★阿修羅♪ > アジア3 > 1123.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□【社説】スパイ教官になった拉致被害者、ソウルで実業家になった拉致実行犯|朝鮮日報
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1853476/detail
【社説】スパイ教官になった拉致被害者、ソウルで実業家になった拉致実行犯
北朝鮮によって1978年拉致された高校生の金英男(キム・ヨンナム)さんは、韓国に送り込むためのスパイを養成する教官になった。一方で当時、金さんを拉致したスパイの金光賢(キム・グァンヒョン)さんは、1980年に逮捕され、思想を転向してソウルで実業家になったことが判明した。2人の入れ替わった数奇な運命と、その2人が住んでいるこの国の運命は、どんな小説よりもドラマチックだ。
こうした運命のいたずらが生じた原因は、紛れもなく南北分断体制にある。より踏み込んで言うなら、隙を見ては工作船を送り込んで、同じ民族であれ外国の国民であれ、拉致してきた北朝鮮という集団だ。金英男さんと金光賢さんの入れ替わった人生は、こうした北朝鮮の犯罪性を克明に物語っている。
米国下院は今月末、金英男さんの妻だった日本人拉致被害者の横田めぐみさんの家族や北朝鮮に拉致された後に脱出した韓国人の証言を聞く予定だ。しかし韓国政府といえばこれまでおよそ1000人に達する拉致被害者と国軍捕虜の送還問題を、南北対話の陰のなかに放置してきたも同然だった。
イ・ジョンソク統一部長官は先日、「拉致被害者、国軍捕虜、離散家族などの問題解決も、国家の責務と受け止め、さまざまな努力を傾けている」とする一方、「この過程で、北朝鮮に恥をかかせたり、侮辱するような手法は避けるつもり」と明らかにした。政府が拉致被害者と国軍捕虜を「戦争時期およびその後、消息を絶った人物」と曖昧な表現を使った理由は、そうした配慮のためだという。
大韓民国の政府が、拉致された大韓民国の国民を拉致被害者と呼べない限り、拉致被害者の家族の悲しみが癒されることはないだろう。政府は北朝鮮の意向によって2000年、63人の非転向長期囚(韓国国内でスパイ活動やゲリラ活動をしたとして捕まり、その後も政治的転向を拒否して長期間、服役した北朝鮮出身者)を北朝鮮に送還した。そのうち相当数の長期囚は、大韓民国に対する破壊活動に自らの人生をかけた者たちだった。
北朝鮮の要求には、そこまで寛大に応じた政府が、ふるさとで最期を迎えたいという高齢の国軍捕虜に対しては、そっぽを向いている。今の南北対話には、相互主義的対話とは存在しない。もっぱら北朝鮮の主張、北朝鮮が要求するばかりの一方通行と言っても過言ではない。
イ・ジョンソク長官は、拉致被害者と国軍捕虜の帰還問題を北朝鮮への支援と結びつけて解決する方策を、「創造的な発想」と表現した。拉致被害者の家族のことを思えば、国民はそれくらいしてでも拉致被害者を帰還させたいと思うだろう。政府は金英男さんの送還問題でくらいは、その「創造的発想」の成果を見せて欲しい。
2006年04月15日08時28分