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□沈静化から内乱まで イスラエルのガザ撤退後の4シナリオ 『前編』 [アラブの声ブログ]
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沈静化から内乱まで イスラエルのガザ撤退後の4シナリオ 『前編』
パレスチナのガザ地区からのイスラエル人入植者の撤退が始まったが、その後はどのような方向に向かうのか? ニュース・サイトのアラブ・オンライン(アラビア語電子版)は、民衆蜂起の再燃から内戦に至るまでの4つのシナリオがあるとするパレスチナ未来研究所が作成した研究報告書を掲載した。
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『シャロン首相の分離計画の目的』
このガザ地区からの撤退計画は完全に政治的なもので、この計画を最大限に活用することでパレスチナ抵抗勢力から逃れることを目的としている。すなわち、ヨルダン川西岸への入植を進め、西岸をそれぞれが孤立した小郡に分割することで、西岸への支配を強化し、イスラエルはパレスチナ人に貢献し譲歩した平和をのボム国家であると世界に示すことだ。イスラエルは西岸のみならず、ジャリールやネゲブ、大エルサレムでのユダヤ人入植強化を進めている。
またこの計画は、ガザ地区からの単なる一方的撤退ではなく、むしろ占領軍の再編である。つまりガザ地区を全方向から包囲された巨大な収容所に変えるのだ。イスラエルはガザの陸上部の境界を監視、警備し、ガザ上空を完全に制御し、海上部分の軍事活動を継続するのだ。またエジプトとの国境線に面したフィラデルフィ軸と呼ばれる地帯にもイスラエル軍が残留する。更にイスラエルはいつでもこの地域の安全ベルトを拡張する権利を持っているのだ。
パレスチナ人を封じ込めることで、グリーン・ライン内のイスラエル住民の治安強化と他の入植地の治安確保につながる。そのための手段は、決死作戦を実行するためにグリーン・ゾーン内にパレスチナ人の殉教志願者が進入することを防ぐことだ。アル・アクサー・モスクでのインティファーダ(民衆蜂起)では、数十人の殉教志願者がイスラエルで自爆攻撃をしたため、数百人が死亡している。
和平姿勢を見せることで、パレスチナ自治政府かパレスチナ国家との交渉再開と、恒久和平協定、或は長期段階的協定の調印への可能性を残しておくこともできる。
『ガザ撤退後の予想される4シナリオ』
第一のシナリオ 「沈静化」
このシナリオは米国や欧州、及びムハンマド・ダハラーン(強面の治安相)を筆頭とするパレスチナ自治政府、それに無論イスラエルもが望んでいる。
そこで、武装抵抗諸勢力を無害化するよう馴致させるために欧州連合(EU)加盟国や米国は、アッバース議長がこれらの勢力を取り込み、国政選挙を通じて、また一部の閣僚ポストを与えても、政界に吸収させるよう奨励している。エジプトのアブルゲイト外相は、会見の席上で語った。「ハマースは取り込むべきで、放置するなら将来禍根を残す」
米国に関しては、米紙ニューヨーク・タイムズが次のように書いている。「米国は撤退後に多額の支援を集めようとしている。ブッシュ政権は、ガザからのイスラエル撤退を監視する4国委員会の特使である世界銀行前頭取のジェイムス・ウィルフォンスンと共に、3年間で30億ドル集めるよう努力している。この金額は埠頭や国境施設、インフラ設備の建設などに割り振られる予定」
イスラエルの撤退後に自治政府は、米国人とイスラエル人のグループが経営する「中東戦略アスピン・グループ」との合意に基づき、ガザで大型投資や公共サービスの各種プロジェクトを実行するよう目指している、とムハンマド・ダハラーン治安相は明らかにした。
ダハラーンは語る。「パレスチナ財務相がプロジェクトへの資金投入を担当する。イスラエルのガザからの撤退は、地域の安定の基盤として、また将来の輝かしいパレスチナ経済の起爆力にするために支援しなければならない機会である」
「戦略グループは撤退後に、ガザ地区開発プロジェクトを決定した。具体的には、ガザの天然ガス田の共同開発や、エネルギー工場の共同運営、主要な国境横断路であるカルニー国境施設を民営化し開発を促進することが挙げられる。この国境施設を通過するトラックは一日に約700から800台に達する。これらのプロジェクトにより、新たに雇用を創出し、パレスチナ経済の速やかな進展に寄与する」
ガザからの撤退後にイスラエルは、これが譲歩できる最後だと見なすだろう。このことは入植者の指導者たちとの会談でシャロン首相が述べたことだ。すなわち「ガザと、ヨルダン川西岸の4入植地からの撤退は、イスラエル側からする譲歩の最後、或は少なくとも今後10年間で譲歩の最後だ。引き離しに続く段階は、米国とイスラエルが民主主義の実施方法を監視することだ」と語ったのだ。
ガザ地区とヨルダン川西岸の一部が次期暫定パレスチナ国家となる可能性はある。米国とイスラエルの政府はこれを頭に描いている。パレスチナ側には、自分がガザ地区で最強の男だと考えているダハラーンを筆頭とする、この国家で役割を演じようとする者もいる。彼は間断無く米国やイスラエルの使節団と会談したり接触しており、彼らに大いに頼りにされている。
http://www.alarabonline.org/index.asp?fname=\2005\08\08-08\830.htm&dismode=x&ts=08/08/2005%2011:45:41%20%D5
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http://groups.yahoo.co.jp/group/arabianews/