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□ロンドン爆破事件はイスラムのテロなのか緊張戦略の一環か 『前編』 [アラブの声ブログ]
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ロンドン爆破事件はイスラムのテロなのか緊張戦略の一環か 『前編』
7月7日のロンドンの連続爆破事件は果たしてイスラム過激勢力の犯行なのか、それとも「テロとの戦い」を呼び掛けるために起こされたものなのか?16日付けのフランスの高級誌、ボルテール・ネットがティエリー・メイサン編集長の著名入り記事を掲載した。
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同盟国側の指導者たちは最近起きたロンドンでのテロリストの爆破攻撃を、所謂世界的なイスラームの陰謀と非難し、テロとの戦いを呼びかけるために再度利用した。だが事実はおのずから物語る。爆発は英国の治安組織が参加した対テロ訓練の数分後に起きたのだ。
同じことが1980年代にヨーロッパでアングロ・サクソンの諜報機関が、大衆に共産主義の恐怖を植え付けるために犯罪的攻撃を組み立てた時に起きた。この過去の行動を再現するために「文明の衝突」を扇動する戦略を今日復活させるべく、アングロ・サクソンのシークレット・サービスが、、、、、、。
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ある出来事を理解するには、全体の流れの中での事件の位置を掴むことで可能だが、ロンドンの事件は我々の過去の知識に照らし合わせることで、輪郭が見えてくる。
ロンドンでの攻撃は、「イスラーム主義者が再び文明を破壊しようとしており、マドリードでの攻撃以来、ヨーロッパを攻撃している」と見る者もいれば、逆に「マドリードでの攻撃に続く、これら同盟国の植民地主義への罰である」と考える者もいる。私を含めて第三のグループは「アングロ・サクソンの軍産複合体によって指揮された緊張拡大戦略の一環の新たな介入作戦だ」と見る。
上述の三つの立場の内部論理を検証してみよう。
同盟国の指導者達と世界の為政者階層にとって、以下の一連の事件は全てアル・カーイダの仕業である。
ニューヨークの攻撃(1993年2月26日)、
サウジアラビアの首都リヤド(1995年11月13日)
サウジアラビア東部のホバル(1996年6月25日)
ナイロビとダールッサラーム(1998年8月7日)
ジェルバ(2002年4月11日)
カラチ(2002年5月8日及び6月14日)
イエメン(2002年10月6日)
バリ(2002年10月12日)
ムンバサ(2002年11月28日)
リヤド(2003年5月12日)
カサブランカ(2003年5月16日)
ジャカルタ(2003年11月8日)
イスタンブール(2003年11月15日及び20日)
アルビル(2004年2月1日)
マドリード(2004年3月11日)
ホバル(2004年5月29日-30日)
イラクのモスル及びラマディ(2004年6月24日)
ジャカルタ(2004年9月9日)
シナイ(2004年10月8日)
サウジアラビアのジェッダ(2004年12月6日)
モスル(2004年12月21日)
マニラ(2005年2月14日)
イラクのヒッラ(2005年2月28日)
ロンドン(2005年7月7日)
こうした信じ込みは犯行を主張する声明に基づいているが、どれ一つとして実証されたものは無い。
アル・カーイダの存在を証明する物的要素が欠落しているなかで、一部の同盟国の指導者達は、「アルカーイダとは確立した組織ではなく、分散したグループから出されるさまざまに要求によって形作られるイデオロギー集団のようなもの」と規定している。
もしもそうであれば、前述の29もの作戦実行者が同じイデオロギーを分かち合っていない限り、アルカーイダは29事件と無関係であると認めなければならない。残念ながらこの考え(アルカーイダの犯行説)が主流で広まっているのだ。大部分の作戦実行犯を特定できておらず、彼らについて我々は何も知らない以上、この仮説が確実であると保障するものは何も無い。
米国や同盟国から莫大なる財政援助を受けて調査研究している学者たちは、「相互連帯意識を持つ国際的なジハード(聖戦)運動があり、その一部の者たちがこのような攻撃の実行に加わった」と語るが、今までこれらの運動と攻撃との間の明白な相関関係を立証していない。主たる困難さは、信憑性を実証できない犯行声明以外に、それぞれの攻撃に共通性がないことだ。攻撃の実行者全でが「テロリスト」であると実証するものも何も無い。
事実、(イエメンでの)コール駆逐艦への攻撃は、無辜の大衆に対するテロ行為とはほど遠く、軍事目標に対するものであったし、セルジオ・ビエイラ・デ・メロの命を奪った攻撃は、古典的な政治的暗殺だった。上記リストに含まれる幾つかの攻撃は、ライバル国家同士の過去の清算だ。例えばカラチにおけるフランス技術者への攻撃は、パキスタンへの武器売買からフランス締め出しを狙ったものだし、イエメンの海岸沖に停泊中のフランスの原油タンカー、リンバーグに対する作戦は、フランスに最終原油出荷先をイエメンから変更させることを目的にしていた。
要するに、こうした攻撃の真の実行者と犯行声明を出した者が同一とする考えは、何ら実証できる根拠に基づいてはいないのだ。それ(同一説)は同盟国に軍隊派遣の拡大を容認する理論的な方法であるようだ。「テロとの戦争」という標語は、宣伝の上で大いに効果的であるが何の意味も無い。テロリズムとは敵ではなくて戦闘の一技術以外の何ものでもない。それゆえ,テロリズムを打ち負かすことは困難であるが、全ての戦場で軍事衝突を継続させるために、この標語の定義せずに使用し続けることはあり得る。
アル・カーイダの仕業であるとされる不明瞭なケースに基づき、現在判明している要素のみでテロ問題を議論すると、常に「テロとは何か」という定義問題に行き着いてしまう。それゆえ「テロリズム」イコール「イスラム教徒」という結果を得て、それにより「世界的なイスラムの陰謀」の被害妄想を作り出すために、例えばコロンビアや中国などで起きているその他全ての攻撃事件は、このテロ議論から外されるのだ。
http://www.voltairenetwork.net/article617.html 英語版
http://www.shabakatvoltaire.net/article1489.html アラビア語版
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この記事は原文がフランス語であるが、アラビア語訳を主に、英訳を参考にして訳出した。ヴォルテールは徹底した実証主義に基づいて執筆することで知られている。
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