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宣教師たちは軍人の征服者や植民地司令官の公然たる補佐官だった
目下、31年前に発行した拙著『古代アフリカ・エジプト史への疑惑』
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http://www.jca.apc.org/~altmedka/afric-index.html
『古代アフリカ・エジプト史への疑惑』
木村愛二著 1974年初版発行(鷹書房 四六判 312頁)
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を「前編」とし、その当時に原稿を完成していた続編、『アフリカの「火砲」戦国史』を後編とする『アフリカの歴史』の発行を準備中である。
以下は、ヨーロッパ諸国が派遣した宣教師の役割に関する部分の抜粋である。
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『アフリカの「火砲」戦国史』
[中略]
第一章 アフリカ諸国を破壊し尽くしたコマンド戦略
[中略]
●宣教師の役割
キリスト教の伝導は、それ自体が、思想戦争であった。しかも、宣教師には、別の役目があった。派遣元の教会への報告は、それだけでも、海外情報の収集になった。
フランスの地理学者、シュレ=カナールの言を借りれば、宣教師たちは、《軍人の征服者や植民地司令官の公然たる補佐官だった(『黒アフリカ史』一二四頁》。
この傾向は、近代になるにつれて、はっきりとした目的意識的なものにまで成長している。その例証として、シュレ=カナールは、つぎのような長文の注記をほどこし、ナポレオンのあけすけな本音を紹介している。
《ブルジョワ国家は、とくに植民地建設にあたって、創始者ナポレオンの理論を忠実に守った。ナポレオンは、一八〇六年に参事院で次のように述べている。
「私の意図は、〈海外宣教師の家〉を再建することである。こうした宣教師は、アジアでもアフリカでもアメリカでも、非常に役に立つはずだ。現地の情報を集めるために、私は、この連中を派遣したい。僧服は彼らの安全を守ってくれるし、政治的・商業的な計画を隠蔽する役にも立つ。宣教師は税金が掛からない上に、蛮人からも尊敬される。それに公的な性格を帯びていないから、政府に迷惑を掛ける恐れもない。また、宗教的な熱意に燃えているから、何でも進んでやり、俗人の官吏が尻込みするような危険にも、あえて飛び込んで行くはずだ」(同前二八九頁)》。
以上のようなシュレ=カナールの記述と、イギリスのジャーナリスト、歴史家のバジル・デヴィッドソンの次の記述を突き合わせると、宣教師派遣の効果は、実によく分かる。
《一八八四年以前に東部および中部アフリカに入っていた約三〇〇名の宣教師の内、アフリカ人に殺されたのが分かっているのは六名だけであり、この六名も、勝手気ままに殺されたのではなかったようである(『古代アフリカの発見』二五六頁)》。
[後略]
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