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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu102.htm
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ハリケーンと言う”テロリスト”に屈したブッシュ政権とアメリカ
小さな政府では大災害を防止して救助復旧活動は不可能だ
2005年9月6日 火曜日
◆<カトリーナ米国を直撃す(続)(その1)> 9月6日 太田述正
http://www.ohtan.net/column/200509/20050906.html#0
1 より根源的な批判へ
ニュー・オーリーンズに第三世界が現出したことは、より根源的な疑問の
声を英米で生んでいます。
どうして米国は、今次大災害に際し、もっと迅速かつ適切な対応がとれな
かったのか、そして、そもそも、どうして黒人ないし貧しい人々ばかりが大
きな被害を被ったのか、という疑問の声です。
前者から出てきたのが、米国の国家体制が時代遅れになっているのではな
いか、という懸念であり、後者から出てきたのが、レーガン政権以降米共和
党政権が追求してきた小さい政府という考え方や先の大戦以降歴代の米政権
が追求してきた対外関与政策は誤っていたのではないか、という懸念です。
以下、これらについて、ご紹介することにしましょう。
2 時代遅れの米国家体制?
今次大災害に際して迅速かつ適切な対応ができなかったのは、第一に、米
国が連邦制をとっている(合衆国ならぬ合州国である)ことから、連邦が州
の頭越しにニューオーリンズの救援・復旧活動を行えないからではないか
(注1)、第二に、(国務省と国防省はともかくとして、)民間企業に比べて
人気が低く給料も安いので公務員に人材が集まらない上に、官僚機構の上澄
み部分が大統領や州知事等が替わるごとに総入れ替えになることから、官僚
機構が機能していないためではないか(注2)、という懸念が投げかけられて
います。
(以上、http://www.guardian.co.uk/katrina/story/0,16441,1562733,00.
html、http://slate.msn.com/id/2125282/、(http://www.guardian.co.uk/
katrina/story/0,16441,1562882,00.html(いずれも9月5日アクセス)によ
る。)
(注1)災害救援・復旧作業そっちのけで連邦政府とルイジアナ州が権限争
いを演じたり、連邦政府批判に業を煮やした連邦政府側が、州政府
や市政府の対応を批判したり、州知事を名指しで批判したりしてい
ることが、このような懸念を募らせている。
(注2)9.11同時多発テロを契機に、災害対策のFEMA(Federal Emergency
Management Agency) も傘下に収めて国家安全保障省(Homeland
Security Department)が創設されたにもかかわらず、今回初動が遅
れた等対応が不適切だったことが背景にある。災害の時に機能しな
いのなら、テロの時にも機能しないはずだ、というわけだ。
ご記憶の方があるかもしれませんが、この二点を始めとして、米国の国家
体制が時代遅れであることについては、私が以前(コラム#304で)指摘した
ところです。
しかし、懸念が米国というよりは英国から出ているところを見ると、今後
米国で本格的な国家体制見直し論議に発展する可能性はほとんどなさそうで
す。
3 誤っていた内外政策?
(1)小さな政府
25年前にレーガン政権が成立すると、レーガンは、「政府はわれわれの直
面している諸問題の解決には役に立たない。むしろ、政府こそが諸問題の原
因なのだ。」と宣言し、爾来、米国の歴代政権は、ひたすら米国の伝統であ
る小さい政府への回帰(注3)をめざしてきました。
(注3)ただし、軍が縮小されなかった点では米国のかつての小さな政府と
は異なる。
1930年代のフランクリン・ローズベルト大統領のニューディールから、ジ
ョンソン大統領の偉大な社会までの大きい政府の考え方が捨て去られて久し
いわけです。
そして、ブッシュ政権が、極端なまでの小さな政府志向であることは良く
知られているところです。
しかし、今回の大災害を象徴するニューオーリンズの冠水において、黒人
や貧しい人々ばかりが被害者になったのは、米国の社会保障制度が不十分で
あるためであり、また、この冠水は、堤防の強化を怠った(注4)ことが原因
であることから、それらの反省の上に立って、大きい政府路線への再転換を
求める米国民の世論が高まり、政策の大転換がなされる可能性が取り沙汰さ
れ始めています。
(注4)米陸軍工兵軍団(The Army Corps of Engineers)は、数年前、ル
イジアナ州政府と共同して、ニューオーリーンズの堤防強化のため
の経費1億500万ドルを要求したが、連邦政府は4,000万ドルしか与
えなかった。
ちなみに、この軍団は、米国の水利・水防の企画・整備・管理、
陸空軍施設の建設等を任務としており、軍人650名、文官34,600名か
らなる「部隊」だ(http://www.usace.army.mil/who/#Organized。
9月5日アクセス)。民営化がアングロサクソン流であり、時代の
流れでもあると思いこんでいるむきには驚きかもしれない。
というのも、ニューディールが始まった契機の一つが、奇しくもニューオ
ーリーンズの前回の洪水、すなわち1927年の洪水の際、連邦政府が(やはり
黒人や貧しい人々ばかりだった)被災者への食糧や避難所の提供に一切カネ
を出さなかったことに怒った米国世論が、連邦政府に対し弱者支援を求める
ようになったことだった、という史実(http://www.nytimes.com/2005/09/
01/opinion/01brooks.html。9月2日アクセス)(注5)があるからです。
(以上、特に断っていない限りhttp://www.guardian.co.uk/katrina/story
/0,16441,1562901,00.html、http://www.guardian.co.uk/katrina/story/0,
16441,1562737,00.html(どちらも9月5日アクセス)による。)
(注5)当時米軍は、この洪水に際して赤十字に貸し出したテントの使用料
まで赤十字に請求した。ニューディール以前の米国がいかに小さな
政府志向であったかが分かる。
(私のコメント)
今回の選挙戦では小泉首相が大きな政府か小さな政府かと選択を迫っていますが、現在の日本の状況では小さな政府は選択できない。たとえば地震や台風といった大きな災害は自助努力ではどうする事も出来ない。ハリケーンが近づいているから逃げろといわれてもアメリカでは車がなくては移動が出来ない。ニューオーリンズの街は10万人以上もの人が取り残されて水没してしまった。それでも小さな政府がいいのだろうか。
日本でも巨大地震や大型台風がやってきても救う事が出来るのは自衛隊などの組織が必要であり、警察や消防では対応が出来ない。治山治水事業なども小さな政府では堤防工事などが後回しにされて水害や災害が起きてから多くの支出を強いられる事になる。ミシシッピ州やアラバマ州の被害総額はどれ位になるかわからないが、海岸や河川の堤防工事がしっかりしていれば被害は数十分の一で済んだ。
では大きな政府と言うと普通は福祉国家のことを指しますが、私の言う大きな国家とは福祉だけではなく安全もその中に含まれる。経済の安定も国家の経済政策が大きな役割を持っていますが、財政が危機的状況になれば国家が地方の面倒を見なければならないだろう。今回のハリケーン災害のように避けられる災害も多くの人命が奪われる結果になり、国家の役割は大きくなる事はあっても小さくなることは例外的なことだ。
では大きな政府は高負担でいいのかと言うと低負担の方が良いに決まっている。それでは大きな政府で低負担は矛盾する制度だろうか。日本は国債を発行して半分の財政を運営していますが税金だけではなく国債という形で財政を賄う事が出来れば低負担で大きな政府を実現できる。
しかし馬鹿な学者や馬鹿マスコミは国の借金が増えて大変だと騒ぐ。しかし国内の預貯金で国債を賄えば弊害は少ない。今までは郵貯や簡保や銀行が国債を買って来ましたが、小泉竹中政権は民営化して日本国債を買えないようにしている。これは日本にとって自殺行為だ。民営化することによって一番得するのはアメリカの国債や株を売るところだろう。