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米議会図書館に所蔵されている731部隊による「Q報告」=共同
旧日本軍731部隊
ノミ使いペスト菌兵器
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20050817/mng_____sya_____002.shtml
【ワシントン=共同】太平洋戦争中に細菌戦の準備を進めた旧関東軍防疫給水部(731部隊)が、ノミを使って致死性の高いペスト菌の細菌兵器を研究開発した過程や、ペストで死亡した患者データの詳細が16日、日本側文書や米議会図書館の資料で判明した。同図書館は、部隊関係者が戦後、米軍に提出した人体解剖記録(英文)を一般公開する方針を決定。公開に先立ち、共同通信と神奈川大の常石敬一教授(生物・化学兵器)に閲覧を認めた。
日本側文書は、731部隊幹部らが執筆した日本語の秘密論文集「陸軍軍医学校防疫研究報告第一部」などで、ノミの増殖法や細菌戦に適した条件、爆弾に詰めた際の生存能力などを包括的に研究、当時のソ連を標的とした細菌兵器開発の経緯を伝えている。常石教授が国立国会図書館関西館(大阪)で発見した。
英文記録は3種類の病理解剖データで、ペスト菌に関する「Q報告」、炭疽(たんそ)菌の「A報告」、鼻疽(びそ)菌の「G報告」。「Q報告」は、1940年6月から秋にかけて中国東北部の農安と新京(現在の長春)でペストに感染して死亡した住民57人の解剖結果をまとめた。
日本側文書によると、731部隊幹部だった平沢正欣陸軍軍医少佐(当時)は医学論文の中で新京のペスト流行を研究し、犬に付着する「イヌノミ」が感染媒体だったことを立証。この過程で、感染したイヌノミを人間に付着させる人体実験も実施した。
少佐はほかにも、機密扱いの4本の論文をまとめ(1)爆発でノミの脚に障害が発生すればペスト菌の運搬能力が低下(2)ノミは光を嫌うため雑草地への散布が有効−などを解明。爆発力が小さくて済むけい藻土製の「石井式細菌爆弾」の開発に至る基礎研究を行った。
他の部隊関係者はノミを大量輸送する方法を研究。大量のノミを狭い場所に集めた場合、死亡率が高くなることを突き止め、ペスト菌に感染させた「ペストノミ」を小分けして戦地に送る輸送方法を提唱した。
<ペスト> 本来はペスト菌常在地域に生息するネズミやリスなど、齧歯(げっし)類の動物がかかる病気だが、ノミの媒介で人間にも感染する人獣共通感染症。感染経路や症状から腺ペスト、肺ペストなどに区別され、特に肺ペストの患者からはせきなどで人から人へ急速に広がる。致死率が高く「黒死病」として恐れられた。中世欧州ではたびたび大流行。日本では1926年を最後に患者は発生していない。旧日本軍の関東軍防疫給水部(731部隊)は、ペスト菌を兵器として研究、開発した。