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http://ukmedia.exblog.jp/m2005-08-01/#2444982
小林恭子の英国メディア・ウオッチ
ukmedia.exblog.jp
2005年 08月
英メディアのヒロシマ報道(画像あり)
60年前の紙面は?
BBCのウエブサイト、及び英新聞各紙が、8月6日の広島への爆弾投下を様々な形で扱っている。戦後60周年ということだろう。
例えば、8月5日も、BBCのラジオ4というラジオ局では少なくとも2つの番組が放送された。1つは広島に実際に出かけて取材したもので、小学校で被爆体験を話す男性の話や戦後60年経っても病気に苦しむ人々の姿、科学者の話などが紹介された。
もう一つの番組では爆弾を落とした人の話で、「飛行の前の晩に、なかなか寝付けなかったこと」「爆弾を落としてから、巻き込まれないように逃げ切れるかどうかが心配で打ち合わせを入念にしたこと」「落としてよかったと思っている。選択肢が他になかった。日本人は死ぬ覚悟で戦闘を続けていたと思うし、犠牲者がたくさん出たと思う。多くの人々を死なずに済ませることができたと思う」など。
6日付の各紙もそれぞれ特集を組んでいる。
BBCのウエブサイトが、爆弾が落ちた翌日の各紙の紙面を掲載している。
「デイリー・エクスプレス」紙では、「世界を変えた爆弾」という見出しがついている。BBCの説明によると、英国南西部ペンザンスにもしこの爆弾が落ちたら、ロンドンの中心地の1つピカデリー・サーカスでもその衝撃を感じることができるほどだ、としている。また、爆弾が世界を変えた、として、当時のチャーチル英首相の発言と同じ言葉を左下の記事で使っているー「神のおかげで、ドイツ軍を追い越した」。
「デイリー・メール」紙は、「30万の都市が巨大な炎のかたまりで消えた」とする見出しをつけている。目撃者のコメントで、「爆発は巨大で怖いほどだった。『おお、神よ』という言葉が、街が爆撃される様子をみた全ての人の口から出ていた」。
東京にいる軍人達は、危険な都市部から避難するだろう、としている。
「デイリー・テレグラフ」には、「同盟軍が原子爆弾を発明した:爆弾が初めて日本に落ちた」という見出しの記事が出ている。被害状況がどれくらいであったのかは詳細せず、同盟軍の科学の業績について書いている。
この新聞で、過去30年ほど政治風刺画を書いているニック・ガーランド氏は、この新聞の現物を読み、「衝撃を受けた」と、私に話してくれた。「どれくらいの被害があり、どれくらいの人が死んだのかーこうしたネガティブな情報が一切、書かれていない。わざと書かなかったのだろうと思う。アメリカ人やイギリス人の一般国民に、否定的な情報を伝えたくなかったのだろう。故意の情報操作だと思う。驚きだ」。
ガーランド氏自身、原爆の被害に胸を痛めている、としたが、一方では「戦略上、必要だった、という見方もある」と述べた。
テレビで小泉首相らが広島の平和式典に出ているのを見た。爆弾を実際に落とした米兵の言葉なども報道されているようだが、米国に聞くのではなく、日本側が、何故落とされるような状況にいたのか、もし「選択肢がない」と思わせる状況であったとしたら、何故そうなったのか?日本自身に答えを求めて問いかけてみることは、たくさんあるのではないか?―英紙でインタビューされている生存者の何人かが、そう述べている。