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4月7日(金)  −  辺真一のコリア・レポート
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投稿者 kaname 日時 2006 年 4 月 08 日 09:25:18: 3X28X40b0xN.U
 

4月7日(金)
 横田めぐみさんの夫ではないかと取り沙汰されている韓国人拉致被害者のDNA鑑定結果がまだ出ません。日本政府が2月中旬に韓国に調査団を派遣し、1977−78年に韓国から拉致された5人の韓国人(当時高校生)家族のDNA(血液、唾液、髪の毛)採取を終えたのが2月16日。過去2度の鑑定(ヘギョンさんのDNA鑑定とめぐみさんのものとされた「遺骨」のDNA)が3週間もかからなかったことから3月8日までには発表があるものと期待されていましたが、それから1ヶ月経った今日に至っても発表がありません。しびれを切らした横田夫妻が3月29日に外務省に赴き「どうなっているのか」と問合せたところ中山政務官は「近いうちに発表する」と答えていました。それで、今週中には発表があるだろうと待機していたところ、昨日になって「発表は11日以降になる」と、また遅らせてしまいました。DNA鑑定に手間取っているとはにわかに信じられません。というのも、5人のうちヘギョンさんと同じ血液型は2人だけなので簡単に絞られるはずです。ということは、鑑定は終わっているのに発表を意図的に遅らせているのではないでしょうか。おそらく今日到着する金桂寛外務次官一行の来日と無縁ではないでしょう。9日から始まる民間主催のセミナーには米国のヒル外務次官補ら6か国協議の各国首席代表らが全員揃い、6か国協議再開に向けた公式、非公式の接触が行われます。また、日朝間の非公式折衝も予定されています。政府はこのタイミングでの発表はまずいと判断したのかもしれません。ということは、発表はセミナーが終わり、北朝鮮代表団が帰国した直後ということになりそうです。しかし、韓国政府が今月に入って独自にDNA鑑定を行うため日本側に協力を要請してきたところをみると、どうやら、韓国政府に対して日本からDNA鑑定結果の事前通告があったものと推測されます。韓国の一部メディアが「横田めぐみの夫は韓国人拉致被害者」と報道したことからも推察できます。

 4月2−4日まで3夜連続して放送されたNHKスペシャル「ドキュメント北朝鮮」が5日、6日と再放送されました。昨日(6日)は二部、三部と一挙に2本続けて放映していました。1日1本だったら、第三部の「核をめぐる戦りつ」は今夜放送ということで金桂寛次官ら北朝鮮外務省代表団にも見てもらえたのに残念なことをしました。第一部の「個人崇拝への道」では、金日成政権発足の正統性に疑問を投げかけ、第二部の「金正日総書記の隠された世襲」では、「拉致、テロは金正日の仕業」とほぼ断定する内容となっていることから、逆にNHKとしてはひょっとしたら金桂寛一行に見られないで良かったと胸をなでおろしているかもしれません。それほど、これまでのNHKとしては考えられないほど大胆かつ(北朝鮮には)挑戦的な内容となっていました。但し、内容そのものは、新味はなく、極めて完成度の低いものでした。また、この時期に3本も連続して取り上げた動機が不明です。第一部と第二部については東ドイツの崩壊やルーマニアのチャウシェスク政権の転覆やソ連邦の瓦解後に取り上げればタイムリーなのに15年近く経ったことから登場人物の証言も、資料も古すぎます。期待した最新情報は皆無でした。旧東欧諸国の秘密文書も出所不明なものがあったり、隠す必要のない秘密資料に登場する人物の名前も実名でなく、「最高幹部」と匿名となったり、いい加減な箇所が随所に見られました。北朝鮮関係者の証言も脱北者らの裏の取れない発言が中心で、韓国人証言者、カン・インドク氏については開放直後の金日成凱旋平壌集会に「参加した一人」として肩書きを外して紹介していました。カン氏はコリアウォッチャーならば誰もが知っている元韓国中央情報部(KCIA)局長(北朝鮮担当)です。ナレーションも「核兵器製造」と言わず、「核開発」と言ったり、「核兵器を有している」と言いながらも「核兵器開発を継続している」と言ったり終始一貫性に欠けていました。NHKは2年余前から北朝鮮での有事を想定して「北朝鮮プロジェクト」を作っていましたが、手間隙と金を掛けた割には、レベルの低い番組でした。金桂寛一行にむしろ見られないで良かったかもしれません。

http://www2.rosenet.ne.jp/~krp/

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