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Yahoo!ニュースからhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050809-00000002-yom-sociより引用
長崎から「平和」を発信、60回目の長崎原爆忌
長崎は9日、60回目の原爆忌を迎えた。爆心地に近い長崎市松山町の平和公園では、市主催の「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が開かれ、国内外の被爆者や遺族ら約6000人が参列。
伊藤一長市長は平和宣言で、米国政府の核政策を厳しく非難する一方で、米同時テロを経験した「アメリカ市民」に対し、核兵器廃絶に向けて世界の人々と連携することを求め、核兵器廃絶と世界平和の実現をあきらめない決意を表明した。
式典は、高校生が打ち鳴らす「長崎の鐘」を合図に午前10時40分から始まった。この1年間に亡くなったり、新たに死亡が確認されたりした2748人の死没者名簿3冊が、平和祈念像前の奉安箱に納められた。これで名簿の累計は13万7339人となった。遺族らの献水に続いて、核保有国として初めて参列したロシアの駐日臨時代理大使や、10年ぶりに招かれた米、韓、ブラジルの在外被爆者が被爆者や遺族代表らと花を手向けた。
原爆が投下された同11時2分、「長崎の鐘」やサイレン、長崎港の船舶からの汽笛が一斉に鳴り渡り、参列者は1分間黙とうした。
平和宣言で伊藤市長は、60年を経てもなお被爆者が苦しみ続けている実態を強調。「核保有国の指導者の皆さん」と呼び掛け、とりわけ米国に対し、5月のNPT(核拡散防止条約)再検討会議が決裂したことについて、「世界の人々の願いが踏みにじられたことに、私たちは強い憤りを覚えます」と力を込めた。
日本政府には、非核三原則法制化、北東アジア非核兵器地帯の創設を提唱し、「『核の傘』に頼らない姿勢を示し、核兵器廃絶への指導的役割を果たしてください」と訴えた。さらに、被爆者の高齢化が進む中で、新たに在外被爆者と長崎原爆で心に傷を負った被爆体験者の援護や支援の充実を求めた。また、若い世代を支援し、世界の市民やNGO(非政府間機関)と共に、長崎から平和を発信し続けることを宣言した。
この後、被爆者代表として坂本フミヱさん(74)が「平和への誓い」を述べた。核兵器廃絶を求める声が届かないもどかしさを感じながらも、「『長崎を最後の被爆地に』と叫び続けることを原爆犠牲者の御霊(みたま)の前で約束する」と強い決意を示した。
小泉首相は「世界平和の実現に取り組んできた長崎市民の願いは平和の鐘の音とともに世界の人々の心に届いている。平和を発信する国際交流拠点都市として発展することを確信している」とあいさつした。
(読売新聞) - 8月9日12時5分更新