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母子の断末魔の叫び 今も
それはあまりにも対照的な光景だった。車窓に広がる載寧平野の豊かな黄金の稲穂の波と、その先にあった信川博物館の残忍な民衆殺りくの痕跡とは。
55年前に米帝国主義とその手先らによって断行された身の毛のよだつ生々しい虐殺の現場を先月12日、総聯女性活動家代表団の一員として訪ねた。
1950年10月、信川に侵入した米軍は占領していた52日間に、その地の住民の1/4にあたる3万5383人を殺し、阿鼻叫喚の地獄図を出現させたのだ。
約1時間をかけてその展示室を見回った。虐殺された人々の毛髪、焼けた靴や衣服、はては殺害、拷問の武器、道具まで展示されてあった。ここはナチスの蛮行を世界に告発するアウシュビッツに匹敵する「歴史の現場」なのだ。
無惨な母子虐殺の現場を世界に告発する信川博物館の現場
朝鮮戦争勃発から4カ月後に起きた米軍と、その指揮下のかいらい軍による無差別大虐殺。近年、済州島、大田、大邱、居昌、老斥里などにおける一般住民への大量殺りくの実相が国際社会に向けて、次々と明らかにされつつある。
とはいえ、その現場に実際に立って、博物館の女性案内人から米軍による凶悪な犯罪の詳細な説明を聞くには、相当な覚悟がいる。
人々を襲った地獄絵のディテールの激しい衝撃に耐えねばならないからだ。
彼女は語る。
「信川地区米軍司令官であったハリソンは、共産主義者の種を絶やさねばならないと、火薬庫に一緒に収容されていた母子を引き離し、殺せと命じた」
「母の懐から子どもを引き離した米軍は、母子を別々の部屋に入れ、ガソリンをかけて焼き殺した」
「橋の上で逃げ惑う人々に一斉射撃を加え、川に落として2000人を虐殺、貯水池でも1000人の女性たちを水攻めにして殺りく。さらに冷凍倉庫に1200人の愛国者を閉じ込め、軍犬を放ってかみ殺させた」
「小学校の校長の頭を切断し、信川たばこ工場の女性党委員長の両目と乳房をえぐりとった。また、妊婦の腹を切り裂き、9カ月目に入った胎児を取り出して銃剣で突き刺した」
これらの米軍の残忍な蛮行を示す6465点の遺物、証拠資料、450余件の写真資料が、博物館に展示されていた。
見終わったあと、大阪の申千玉・女性同盟副委員長は「人間の仕業ではない。米国は朝鮮以外も、ベトナムも、イラクでも恥ずべき無差別大虐殺を行ってきた。絶対に許してはならないことだ。米国は朝鮮で犯した戦争犯罪の責任を取るべきであり、北、南、海外で力を合わせて国際社会に強く訴えていくべきだと思う」と語っていた。
また、小学校1年生の子どものオモニである宮城県仙台市の白貴仙さんも「母子の断末魔の叫びが、今でも聞こえてくるようだ。どうしたらあんな惨いことができるだろうか。今も世界各地では米国による戦争が続き、同じように罪のない母子が犠牲になっている。朝鮮半島で再びこのような醜悪な犯罪が起きないよう、北南が一つになって、平和な世界を築かなければ」と語った。(粉)
[朝鮮新報 2005.11.14]
http://www.korea-np.co.jp/sinboj/Default.htm