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対北食糧支援中止へ 米、監視拒否を非難
【ワシントン=樫山幸夫】米政府による北朝鮮向けの食糧支援が今年で打ち切られる可能性が強まってきた。米国は秋以降の支援食糧の船積みを凍結しているが、再開されることなくそのまま中止となる見通しだ。食糧事情の好転を機に、北朝鮮が世界食糧計画(WFP)に支援中止を要請し、配分監視を拒否しているためで、米政府は、飢えている北朝鮮市民から食糧を奪う結果になるとして北朝鮮当局を非難している。
国務省のエレリ副報道官は二十九日、船積み凍結がまだ解除されていないことを明らかにし、今年中の再開は不可能と強調した。そのうえで、北朝鮮が食糧配分監視を認めないために凍結を継続せざるを得ないと指摘し、「(監視不許可は)食糧を必要としている飢えた人々を無視することになる」と北朝鮮の方針に懸念を表明した。
米国は今年、北朝鮮に対して、五万トンの食糧支援を決定、秋までに半分を船積みした。しかし、北朝鮮がWFPに対して、支援食糧の配分監視体制を縮小するよう迫り、食糧支援そのものも開発援助に切り替えるよう求めてきたため、十一月から船積みを停止している。
米国は、供与された食糧が軍事用に転用されるなどして食糧不足に悩む市民に渡らなくなることを警戒しており、供与に当たってはWFPが配分監視に当たることを条件としていた。
ワシントンの外交筋は、北朝鮮の食糧生産が昨年に比べて4%増加したことや韓国が五十万トンの支援を行ったことを挙げ、北朝鮮が監視を認めたうえでWFPに支援要請をしてくる可能性は少ないと指摘。「米国からの食糧支援は今年が最後になる可能性が強い」との見通しを示した。
米国は北朝鮮の食糧危機が深刻化した一九九五年から食糧支援を行ってきた。北朝鮮の核開発再開が明らかになった二〇〇二年以降も、「人道支援を政治問題とはリンクさせない」(国務省)として継続、これまでの供与は約二百万トンにのぼっている。国際機関を通じては最大の支援国だ。
北朝鮮の強硬姿勢が原因で実際に供与が全面中止となれば、将来、食糧危機が再来し、米政府が支援を再開しようとしても、議会から反発が出るなどして困難になることも予想される。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/31int001.htm