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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu103.htm
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「アメリカは核兵器その他の兵器を使って北朝鮮を攻撃する
意図はない」というアメリカの不可侵宣言が盛り込まれた。
2005年9月25日 日曜日
◆6カ国協議 合意「北の決断待ち」 草案、5カ国受け入れ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050804-00000007-san-pol
【北京=笠原健】北朝鮮の核開発をめぐる六カ国協議は三日午後、議長国・中国が示した共同文書第四次草案をもとに最大の焦点となっている核放棄の範囲などについて二国間協議が断続的に行われた。ヒル米国務次官補は同日夜、記者団に対して、北朝鮮以外の五カ国が草案を基本的に受け入れたことを明らかにしたうえで、「あとは北朝鮮の決断を待っている」と述べ、合意が達成するかどうかは北朝鮮の判断に委ねられているとの認識を示した。
協議筋によると、草案は核放棄の対象として、日米が強く求めた核の平和利用まで包括する「すべての核兵器と核計画の放棄」との表現が盛り込まれた。また、ロシアのインタファクス通信によると、草案には、米国が「米朝国交正常化は、北朝鮮の人権順守を条件とする」と受け取れる条項を含めるように求めたという。
同日の協議は、首席代表協議が予定されていたが、北朝鮮が平和利用を核放棄の範囲から除外するよう改めて求めたため、首席代表協議の開催は見送られ、日米、米中、米韓などの二国間協議が行われたという。
また、別の協議筋によると、草案には北朝鮮に対する不可侵や南北非核化宣言の履行のほか、日朝平壌宣言に基づく日朝国交正常化と米朝国交正常化、核放棄の見返り措置としてのエネルギー支援や経済協力などが盛り込まれた。
ヒル次官補は「北朝鮮は核放棄をするのか、別の選択肢を選ぶのか決断をしなければならない。(議長国)中国の奮闘に期待する」と述べ、中国の説得を見守る考えを示したが、調整のめどは立っていない。
(産経新聞) - 8月4日3時43分更新
◆北朝鮮6カ国合意の深層 2005年9月22日 田中 宇
http://tanakanews.com/f0922korea.htm
▼ポイントはアメリカの不可侵宣言
しかし私が見るところ、軽水炉を作る代わりに核開発を放棄するという交換条件は、今回の合意文の最重要なポイントではない。最も重要なポイントは「アメリカは核兵器その他の兵器を使って北朝鮮を攻撃する意図はない」というアメリカの不可侵宣言が盛り込まれたことである。
アメリカが北朝鮮に対する不可侵を文書で約束したのは、1945年の北朝鮮の建国以来、今回が初めてである。昨年以来、米政府の高官が北朝鮮側に対して口頭で不可侵を約束したことは何度かあるが、それが初めて今回文書になった。もはや、アメリカは北朝鮮を武力攻撃することはない、ということである。
今回のアメリカの北朝鮮に対する不可侵は、北朝鮮に交換条件を求めることなしに宣言されている。2003年に6カ国協議が始まった当初、米側は「北朝鮮が核開発を放棄し、それをアメリカが検証したら、北朝鮮に対する不可侵を約束する」と主張していた。それが昨年後半あたりから、アメリカの不可侵は北朝鮮の核放棄とは切り離され、米側が無条件で口頭による宣言を行うようになり、今年夏の6カ国協議では、軽水炉の供与が北朝鮮の核放棄に対する交換条件になった。
北朝鮮にとってアメリカの不可侵は、2年前には核放棄という対価を払わねば得られないものだったのが、今では無償で得られるものになった。金正日は、もはやサダム・フセインのように米軍に捕まる心配をしなくてすむようになり、北朝鮮が国家として生き延びる可能性も大いに高まった。
この間、北朝鮮はアメリカを満足させるようなことを何もやっていない。「6カ国協議には出ない」とか「攻撃されても負けない兵器を持っている」といった強気の発言を繰り返していただけである。それなのに、アメリカは譲歩し、北朝鮮は存続を認められた。今回の共同声明では、アメリカと日本が、北朝鮮との国交正常化に努力することも宣言された。拉致問題には一言も触れていないので、この点でも北朝鮮は何も失うものがない。
北朝鮮に対するアメリカや日本の譲歩は、北朝鮮が核兵器の開発に成功し、すでに何発か核爆弾を持っているという前提で行われているが、北朝鮮が本当に核開発に成功しているのか、口だけではないのかどうかについては、アメリカも確証がない。核爆弾を作れても、ミサイルの弾頭として据えられる大きさにすることは簡単ではない。進捗状況を知っているのは、当事者の金正日ら北朝鮮上層部の人々だけである。ひょっとして本当は北朝鮮は口だけなのだとしたら、北朝鮮は強気の発言だけでアメリカの譲歩を引き出してしまったことになる。まさに国際政治界の「わらしべ長者」である。(中略)
▼多極化への道
今回の共同声明は、北朝鮮が受け入れられる線で中国が文案を作り、アメリカに対して「この文案を受け入れなければ、アメリカのせいで交渉が決裂したということになる」と最後通牒を突きつけ、受諾させた。この経緯からは、東アジアの地域への影響力として、中国の主導権が確立し、アメリカの影響力が弱まっていることがうかがえる。これは、世界が多極化している兆候の一つである。
今後の朝鮮半島では、韓国と北朝鮮との直接交渉を中国とロシアがバックアップするという、アメリカ抜きの関係強化の傾向が強まると予測される。これは米政界内の、アメリカ中心の世界を貫きたい勢力にとっては、困ったことだが、世界を多極化したい勢力にとっては好ましいことである。
すでに北朝鮮は、欧米からの食糧支援は今年いっぱいで打ち切ってほしい、と発表している。その後は、韓国や中国からの支援が中心になる。また北朝鮮が求めている軽水炉については、ロシアが提供するという案も出ている。(関連記事その1、その2)
日本は今のところ対米従属一本槍のため「アジアのことはアジアに任せ、アメリカは手を引く」という現在の動きの中で、自らを疎外する状況にある。だが今後、アメリカの覇権縮小がもっと明確になり、世界が多極化していることを日本の首脳たちが悟れば、いずれ、アメリカに対して気兼ねせず、中国や朝鮮半島、ロシアなどと戦略的な関係を結ぼうとする方向に転換するのではないかと予測される。
(私のコメント)
第4回の六カ国協議の共同声明が出されましたが、このなかでアメリカの北朝鮮への不可侵が盛り込まれた。これで金正日は枕を高くして眠れる事になり、北朝鮮はもともと持ってもいない核兵器を交渉材料にしてアメリカから譲歩を引き出した。さすがに軽水炉は先送りになりましたが、これで韓国やグワム島にに配備されたステルス爆撃機などは無意味になったことになる。
アメリカの北朝鮮とイラクやイランに対するダブルスタンダードは大変わかりにくい。核兵器を持ってもいないイラクには武力侵攻して、核兵器を持っていると宣言した北朝鮮には不可侵を声明に書き加えるのはどういうことなのだろう。この事はアメリカ国内でも指摘されていますが、中東に民主主義を根付かせるなどと言うのはまやかしだ。
アメリカはイラク問題とハリケーン災害で手一杯でブッシュ政権は満身創痍の状態だ。とても極東問題にかまってはいられない状態になり、譲歩を重ねても妥協しなければならない状況のようだ。拉致問題を抱える日本としてはアメリカの強い態度で解決される事を望んでいましたが、今のアメリカにはそんなことが出来る状態ではない。となると拉致問題は日本政府で解決しなければならなくなった。
アメリカの北朝鮮不可侵声明は日米安保にも影響が出てきて、日本と北朝鮮との間で戦争が始まってもアメリカは中立を守らなければならなくなった。北朝鮮からミサイルが飛んできても日本だけで対応しなければならなくなった。北朝鮮不可侵声明は文書にもなっているのだから不可侵条約と同じ効果を持ちますが、日本のマスコミはこれを大きくは報道していない。
日本はアメリカ軍駐留経費として毎年6000億円の思いやり予算を提供していますが、アメリカはきちんと日本を守ってくれるのだろうか。アメリカはイスラエルに対しては4200億円もの援助を与えて、なおかつイスラエルの防衛の為にイラクに軍事攻撃までした。ところが北朝鮮は条約を破って核開発までしたのに不可侵を約束したのは日本に対する裏切り行為だ。
少なくとも北朝鮮に対しては軍事的威嚇をしていかなければ諸問題は解決しませんが、アメリカ軍は日本から6000億円ももらっていながら北朝鮮問題を解決する意欲がなくなってしまったようだ。この調子だと台湾問題に関しても中国が強く出てきてもアメリカは譲歩するのみで何も出来ない可能性がある。たとえば中国とロシアが大規模な軍事演習をおこないましたがアメリカは無関心だった。明らかに台湾上陸を想定した訓練だったのだからアメリカは抗議ぐらいしたらどうだろう。
ポチ保守派たちは極東が大変だからアメリカを怒らせるような事は出来ないとアメリカ様様ですが、そんなにアメリカを頼りにしてアメリカは日米安保で守ってくれるのだろうか。今回の六カ国協議を見ても妥協するばかりで当初の強い態度が見られなくなった。日本は軍事力を持たないから見守るしかないのですが、対米従属も限界が来ているのではないだろうか。
いままでなら日本の外交と軍事はアメリカにおんぶに抱っこの丸投げでも良かったのでしょうが、最近のイラク情勢や国内のハリケーンの対応に関しても、これがアメリカかと思わざるを得ない。さらに六カ国協議のアメリカの弱腰は同盟国を不安にさせる。ならば日本がしっかりせよと言いたいところですが、中国や韓国からの歴史教科書や靖国参拝に対する事に言われ放題でも、政府はことなかれ主義でどうにもならない。