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米国将校ら騒然 ”グアンタナモは違法”(コリエレ紙)
将校らを動揺させていることなら、総大将であるジョージ・ブッシュも急ぎメモを
とるべきだ。 「対テロ世界戦争」大義において、アメリカはキューバの米国領
グアンタナモ湾で敗退しつつある。 高級将校の官舎に届いたこの知らせは、強硬
姿勢を維持するワシントン上層部に、海外からではなく国内から破壊的硬直状態を
もたらすおそれがある。 米軍高官を読者とする US Army War Collage of
Carlisle(ペンシルバニア州)発行の季刊誌パラメーターズ(Parameters)最新号が、
テロリストが拘束されているグアンタナモ湾キャンプについての長い記事を掲載した。
法的、政治的な長い分析のあと、米国は国内法を超越しており、拘束を続けるために
この特別法を変更するのはより不都合であると結論付けた。また特別刑務所の創出は
米国を国際社会で孤立させた。ブッシュ大統領は今こそこの問題を国際管理下におく
べきであろうとも述べている。
この警告を交えた批判記事は、豪州防衛軍の計画作成責任者 ジェラルド・
フォガティー准将によるものだ。 彼の記事が与えた衝撃は、発表の場である
軍隊ストラテジー研究専門カレッジ、かつてはドワイト・アイゼンハウワー、
ジョージ・パットン、ウィリアム・ウェストモアランド、アレクサンダー・ヘイグ、
ノーマン・シュワルツコフ、リチャード・マイヤーズ、トミー・フランクス、
ジョン”ブラックジャック”パーシングら世界大戦の英雄が闊歩したキャンパスを
巡っている。 01年の911攻撃直後に、ブッシュ総司令官の”軍隊命令”に
より造られたグアンタナモ特別刑務所は、米国に向けられた4つ星ストラテジスト
たちの武器となる。 拘束状態に抗議する収監者たちがハンガーストを実施中で
あるのも恥ずべきことだが、保釈がなきに等しく、ドナルド・ラムズフェルド長官
肝入りで行われている「拘束者の恐怖レベルを顕著に増大させる」処置を含む
”24の捜査特別テクニック”が控訴できない点が、制度の難解さを極めている。
そしてこの制度が、国際社会における米国の評判を汚しているというものだ。
テロとの戦いにおける弱点が、多くの国におけるワシントンの悪いイメージで
あると自覚しているブッシュは、アラブ諸国との関係を改善するために、腹心
カレン・ヒューズ国務次官を外交広報使節として送ったばかりだ。 しかし
グアンタナモで告発された数々の人権法違反がアメリカの信頼を落とし、敵を
増やし、同盟国の間にも批判が上がり始めたことは、もはや自国軍内部でも
明らかなことになりつつある。 キューバの自国領での何かを変えない限り、
外交修復手段の強化も無意味に終わるだろう。
パラメーターズ誌上でフォガティー准将は、収監者の拘束を”違法の戦闘”と
定義し、もはや支持できないと述べている。彼らは法廷で裁かれたわけでも、
戦争捕虜でもない。ジュネーブ条約に定められた人権保護を受けていない。
4年の間拘束を続けている米国は、国際法違反を犯していると明言する。
また、グアンタナモ・キャンプの危険のない拘束者を裁判なしで釈放するか、
軍委員会が(第二次世界大戦時と同様に)拘束者のタイプ/スパイ・サボタージュ・
戦争犯罪人と評価する以外の対案は提言しかねる。”行政府は拘束者の人身保護
令状を剥奪する権限を持たない”と強調している。
司法と法律尊重の問題であるのは明らかであるとも述べた。拘束者から引き出した
情報価値を超える政治的、外交的コストが、キューバ沿岸特別刑務所の不支持だ。
つまり”ブッシュ政権の目的である、個人の自由と公の安全の境界線の引き直し”が
悪しき影響を及ぼしている。 ワシントンは”アプローチの転換が必要”である。
ブッシュは、国連による国際法廷に持ち込む案など一顧だにしないだろう。
フォガティーの提案は、拘束者に戦争捕虜のステイタスを与え、国際法に適う立場に
おいてから、”国連が認定するアメリカによる法廷”を設けることである。その
モデルとなるのは、シエラレオーネと東ティモールの戦争犯罪を裁くために設けられた
2000年の法廷だ。 これが目下のUs Army War Collegeのキャンパスで、将軍や
連隊長が議論を交わしている”多極主義”への変換だ。 おそらく総大将にも
伝わっていることだろう。
Danilo Taino
05年9月25日
http://www.corriere.it/Primo_Piano/Esteri/2005/09_Settembre/25/taino.shtml