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東アジアサミット
ロシア加入意欲「困った」
日本政府
拡大路線と板挟み
(朝日 12月10日 朝刊)
[概要]ロシアが8日、東南アジア諸国連合(ASEAN)と首脳会談の定例化に合意した。日本政府 はこれをロシアの東アジアサミット参加の布石と受け止めている。
日本政府は東アジアサミットで中国の影響力をそぐ狙いから、「開かれた地域主義」を掲げてオーストラリア、ニュージーランド、インドの加盟を後押しした。ところが3カ国の新規加盟の動きに弾みがつくと、ロシア、モンゴル、パキスタンも関心を示す結果となった。もし東アジアサミットで政治的に接近している中露が連携すれば、東アジアサミットで中国の影響力が盛り返す懸念があると日本政府は危惧している。
日本の外務省幹部は「実態としてロシアとASEANは協力関係にない。ASEANは迷っている」と、当面、対応を見守る姿勢だ。
[コメント]これまでの経緯を簡単に整理すると、中国の経済攻勢で最初に悲鳴を上げたのはASEAN(10カ国)だった。ASEANは東南アジアに進出する中国を牽制するために、日本や韓国の影響力を活用することを考えた。それがASEAN+3(日本、中国、韓国)である。このASEAN+3で東アジア共同体構想が話し合うことになった。しかし日本は中国の影響力を下げるために、ASEAN+3にオーストラリア、ニュージーランド、インドを加える16カ国にするように提案した。これが日本の説いた「開かれた地域主義」である。それは受け入れられて東アジアサミットは16カ国になった。
その東アジアサミットを中国との関係を強化するロシアが突いてきた。ロシアもこの東アジアサミットに参加したいと言い出したのだ。そしてASEANとロシアの定期首脳会談に合意したというわけである。これでますます東アジアや東南アジアで中国の影響力が増すことは間違いない。これが日本外交の大敗北になる。その大失敗に気がつかず、外務省幹部は当分は様子を見るという。
日本の外務省がアメリカに追随し、その属国として従属して済む時代ではないことに気がついていない。日本をとりまく東アジアの国際環境は急激に変化を始めている。なにも反米である必要はないが、単純にアメリカの懐に頭を突っ込んでいては解決しない。アメリカがイラクの泥沼に足を奪われ、国際的な影響力が衰えると、そのスキをついてすぐに中国やロシアが拡大してきてくる。
本当に日本の外務省は外交が出来ていない。何よりも、国家戦略というものがまったくわかっていないのだ。あえて名前を挙げないが、外務省出身で世界戦略を語るもので、軍事がまったくわかっていないものがいる。どうしてそのようなデタラメをいうのかと気になるが、それが外務省出身というだけで国家戦略を語る資格があると思っている。それでも最近は、「とにかくアメリカとの関係強化しかない」とだけ繰り返している。
もし中国とロシアが組んで、東アジアサミットで影響力を行使するとどうするのか。アメリカに頼んで中国とロシアを軍事力で攻め滅ぼしてもらうつもりか。民主党の前原さんも「中国の軍事力が脅威」などと素人のようなことを言わないで、軍事力を使わない中国のアジア拡大戦略に注目して欲しい。前原さんのことを「得意の外交・安保」という言葉を聞くが、私が聞いたり読んだもので、前原さんが外交・安保に強いと思ったことは一度もない。そもそも日本の政治家で外交・安保に強い者がいるのか。・・・・・・・・・虚しい。