラム諸国の停滞の原因ではないかと思うのですが、モハメッドのマンガに対しての反応は異常だ。
マンガといえば小泉首相やブッシュ大統領などは格好のマンガの材料であり、それに対して政府が抗議をするということは無い。抗議をすれば政府の見識を疑われるだろう。
宗教問題にしても日本や欧米は近世において政治と分離されましたが、イスラム教や中国の共産主義は政治と一体化されていて、それが表現の自由や思想信条の自由を阻害してしまっている。それらの自由が保障されなければ、そもそも近代化と言うものが上手くいかない。
しかし自由が行き過ぎればエログロナンセンスといった退廃的なものが世間に満ち溢れてしまうだろう。それらを法律で取り締まるのは無意味な事であり、それらは個人個人の良識やモラルの問題である。つまり近代文明は良識やモラルのレベルの高いところでしか繁栄することはできない。ホリエモンや小嶋社長のような人物ばかりだと社会が滅茶苦茶になり政治や経済も発展はしない。