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(回答先: 731部隊に現金供与 米、細菌兵器開発を優先 (共同通信) 投稿者 彗星 日時 2005 年 8 月 14 日 22:13:35)
08/14 18:03 731部隊に現金供与 人体実験データ目的に 秘密工作、2千万
【ワシントン14日共同=太田昌克】第二次大戦中に中国で細菌
による人体実験を行った旧関東軍防疫給水部(七三一部隊)の関係
者に対し、連合国軍総司令部(GHQ)が終戦二年後の一九四七年
、実験データをはじめとする情報提供の見返りに現金を渡すなどの
秘密資金工作を展開していたことが十四日、米公文書から明らかに
なった。総額は、国家公務員(大卒)の初任給ベースで比較すると
、現在の価値で二千万円以上に達する。
人体実験で三千人ともいわれる犠牲者を出した同部隊をめぐって
は、GHQが終戦直後に戦犯訴追の免責を約束したことが分かって
いるが、米国が積極的に働き掛ける形で資金工作を実施していた事
実が判明したのは初めて。文書は、米国が七三一部隊の重大な戦争
犯罪を認識していたにもかかわらず、細菌兵器の開発を最優先した
実態を記している。
文書は四七年七月十七日付のGHQ参謀第二部(G2、諜報部門
)=肩書は当時、以下同=のウィロビー部長のメモ「細菌戦に関す
る報告」と、同月二十二日付の同部長からチェンバリン陸軍省情報
部長あて書簡(ともに極秘)。神奈川大の常石敬一(つねいし・け
いいち)教授(生物・化学兵器)が米国立公文書館で発見した。
両文書によると、ウィロビー部長は、七三一部隊の人体実験を調
べた米陸軍省の細菌兵器専門家、フェル博士による部隊関係者への
尋問で「この上ない貴重なデータ」が得られたと指摘。「獲得した
情報は、将来の米国の細菌兵器計画にとって最大限の価値を持つだ
ろう」と、G2主導の調査結果を誇示している。
具体的な名前は挙げていないものの「第一級の病理学者ら」が資
金工作の対象だったと記載。一連の情報は金銭報酬をはじめ食事や
エンターテインメントなどの報酬で得たと明記している。陸軍情報
部の秘密資金から総額十五万―二十万円が支払われたとし「安いも
のだ」「二十年分の実験、研究成果が得られた」と工作を評価して
いる。
当時の二十万円を国家公務員(大卒)の初任給ベースで現在の価
値に置き換えると二千万―四千万円に相当する。
GHQ中心の調査は、フェル博士が四七年六月に中間報告をまと
めた後も別の専門家が継続。四七年末の別の米軍資料は総額二十五
万円が支払われたとしており、資金工作がその後も続いた可能性を
示している。
20050814 1803
[2005-08-14-18:03]
08/14 18:04 対ソ勝利へ情報入手優先 米、戦犯訴追を度外視
【ワシントン14日共同=太田昌克】旧関東軍防疫給水部(七三
一部隊)による人体実験をめぐり、連合国軍総司令部(GHQ)が
部隊関係者に秘密資金工作を展開していた事実が十四日、戦後六十
年たって初めて判明した。本来なら重大戦犯となる関係者に対して
現金供与や接待攻勢まで行っていたことは、最初から戦犯訴追を度
外視し、当時のソ連との兵器開発競争に勝利するため、手段を選ば
ずに情報入手を優先させた米国の冷徹な終戦処理工作の内実を物語
っている。
今回発見された文書によると、GHQ参謀第二部(G2)は秘密
活動の資金を確保しようと資金工作の有効性を米本国にアピール。
第二次大戦や戦後の出費増大を受け、出先機関が自由に使える秘密
資金を削減しようとする本国の動きに対し、七三一部隊関係者への
工作を理由に資金の確保を図ろうとしていた実態も浮き彫りとなっ
た。
A級戦犯訴追を免れて一九五七年に政権の座に就いた岸信介(き
し・のぶすけ)元首相は、米中央情報局(CIA)から秘密の資金
提供を受けながら五八年の総選挙を勝利に導いたとされるが、太平
洋戦争中の日本政府高官と太平洋戦争中に日本政府高官だった人物
と米情報機関のこうした「相互依存関係」の原型が、七三一部隊と
G2の関係に見て取れる。
七三一部隊をめぐっては、GHQが四五年八月の終戦直後から部
隊幹部や関係者らへの事情聴取を実施。旧陸軍の細菌戦ネットワー
クの要役として暗躍した内藤良一(ないとう・りょういち)元軍医
中佐(後のミドリ十字創設者)が人体実験を全面否定したことを受
け、GHQは早々と戦犯免責を与え、調査は核心部分に迫れなかっ
た。
しかし四六年後半、ソ連に拘束された関東軍幹部が人体実験の事
実を供述し始め、事態は一変。ソ連は米側に石井四郎(いしい・し
ろう)元部隊長の引き渡しを求めたため、内藤元中佐の話をうのみ
にしたGHQは窮地に立たされた。
それでもGHQは米本国と調整し、人体実験に携わった部隊関係
者を囲い込んだ。四七年に入り、実験データを根こそぎ獲得しよう
とするが、早い段階で戦犯免責を与えていた経緯が部隊関係者にと
って有利な状況を生み、GHQは資金工作まで展開して情報取得に
努めなくてはならない立場に追い込まれたとみられる。
20050814 1848
[2005-08-14-18:04]
08/14 18:07 米公文書の要旨
【ワシントン14日共同】旧関東軍防疫給水部(七三一部隊)関
係者への秘密資金工作に関する米公文書の要旨は次の通り。
▽一九四七年七月十七日付のウィロビー連合国軍総司令部(GH
Q)参謀第二部(G2)部長から極東委員会へのメモ「細菌戦に関
する報告」(極秘)
一、陸軍省の細菌戦専門家のフェル博士は以下の点を報告してい
る。
一、陸軍化学戦部隊と陸軍、国務、司法各省の代表が出席した会
議は、博士の調査で得られたすべての情報を機密にしておくことで
非公式に合意した。
一、獲得した情報は、将来の米国の細菌兵器開発計画にとって最
大限の価値を持つだろう。
一、報告書の内容は、人体実験の概要や中国軍に対する野外実験
で使われた戦術など。博士は/(1)/日本側は真実を伝えている
/(2)/細菌兵器製造では米国の方が進んでいる/(3)/人体
実験データはこの上なく貴重だろう―と結論づけている。
一、こうした重要な情報は(七三一部隊の活動に携わった)第一
級の病理学者に対する巧みな心理的アプローチによって、初めて獲
得できるものだ。
一、金銭報酬をはじめ、食事や贈り物、エンターテインメントな
どの報酬、ホテル代、検体発掘経費が支払われた。十五万―二十万
円に満たない額で、二十年分の実験、研究成果が得られた。
一、軍情報部の秘密資金を制約なしに活用することで、こうした
情報獲得が可能になった。部隊関係者を(金銭的に)つなぎ留めら
れなければ、彼らの要求を満たすことはできず、これまではぐくん
できた関係も損なわれる。
▽七月二十二日付のウィロビー部長からチェンバリン陸軍省情報
部長あて書簡(極秘)
一、フェル博士の報告は内容的に興味深く、軍情報部の秘密資金
を無制約で活用し続ける必要性を説明している。
一、報告にある情報は、十五万―二十万円で得られた。安いもの
だ。
一、(しかし)こうした支出は現在、制約を受けている。新たな
制約は日本からの情報提供を困難にするだろう。
一、現場の情報関連部局は制約に抗議している。私の経験から言
うと、こうした制約ほど国際的な情報収集活動を破壊するものはな
い。
20050814 1807
[2005-08-14-18:07]
08/14 18:11 731部隊
731部隊 1936年、ペストや炭疽(たんそ)菌などの細菌
兵器を開発、実用化する目的で旧日本軍が創設した。正式名は関東
軍防疫給水部。軍医だった石井四郎(いしい・しろう)部隊長(故
人)の名前から「石井部隊」とも呼ばれた。中国黒竜江省ハルビン
郊外に本部が置かれ、東京の陸軍軍医学校や中国各地の関連部隊と
連携。中国各地で細菌戦を展開したほか、中国人やロシア人らに対
する人体実験を行った。終戦時の証拠隠滅に加え、連合国軍総司令
部(GHQ)が実験データ提供の見返りに訴追はしないと約束した
取引により、部隊幹部らの戦争犯罪責任が問われることはなかった
。部隊幹部らが戦後、連合国により戦争犯罪責任を問われることは
なかった。(ワシントン共同)
20050814 1942
[2005-08-14-18:11]
08/14 18:10 真相、闇に追いやる取引 吉見義明・中央大教授
旧日本軍の生物・化学戦に詳しい吉見義明(よしみ・よしあき)
・中央大教授(日本現代史)の話 旧関東軍防疫給水部(七三一部
隊)の人体実験データは、国家と旧軍が日本国民のお金を使って収
集した国家機密だった。本来なら、反省を込めて国民の前に明らか
にすべき事実だったにもかかわらず、お金を介して米国に渡してい
たわけで、何ともやりきれない。七三一部隊(の真相)は依然、闇
に包まれている。部隊の全体像をつかめない状況を作り出した重要
取引だったともいえる。(米政府内には)日本の戦争責任を明らか
にしようとした勢力と、すべてを明らかにせず隠ぺいしようとした
勢力があったが、後者が最終的に勝利していった。(ワシントン共
同)
20050814 1809
[2005-08-14-18:10]
08/14 18:08 なりふり構わぬ情報取引 常石敬一・神奈川大教授
常石敬一(つねいし・けいいち)・神奈川大教授(生物・化学兵
器)の話 調査を担当したフェル博士など米本国の生物戦専門家と
連合国軍総司令部(GHQ)参謀第二部(G2)による七三一部隊
関係者からの人体実験に関する情報収集は、戦犯にしないという「
アメ」と、断れば戦犯訴追になるという二者択一を迫ることで「強
圧的」に行われたと考えていた。しかし実態は、金品で歓心を買っ
て情報の入手が行われていたことが明らかとなった。
ここには戦勝者と敗戦者という構図はない。むしろ、人体実験の
事実を見逃していた失態を暴露された前者と、ひた隠しにしていた
真相が暴露された後者が、なりふり構わず、金品を介した情報取引
に走っていく姿勢が浮かび上がってくる。
一九四七年末にまとまる米側最終報告には「二十五万円でこれら
のデータは入手できた。情報の価値からすれば取るに足らない額だ
。これら情報を自発的に提供した人々が、このことで面倒に巻き込
まれないよう処置されたい」という「矛盾した記述」がある。
「自発的に提供」との表現で、人体実験の情報収集が金品を介し
ていた実態を覆い隠そうとする一方で「二十五万円」との金額を明
示することにより、G2が望む情報収集のための陸軍省機密費の支
出の妥当性と必要性を訴えている。米国の軍、官僚機構とは、こう
した「矛盾」がまかり通るところのようだ。(ワシントン共同)
20050814 1808
[2005-08-14-18:08]