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ガザ:撤退開始で、パレスチナ人は歓喜 連日、勝利を祝う
毎日新聞 8月17日
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050817k0000e030014000c.html
【ガザ市(パレスチナ自治区)海保真人】イスラエルのガザ地区からの撤退開始に、ガザのパレスチナ住民は喜びと安堵(あんど)のムードに包まれている。街では連日のように「抵抗闘争の勝利」を祝うパレードや集会が催され、イスラム原理主組織ハマスの幹部は「多大な犠牲を払い戦ってきたことを誇りに思う」と語った。ただ、生活がすぐに改善される保証はなく、「本当に自由を得られるのだろうか」という不安も交錯していた。
街では「祝勝会」のためのパレスチナ旗の売れ行きが好調だ。中央に「自由なガザ」と染め抜かれた旗も登場した。
にぎわう市場でスパイスを売るサリム・シャリアさん(42)は「うれしい以上のものがある。我々の領土が返ってくるのだから。仕事もよくなると思う」と話した。買い物客の女性、ウム・アハマドさん(50)は「就業機会が増え、大勢の失業者が救われると信じる。すべての抵抗闘争勢力に感謝したい」と語った。
戦闘の先陣に立ってきたハマスのマハムード・ザッハール代表は「撤退は抵抗運動の真の勝利であり、イスラエルの真の敗北だ」と語った。さらに、イスラエル軍の暗殺作戦で死去した精神的指導者ヤシン師とランティシ前代表に対し「2人は常に『我々は勝利を得る』と語っていた。『実際に我々は勝利をつかんだ』と報告したい」と話した。
16日夕にはハマスに近い武装勢力「ナセル・サラハディーン軍」の約500人が、銃やロケット砲を手に街中で祝勝パレードを行った。アブ・アビール報道官(33)は「我々の究極目標であるヨルダン川西岸とエルサレムが解放されるまで戦いは続くが、メンバーの若者たちはとりあえず社会復帰する」と語った。
4年前にイスラエル軍に難民キャンプの自宅を破壊され兄(当時20歳)を殺されて以来、メンバーとなった青年(18)は「これから仕事を探し、エンジニアの勉強もしたい」と抱負を話した。
一方、撤退に不満の人たちもいる。同日、パレスチナ自治政府に対し座り込みの抗議を続けた「イスラエルに捕われた囚人の母親の会」のユースラ・アッカサースさん(40)は「息子たちが全員釈放されない限り、喜べない」と話した。長男(22)はイスラエル兵に攻撃を仕掛けた罪で服役中だという。
また、撤退に伴いガザ地区内のイスラエル系アルミニウム工場も撤収される。労働者のハリル・サレムさん(50)は「きょうが最後の仕事だった。あしたから8人家族を養うのに、どうすればいいのか」と複雑な心中をのぞかせた。
毎日新聞 2005年8月17日 10時06分