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□石油成金vs.ヒューゴ・チャベス/フアン・ゴンザレス [暗いニュースリンク]
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2005/08/vsby_eaa4.html
「石油成金vs.ヒューゴ・チャベス」byフアン・ゴンザレス
ニューヨークデイリーニュース2005年8月25日付け記事を以下に全文翻訳して掲載。
ベネズエラは世界第5位の石油産出国で、1日あたり130万バレルを米国に輸出している。テレビ伝道師のアドバイスを待つまでもなく、米政府はこれまでもベネズエラで親米政権を誕生させるべく、様々なチャベス排除作戦を実行してきたが(暗殺作戦も含まれる)、圧倒的な国民人気に支えられたこの過激な反米指導者は今でも健在らしい。
石油成金 vs. ヒューゴ・チャベス(Oil Fat Cats vs. Hugo Chavez)
by フアン・ゴンザレス:ニューヨークデイリーニュース2005年8月25日付け記事
http://www.nydailynews.com/news/col/v-pfriendly/story/340437p-290516c.html
昨日、石油企業から毎週恒例の強奪を受ける為に、私はマンハッタンの11番通りにあるモービル・ガソリンスタンドに立ち寄った。
今回の奴等の取り分は、無鉛ハイオクで1ガロンあたり3ドル5セントだ。
「3、4日毎に値上がりしてるよ」ガソリンスタンドの責任者、パテル氏は言った。「お客からは苦情の嵐さ」
誰もが苦情を言っているが、石油企業の重役達はそうでもない。
昨年、世界最大のエネルギー企業であるエクソン・モービル社は、歴史上どの企業も達成したことのない利益をたたき出した−250億ドル(約2兆7,548億7,500万円以上)以上だ。テキサス州アービングに本拠を置くこの巨大石油企業は、今年もその記録を更新する様子である。今や、同社の1日あたりの収入は10億ドル(約1,101億9500万円)に迫る勢いだ。
そこで、パット・ロバートソンとヒューゴ・チャベスのご登場である。
キリスト教右派伝道師でブッシュ家の親友であるロバートソンは、今週公の場で、ベネズエラ大統領ヒューゴ・チャベスを殺すか、少なくとも誘拐するよう、合衆国政府に呼びかけた。
「膨大な量の石油を支配し、米国を脅かしているこの人物(チャベス)は、我々南部の人間にとって危険な敵だ。」ロバートソンは言った。彼のクリスチャン未満の発言は、物議を醸し、本人も謝罪へと追い込まれたが、それでもロバートソンは、「増大する問題について政府の注意を喚起しただけだ」と主張している。
その「問題」というのはとても単純なことだ。過激なポピュリストで、ベネズエラ国民の大多数から何度も選出されているチャベスは、中東以外の地で最大の石油備蓄を管理しているのである。
ロバートンにとっても、元石油企業重役のジョージ・W・ブッシュ、ディック・チェイニー、コンドリーザ・ライスにとっても、あるいは仲間のエクソン・モービル、シェブロンその他企業重役にとっても、チャベスは有難くない存在なのだ。
石油業界にとってもっと問題なのは、チャベスはベネズエラの儲けで自国の特権階級を潤わせるのではなく、ベネズエラの貧困層や隣国の援助に使っているという事実だ。
昨日、ロバートソンがまだ中途半端な釈明に追われている時に、ジャマイカのモンテゴ湾に赴いたベネズエラ大統領は、ジャマイカ首相P・J・パターソンと、新たな石油取引合意を交わしていた。
その合意内容によれば、ベネズエラは毎日2万2,000バレルの石油を、破格の1バレル40ドルでジャマイカに供給するというものだ。現在の石油流通価格の世界標準である1バレル65ドルに比較すると、これは安すぎる。ジャマイカにおけるガソリン価格はすでに1ガロン3ドル50セント以上なので、チャベスの提案に従えば、ジャマイカは石油輸入において毎日50万ドル以上の節約となるのだ。
さらにチャベスは、ジャマイカ国内の製油施設整備費用として、6,000万ドルをジャマイカへの体外援助金としてベネズエラ政府予算から拠出すると発表している。
今回の合意は、今年6月にカリブ海サミットでチャベスが公表したペトロカリブと呼ばれる壮大な計画の、ほんの一部に過ぎない。
そのサミットにおいて、チャベスは同様の合意案を、ドミニカ共和国のレオネル・フェルナンデス大統領とキューバのフィデル・カストロ首相に提示した。
フェルナンデス大統領は、チャベスの提案に飛びついた。ドミニカ共和国政府は、石油価格高騰により破綻寸前だったからだ。昨年、ドミニカ共和国は石油輸入に12億ドルを費やした。今年、その費用は30億ドルを超えると見られている。ドミニカ共和国首都サント・ドミンゴでは、ガソリン価格が1ガロン4ドルを超えて急騰している。
パット・ロバートソンはチャベスを悪魔のように危険な人物とみなしている。ロバートソンは、「チャベスの排除」を合衆国政府に求めている。ホワイトハウスでは、ブッシュと側近たちが、もう少し控えめな言葉遣いをしているが、両者の目標にたいした違いはない。
しかし、半ダースほどの国々でリベラル且つ大衆向け政府が誕生している中南米においては、事情はかなり異なっている。
そうした地域では、チャベスは石油で奇跡を行う人となっている。他人を犠牲にして記録的な利益に溺れるエクソン・モービルや他の石油成金と違い、チャベスは富を他人に拡散させようとしているのだ。
まさしく、危険人物なのである。
(以上)