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アジアのITハブはどこか?
http://nna.asia.ne.jp.edgesuite.net/free/tokuhou/asia_it/it04.html
経済がグローバル化しており、いろいろな企業活動が24時間化してきている。これを可能としているのがIT(Information Technology:情報技術)である。さて、1日の事業活動範囲を8時間とすると、地球は経度で360度であるので、経度120度ずつに3つに分けてITセンターを設置すれば、24時間を完全にカバーできる。事業活動の大きさから、1カ所は米国(ニューヨークなど)、もう1カ所は欧州(ロンドン、フランクフルトなど)であり、最後は、アジアの東経120度前後のところに1カ所で十分である。さて、この東経120度前後には、日本、香港、台湾、韓国、シンガポール、オーストラリアなどが該当する。これらの国々の間で、グローバル企業のITハブを取り合っていく宿命にあるといえる。全世界的に事業展開している多国籍企業にとって、今や、データ・センターは条件の良いところであればどこでも良い。かつ、アジアで1カ所でよいのである。
東南アジアの各国では、自らこそがITハブになるとの政策目標を有している。
ITハブのポイントは(1)高級IT人材確保の容易さと(2)通信自由化、すなわち通信の高品質と低価格、の2点に集約されるだろう。
この2点を考慮すると、今後、香港、シンガポール、豪州の3カ国がそれぞれ、アジアのITハブを取り合って競合していくことになるであろう。
1) 進展するアジア各国の通信自由化
通信インフラ・サービスの質および料金は、IT人材の確保とともに、今後の一国のIT発展に重要な要素の一つである。この質と料金の問題は、規制緩和・競争導入に密接に関連している。国内の通信事業分野での既特権を排除し、真の競争導入を実施できるかどうかが、当該国及び地域のIT発展に非常に重要である。
幸い、アジアでの通信の自由化は、大きく自由化の方向へカジを切っている。香港、シンガポールの通信自由化に続き、インドも最近になって、各産業分野での自由化を急速に進めており、インターネットは既に自由化し、国内通信事業についても2000年8月から自由化を実施した。アジア全体で、自由化、競争導入の重要性の認識が格段に高くなっている。タイにおいては、今年の9月26日に国営通信事業者の民営化を正式に決定している。
2) アジアのIT人材供給の状況
アジアでのIT人材供給の状況を鳥瞰図的に見てみたい。シンガポールでは、毎年、1万人程度のIT人材が新規に必要であるといわれている。大学、ポリテクのIT学部の卒業生は、2,250人であり、完全に不足している。世界的には、米国が多くのIT技術者を必要としており、海外のIT人材を吸収している。
シンガポールにおいて働いている9万3,000人の情報通信技術者の27%が外国人である。シンガポールとよく比較されている香港については、同様にIT技術者が不足している。なお、シンガポールでは、外国人技術者の国内への導入に成功しているのに対し、香港では現在のところ中国本土のIT技術者の導入に成功していない。香港にとっての今後の課題である。
最近の東南アジア・コンピューター連盟(SEARCC: South East Asia Regional Computer Confederation)の調査によれば、アジアのIT技術者の平均像は、75%が20歳台またはそれ以下の若い層。勤務先での平均勤務年数は3年とジョブ・ホッピング率が高く、年収はほとんどの国で、5,000米ドルから1万米ドル以下であることが明らかとなっている。特に、インド、インドネシア、パキスタン、スリランカでは、過半数以上のIT技術者の年間給与は5,000米ドル以下の水準である。
フィリピン、タイでは、これよりも高給ではあるものの、5,000〜8,000米ドルの間にある。これらの人が、毎年、相当の数で、C++やJAVAのプログラム作業の分野に入ってきている。