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イラク反戦集会、世界各地で 東京では400人が行進
2005年09月24日23時42分
http://www2.asahi.com/special/iraq/TKY200509240183.html
イラクに駐留する米軍などの撤退を求める反戦集会やデモが24日、世界各地であった。時差に従って日本や韓国から始まって欧州に広がり、米国の首都ワシントンへ。03年以来、イラク戦争に反対して同時行動を起こしてきた反戦市民団体などが呼びかけ、戦死米兵の家族らも加わって反戦の輪が広がった。
東京都心には約400人が集まり、日本橋から日比谷までの約3.6キロを2時間ほどかけて行進した。国内の平和運動50団体の連絡組織ワールド・ピース・ナウ(WPN)の呼びかけ。時折雨の降るなか「終わらせようイラク占領」「石油のために人を殺すな」などと書いた横断幕やプラカードを掲げ、「武力で平和は作れない」と呼びかけた。
茨城県の中川宗洋さん(35)と妻の葉子さん(32)は、4歳と1歳の息子を連れて参加した。イラクへの関心が薄れないようにとの思いをこめて歩いたという。「これからの戦争で犠牲になるのは子どもたちの世代ですから」
米英に次ぐ3000人を超す部隊をイラクに派兵している韓国では、ソウル駅前の広場に約1000人が集まった。「イラク占領を中断し、派兵を撤収せよ」などと叫び、警官隊に囲まれながら目抜き通りをデモ行進。学生を含む約350の市民団体代表や野党・民主労働党が参加した。年末に期限が切れる韓国軍の駐留延長への反対を訴え、韓国政府が検討しているテロ防止法も「民主主義への圧迫だ」と反発した。
英国ではロンドン中心部の国会議事堂前で、イラクに駐留する米英軍などの撤退を求める集会に数千人が参加した。NGOの連合組織「戦争をやめよう連合」がデモを組織。米国で表面化している反戦の動きとともに、予定を前倒しして「100万人規模のデモ」を呼びかけた。イラク南部バスラでは、駐留英軍と地元住民との衝突が激しさを増している。反戦団体や野党は早期撤退への圧力を強めている。
7月にロンドンで相次いだテロを機に高まった反イスラム感情の広がりを懸念し、イスラム教徒の参加が目立った。そのひとりで、テロで爆破された地下鉄に乗っていたという専門学校生のシタラ・ティリーさん(16)は「テロとの闘いは、あらゆる宗教に寛容な市民社会を守る闘いでもあるのです」と語った。
米国では午前10時(日本時間午後11時)からホワイトハウス近くの広場で反戦集会が始まった。同時多発テロ後に結成された「ANSWER(戦争中止と人種差別廃止を求める緊急行動)」などの団体が計画。今回は新たに「平和のための戦死者の家族」が加わった。サンフランシスコやロサンゼルスなどでも同様の集会が開かれる。
このグループは、イラク戦争で息子を亡くし、ブッシュ大統領に面会を求めているシンディ・シーハンさんらが中心となって結成。8月末から全米28州を回り、即時撤兵を訴えてきた。米兵の家族や帰還兵にも同調者が広がり、イラク反戦の象徴的存在になっている。