★阿修羅♪ > 戦争74 > 611.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://ch.kitaguni.tv/u/10977/%a5%b3%a5%e9%a5%e0/%b1%c7%b2%e8/0000270160.html
Q:SF作家の巨匠によって1959年に出版された、SF小説の傑作名高い作品が予算100億円をかけて映画化されました。さてどうなったでしょうか
A:こうなりました
なんでバーホーベンにやらせんだよ… 恐らくこの映画を見た原作ファンの99.9%はそう思ったことでしょう。この「スターシップ・トゥルーパーズ」の原作は、ハインラインの愛国的SF小説「宇宙の戦士」なのですが、それを撮ったのが ハリウッドのミスター変態 ことポール・バーホーベンですからまともに再現してくれるはずありません。「大作映画をゲテモノ的に撮る」という彼のオンリーワンスキルは本作でも存分に発揮され、人間の腕が飛んだり頭が飛んだり脳みそが吸われたりするシーンが闘魂込めて描かれます。 予算100億で。
さらに見落とせないのが徹底した馬鹿描写。昆虫軍団はなぜか隕石でブエノスアイレスを吹っ飛ばし、(方法不明)報復攻撃に来た主人公たち地球人の軍隊にはケツから高射砲発射。そして極めつけが軍隊の攻撃方法で、 ワーッと小銃で突撃してゆきます
常にこの調子
さらにさらに最高なのが原作をコケにした戦争に対する徹底した皮肉とブラックユーモアです。この世界では軍人以外には市民権も無くテレビはッ徹底的に賛戦的。かといって登場人物はそれに反抗するでもなく、それどころか皆進んで戦場に赴きます。主人公はマスコミに「まだ平和的解決の道があるのでは?」と聞かれ「いんや皆殺しにしてやるだけだ!」と ハツラツとした笑顔 で答えたり、人員不足で年端もゆかない少年兵たちが戦地に現れたのをみて 誇らしそうに微笑んだり します。
好きよね、こういうの
こういう「戦争の狂気」を映画で描く場合、普通は周囲が狂気に取り憑かれている様子を主人公が批判的に見ているなりその逆なり、または皆が戦争に熱狂する一方で悲惨な戦争の実態を描いたりするのが普通ですがこの映画の場合そうした要素が一切無く、全ての狂気がハツラツとした陽気さと明るさの中に描かれている点になにかこう映画の 尋常じゃない病気 を感じます。
しかし、この「肯定的に狂気を描く」点がこの映画の最大のポイントなのでしょう。なんせ観客は、映画の中の誰に感情移入することもなく、批判的な作風によってワンクッション置かれることもなく、「戦争の狂気」をダイレクトに見せつけられる訳ですから。
というわけでB級テイストと驚異のCGと強烈な反戦メッセージが合体した奇作「スターシップ・トゥルーパーズ」。 興味のある方はぜひご覧ください。このはまりかたは リベリオン に通じるものがあります。
…あと上に上げたようなシーン以外の監督が興味無かったであろうシーンが、観客に喧嘩売ってるかのような手抜きぶりなのはなんなんでしょうか。
プレステかっつーの