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【全文和訳】「真実」の私営化;情報に対するブッシュの戦争(グローバル・リサーチ)
http://www.asyura2.com/0505/war73/msg/829.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2005 年 8 月 27 日 17:55:51: SO0fHq1bYvRzo
 

【全文和訳】「真実」の私営化;情報に対するブッシュの戦争(グローバル・リサーチ)


武士の嘘を武略と言ひ仏の嘘を方便と言ふ。土民百姓はかはゆきことなり。――明智光秀

「武士や仏」が「土民百姓」に仕掛ける情報・心理戦争こそが戦争の本質であり、「銃後」が主戦場なのだ。


ミシェル・チョスドウスキが主宰する反グローバリゼーション・サイトであるGlobal Research.comが掲載した記事(2005年8月25日)の中から、『「真実」の私営化;情報に対するブッシュの戦争』と題するマイク・ホゥイットニー著の論文を全文翻訳しました。私は、シオニスト・ユダヤ勢力によるチョドウスキとGlobal Research.comに対する露骨な言論・表現弾圧への抗議として、これを投稿します。

この訳文中で「私営化」としたのはprivatizationで、通常は「民営化」と訳されているのですが、むしろ「私物化」に近いイメージを強調したかったので、このように訳しました。


ただ私はこの論文に書かれていることにやや物足りない面を感じています。私は拙稿『超巨大カルト、バチカン研究:(10)オプス・デイの正体とネオコン』の中で次のように書きました。

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また、そもそも米国型の民主主義は、米大陸原住民の大虐殺をベースにして、近隣の極貧国からの経済収奪に支えられ、実質的に市民権から遠ざけられた人間を国内に多数抱えた状態で、大規模な情報操作によって作られた「世論」を基にして、初めて成り立つものである。米国支配層にとって、「民主主義」がアリストテレスの危惧した「衆愚政治」に陥らないようにするためには情報操作による誘導が必要だ、ということなのだろう。そして理想的にはそこに宗教が、しかも強力な一神教がなければならない。現実にプロテスタントとカトリックの右派とユダヤ教が現在の米国で幅を効かす。
http://www.asyura2.com/0505/cult2/msg/157.html
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米国支配層が隠蔽と捏造を政府の政策とし、そのコントロールを受けた「私営情報媒体」が大規模情報操作行う体制は、少なくとも1898年の米西戦争には実現していたことであり、二つの世界大戦と冷戦を通して強化されつつ一貫して行われてきたことなのです。ただブッシュ政権と「対テロ世界戦争」、そして一神教統一の過程の中で、それが一段と進行し、もはや旧来の「民主主義」の幻想を纏うことすら不可能な、最悪のファシズムの本質がようやくあらわにされるような事態になってきたわけです。さらにいえば「騙す側」だけではなく「騙される側」にも問題点があるでしょう。その意味でこの文章作者の見方は少々「甘すぎる」と言えるかもしれません。

しかしそれでもこの論文は、やや具体性には欠けるものの、米国社会がいかに私営メディアを詐欺と恐喝の道具としてフル活用しながらその真正ファシズムで世界を支配しようとしているか、についての総まとめとしての鋭い告発になっています。著者は左翼出身者としての立場でそのボキャブラリーを用いていますが、これはもう「右」だの「左」だのと言っておられるような事態ではないと思います。

当然ですがこれは米国だけではなく、日本を含む世界のほとんどのマス・メディアについても当てはまることでしょう。日本のメディアに関することは日本に在住している方々にお任せしますが、「大規模な誤魔化しと情報操作によって維持される民主主義=最悪のファシズム」を暴露する告発と、あらゆる手段を駆使して表現の自由の確保する闘いが、日本の隅々まで満ちることを期待します。


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http://globalresearch.ca/index.php?context=viewArticle&code=WHI20050825&articleId=863

「真実」の民営化;情報に対するブッシュの戦争

ブッシュの嘘は、人間的な弱さとか腐敗といったことではなく、政府による政策の表明である

マイク・ホゥイットニー著
2005年8月25日
uruknet


『我々は今や帝国である。そして我々が行動するとき、我々は我々自身の真実を創造するのだ』ブッシュ・エイド;ロン・サスカインド、ニューヨーク・タイムズ・マガジン、2004年10月17日


ブッシュ大統領の真実を語る能力の欠如に関して実に数多くの印刷物が空費されてきた。実を言うと、ブッシュが病的な嘘つきであるのかどうかはほとんど何の意味もないのである。そうではなく、その重大な意味は、誤魔化しが国家を維持する主要な手段である、ということなのだ。透明性や公明さは今やこの現状を保持することに対する直接の脅威であると見なされる。このことは、ブッシュの嘘が単純に人間的な弱さや腐敗といったことではなく、政府の政策の明らかな宣言である、ということを意味している。これはたいしたことではないように見えるかもしれない。しかし実際にブッシュ政権の誘導は、虚偽が彼らの階級の持つ世界観の大黒柱であることを理解しなければ、まともに評価できないことなのだ。

このことの証拠は、政府の政策が持つ本当の意味を覆い隠すために右派のシンクタンクの中で丹精込めて練り上げられた言葉に迫ってみれば、どこにでも見つかる。「テロに対する戦争」「先制攻撃」そして「敵の戦闘員」が、公衆を不正な方向に導くために最初にデザインされた三大表現なのだ。この言葉の実際の目的はエリートたちの膨大な利益のための不人気な政策に対する指示を引っ張り出すことである。

政府の政策は通常、公衆を魅了し主役を「伝達中」のままにしておく早口の挑発的な声にさせられる。それらは、政治のそしてメディアの代理人たちに対する「話題の要点」として発せられ、全国のあらゆるTVニューススタジオとラジオ局から放送される。これが本当の意味のプロパガンダなのだ。すなわち数多くの優越的な地点からある者の考えを「情報宣伝する」ことである。ブッシュ政権ほどこれを上手にやった者は未だかつていない。

多くの解説者がすでに注意を向けているように、イラクでの戦争を導いたものは国家によるプロパガンダのおそらく「最高水位点」であった。異議を唱える反戦の声は主要なメデシアから追放され、そしてサダムに対するデタラメで根拠の無い非難が戦争を不可避にする方向に向けて高揚された。ありもしない攻撃をその受け手に向けてばら撒きにかかる空想的で芝居がかった報道を印象付けながら、メディア・クーデターが驚くべき正確さで実行された。しかしながらそれ以来、メディアの信頼性は着実に下がり続けている。そして引き続く占領に対する大衆の幻滅と報道に対する不信は増大し続けている。

「私的に」所有されたメディアはその所有者の目的にひきあう発言を作り出すことが出来るだけである。市民権の剥奪(愛国法、国民IDなど)と戦争遂行は決して大衆の利益にはならない。それらはただ直接に利益を得る立場にあるごく少数者の狭い目的に尽くすのみである。このプロパガンダ・システムが次第に暴露されて人々がその破壊的な性質を見つけ別のモデルを作るために作業できるかどうか、その瀬戸際にある。

現状では、米国の統治システムは元来が非常に腐敗しているためにほとんど救うほどの値打ちは無い。選挙制度は民主主義的な上っ面を維持する選挙の技術で見苦しく操作され続けているのだが、多数者による支配の本当の可能性は断ち切られている。同様に、今や深く国内問題に組み込まれた米国軍は、外国への干渉を支持するように米国人民を騙すためにほとんど一方的に計画される「戦略的知性」の作戦に直接に巻き込まれる。パット・ティルマンとジェシカ・リンチは軍情報を意図的にミスリードさせる古典的な例である。しかし、禁止された兵器の使用、結婚式への爆撃、そして民間人の大量殺害など、数え切れないその他の関連事項があるのだ。ブッシュ政権と同様に、ペンタゴンの詐欺は単なる「覆い隠し」ではない政治的な事柄である。彼らのいうことは何一つまともに受け取る値打ちの無いものである。

イラクにおいて、我々は米軍が友好的なジャーナリストを戦術的構造の中に組み込むのを目撃している。そうやって彼らが作るメッセージがその総合的な戦略の目的に対応することを確保しているのである。その「おかかえ」ジャーナリスト現象は、軍の装備の最前線にある部分として、ニュース配信組織を作り上げている。メディアは今や軍の仕事にすっかり組み込まれた一部となっている。米国人たちは何の疑問も無くこの見え透いたばかばかしさを受け入れているように見える。その一方で我々は、軍のコントロールから離れた場所に居たいと望むジャーナリストたちが直接の攻撃目標になりしばしば殺されるのを見てきた。このことによって我々は、文官による指導がいかにして「事実を政策に合わせる」ことを確実にする役目を果すのかが、よく分かるのである。

米国人の生活のすべての分野で、情報は大衆の知覚を支配するために操作され続けている。大部分のテレビ番組は、民衆が経済的・政治的な事実から遠ざけられることを確実にするように意図的にデザインされている。その事実によって人々が実際に起こっていることを知るようになる、あるいはそのプロセスに直接に関わるように導かれるからなのだ。メディアの目的は確実な消費の基盤を作りだすことであり、国民に民主主義への参加を呼びかけるよう教育することではない。ジュリアス・シーザーは人々を喜ばせて政治に無関心にさせ続けるための「パンと闘技場」を語った。米国のメディアはその助言を忠実に賛美し続けている。

ブッシュと共に、情報戦争は新たなそしてより攻撃的な段階に突入した。BBCは、デイヴィッド・ケリーが、ブレアは戦争遂行を指示する情報の「性欲を掻き立てた」と述べた後で、敵意に満ちたグループによってパージされ続けている。同様にPBSとNPRはブッシュ親衛隊によって目を付けられ、リベラルな要素を取り除き彼らに協力的な選挙区民たちを喜ばすメッセージを作るようにさせられている。また、アル・ジャジーラは、世界中の4千万人に上る人々にアラブの見方を唯一提供する放送局だが、ブッシュ政権によってかけられる極端な圧力のために身売り寸前となっている。

ブッシュの上級将校たちはそれらの文脈を作ってそれを「ニュース」と呼ばせることに全面的に加担している。彼らはその「真実をベースにした」共同体から出て来る諸事実によって制御されることはない。彼らは同様に、視点の違いによる争いを探し出して右翼ラジオの彼らの猟犬どもの力で相手を沈黙させることを熱狂的に行う。我々は、彼らが伝達を欲するメッセージと競合する声を押さえつけるためにあらゆる手段をとることを、認識していなければならない。

インターネットは今日おそらく米国での民主主義の最後の前線なのだが、以上のことは、そのインターネットが疑いも無く政府による幅広い情報操作戦略の一部となっていることを意味している。インターネットは、その政策の定着に対する反抗を誘発する異分子である左派とリベラルのグループにとって「命令と統制」であるように見える。この活動の源を守るためのバックアップ・プランが図られるべきだ。ブッシュ政権はすでに、その指導部の「斬首」つまり排除を通して反対勢力を転覆させる願望をあらわにしている。左翼組織の連絡網として、インターネットは政府によるこの種の分断の戦略的なターゲットになっている。システムに対するあらゆる攻撃が、個人の自由に対する深刻なボディーブローと同様に、反戦・反帝国主義運動にとって壊滅的なことになるかもしれない。注意せよ。

自由な発言とその元になる事実が、爆弾を使ったどのような革命運動よりも、国家にとってはるかに大きな脅威である。ニュー・ワールド・オーダーにとっては、その支配人たちだけが真実に対する支配権を与えられる。支配層される者ではないのだ。この方法で、大衆は政府の政策の方向で羊のように動かされることになる。それは、すべての話題に関して手厳しいニュースが政治的安定の敵となることを意味する。大衆が晴れることの無い霧の中に留められ選択の権利を押さえつけられるままになることは、気晴らしと恐怖を掻き立てる警告の絶え間の無い流れを供給することによってのみ、可能なのだ。情報は自由である。そしてもしも大衆が抵抗を組織することに失敗したならばその自由は支配階級の領域へと向かわされることになる。

この政権は、あらゆる現実的な形で富を私物化してきたのと同じ方法で、情報を「私営化」しつつある。我々の残りの者たちは、政府の思想的なフィルターにかけられて、嘘と出鱈目と共に放り出されている。これは苦しい闘い無しでは勝つことの出来ない戦闘である。真実が、開かれた心と疑問を究明する精神を持ってそれを追い求めるすべての人間の、生まれながらの権利であることを確信する。そして、我々はその権利を守り通すために戦うであろう。


注意:この記事で表現された視点は著者のみの責任に帰するものであり、必ずしもグローバリゼーションに関する調査センター(the Centre for Research on Globalization)の責任を意味するものではない。

【翻訳、終り】

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