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08/27 16:55 外国人の追放方針に批判 同時テロで英政府強硬策
ロンドンでの二回の同時テロを受け、英政府が打ち出した過激派
対策の中で、過激なイスラム教聖職者らの国外追放方針が批判を浴
びている。自由の抑圧との懸念は強く、移民に比較的寛容な社会制
度も政府の強硬策の前に立ちはだかることになりそうだ。
▽ルール変わった
「(テロで)ゲームのルールは変わった。英国の価値観を破壊し
英国民への暴力に関与する者のための場所はない」。ブレア首相は
八月上旬、過激な外国人を国外追放する方針を明確にした。
同時テロの容疑者らは英国育ちの若いイスラム教徒らで、テロを
あおる国内の過激な聖職者らから強い影響を受けた可能性があるた
めだ。
五十六人が死亡した七月七日のテロ直後は、英国内に過激派対策
で結束すべきだとの雰囲気が生まれた。しかしクラーク内相が八月
下旬、首相方針を具体化する基準を発表したことなどで、一部の英
イスラム教団体や人権団体は反対や懸念を示し、〓(始めダブルミ
ニュート)挙国態勢〓(終わりダブルミニュート)にもほころびが
出始めた。
▽国連とも対立
英国は、長く国外の反体制活動家の亡命などを受け入れてきた歴
史がある。国外追放が実際に行われる前に、裁判所で争う道や、拷
問などを禁じた欧州人権規約の存在もあり、亡命者らの追放を難し
くしている。
英政府はこのほど、追放者が本国で虐待を受けないことを保証す
る覚書をヨルダンと締結。拘束した国際テロ組織アルカイダの「欧
州大使」とされるヨルダン人イスラム教聖職者アブカタダ容疑者ら
の追放を念頭に置いているとみられる。
しかし国連人権高等弁務官事務所は覚書では追放者の安全確保は
不十分との強い懸念を表明、英内務省と対立している。
英政府は今回の拘束前にも、米中枢同時テロ実行犯の精神的指導
者とされるアブカタダ容疑者らを裁判なしで長期間拘束したが、英
国の最高裁にあたる上院上訴委員会は昨年、拘束は人権侵害と認定
し、政府のテロ対策に冷や水を浴びせた前歴を持つ。
▽かえって緊張も
首相は追放実現のためには人権法の改正も辞さない方針。「国家
安全保障の状況は明確に変わった」と訴え、政府が年内成立を目指
す新たな反テロ法にも批判的とされる上院を強くけん制する。
英政府の強硬方針については、取り締まり対象となる「過激」「
扇動」などの言葉の定義に抽象的な部分も多いことなどから、実効
性を疑問視する声もある。
ブレア首相が示す強硬策は「過激派を脅して追い出すのが目的」
(英エコノミスト誌)との見方もあるが、野党、自由民主党のケネ
ディ党首は「イスラム教徒を孤立化させ英国の民族社会間の関係を
緊張させる危険性がある」と警告した。(ロンドン共同=上西川原
淳)
20050827 1655
[2005-08-27-16:55]