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□イスラエル 政局流動化の兆し 与党、主導権争い激化/首脳会談「中止」 [産経新聞]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050927-00000010-san-int
イスラエル 政局流動化の兆し 与党、主導権争い激化/首脳会談「中止」
【カイロ=加納洋人】イスラエル軍のガザ撤退を受け、イスラエル国内の政局が与党内の対立から不安定化の兆しを見せている。同時にイスラエル軍とパレスチナ武装各派との衝突が激化。さらに二十六日のイスラエル放送は、十月二日に予定されているイスラエルのシャロン首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長との首脳会談がキャンセルされたと伝えた。実際に会談が中止されれば、明るさが見えかけた中東和平交渉再開への道が、再び不透明さを増すのは確実だ。
イスラエルのシャロン首相が党首を務める右派政党リクードは二十六日、来年四月に予定していた党首選挙を十一月に前倒し実施するかどうかを問う党員投票を行った。事実上、シャロン首相の信任投票で、結果は同日深夜(日本時間二十七日未明)にも判明する。
今回の党員投票は、ガザ撤退を推進した首相と撤退反対派のネタニヤフ元首相との党内主導権争いが背景にある。
ネタニヤフ氏は党首選の前倒し実施で、撤退に反対していたユダヤ人入植者らの支持を取り付け、シャロン氏の追い落としを狙う。ネタニヤフ氏は八月初め、「(ガザを)イスラムのテロリストの基地にし、国の脅威とする手続きには賛成できない」として財務相を辞任。次期党首選への立候補を表明し、首相との対決姿勢を強めてきた。
これに対しシャロン氏は、党首選を予定通りに実施して党内の亀裂の修復を図りたい意向だが、仮に早期党首選実施となれば、ネタニヤフ氏に有利とされるだけに、その場合、シャロン氏は党内穏健派とともに新党を結成し、さらに、早期の解散・総選挙に打って出る可能性もあるとされる。
こうした中、イスラエル放送は二十六日、同国首相府幹部の話として、パレスチナ自治政府がシャロン首相とアッバス議長との会談をキャンセルしてきたと伝えた。二十五日に行われるはずだったワイスグラス・イスラエル首相府顧問とパレスチナ解放機構(PLO)のアリカット交渉局長との準備会合を、イスラエルが中止したことに自治政府が反発、会談をキャンセルしたという。
一方、イスラエル軍は二十五日夜から二十六日にかけてガザ地区に対する数回の空爆を続行し、パレスチナのイスラム原理主義組織イスラム聖戦の幹部ムハンマド・ハリル氏ら二人を殺害した。武装組織幹部の暗殺作戦の実行は、十二日のガザ撤退完了後初めて。イスラム聖戦は「停戦状態は終わった」として、報復を行うことを宣言した。
パレスチナ最大の原理主義組織ハマスのガザ地区の指導者マフムード・ザハル氏は二十五日夜、ガザ地区からイスラエル領への攻撃を停止し、停戦を維持するとの声明を発表した。
(産経新聞) - 9月27日2時44分更新