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【台北=石井利尚】今年4月の胡錦濤・中国共産党総書記と台湾の最大野党・国民党の連戦主席(当時)による60年ぶりの「国共トップ会談」から半年がたち、中国当局と国民党が連携を強めている。
両者は会談で合意した「台湾支援」策を実行に移すことで、「一つの中国」を拒否し、中台対話に消極的な陳水扁総統に圧力をかける方針だ。
「パンダが早く来ることを台湾人民は待ち望んでいる」。10月に再度訪中した連戦・党名誉主席は四川省のパンダ保護センターで、中国が贈呈を表明したパンダ2頭の台湾入りに期待を示した。
経済通の江丙坤・国民党副主席も今秋訪中し、在中国の台湾人ビジネスマン支援策などを中国側と協議した。両氏の訪中は、中国とのパイプを通じ、中台平和に貢献できる力を台湾世論に訴えるのが狙いだ。国共両党は初の共同フォーラムを12月に台北で開く。国民党は、中国の対台湾政策責任者の陳雲林・台湾工作弁公室主任の台湾入りを求め、陳政権を揺さぶっている。
中国は「台湾同胞支援」を次々に打ち出している。8月、台湾産果物のゼロ関税を実施。9月には、在中国台湾企業向けに300億元(1元は約14円)の融資枠を決め、中国に留学する台湾人学生向け奨学金も創設した。
10月末からは邵■偉・中国国家観光局長が台湾を視察中だ。同氏は陳政権発足後に訪台した最高位の中国幹部で、中国が求める中国人の台湾観光の準備が目的と見られている。中国は3日、来年1月の春節(旧正月)の旅客と貨物の中台直行チャーター便の協議開催を台湾に申し出た。春節直行便を利用し、中国人観光客を台湾に送り込む狙いと見られる。(■は王ヘンに「其」)
台湾では、春の連氏訪中以来、国民党支持率が上昇、対中交流は一定の支持を集めている。逆に、陳氏は「対中無策」の批判を受け支持率が低迷。人気盛り返しのため、中国が求める旅客直行便協議に応じる方針を決めたほか、航空業界が熱望した中国領空飛行を解禁し、9月には金門、馬祖島での人民元の両替を認可した。
だが、民進党は、国共の連携を「統一工作」と批判し、中国が対話の前提とする「一つの中国」を拒否。陳政権幹部は「中国は2008年の次期総統選まで、国民党に経済交流の主導権を握らせ、政権奪回を支援するはず」と警戒感を募らせている。
(2005年11月5日23時4分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051105id27.htm