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【写真】4日、銃を手に人気がなくなったニューオーリンズ市街を警戒する警官=今利幸撮影
【ニューオーリンズ(米ルイジアナ州南部)=中島慎一郎】市街地を覆う黒い水と、街のあちこちに立つ覆面姿の狙撃兵。「食料が尽きた」と街を去る住民たち――超大型ハリケーン「カトリーナ」で市内の8割が冠水した米ルイジアナ州ニューオーリンズに4日入った。
被災者の移送がほぼ終わった「ジャズの都」は、人口約50万の大都市から「おそらく数千人」(ネーギン市長)の死者を残すだけのゴーストタウンと化していた。
巨木が横倒しになり、住宅を押しつぶしている。人の姿はほとんどない。子猫が一匹現れ、さっと姿を消した。
2万人以上の被災者が身を寄せていたコンベンションセンターにも人影はない。周囲では大量の生ゴミと脱ぎ捨てられた衣類が腐臭を放っていた。
高級ホテルや劇場が並ぶ目抜き通りを、堤防が決壊した北部に向かうと黒い水が道路を覆い始めた。かすかに油のにおいがする。除去するのに80日〜3か月かかるという大量の水。その底には何体の遺体が眠っているのか。
通りの電器店はガラスが割られ、路上には大型テレビが転がっている。
目立つのは兵士や警官の姿ばかりだ。オクラホマから送られた州兵のジェフ・ブッシュさん(34)は「こんな悲惨な光景は初めてだ」とため息をついた。
州兵はボートや軍用ヘリで、市民の救出や遺体の捜索に当たっていた。街角では黒覆面の兵士たちが銃を構えて高層ビルを見上げていた。銃を奪った略奪グループの残党が潜んでいるためだ。
街を捨てきれない住民たちにも無力感が漂う。
「35年の努力が台無しだ」
食料品店を経営するアブデル・モサさん(64)は水に浸った2ブロック先のビルを指さした。パレスチナから移住し、2店舗を構えるまでになった。州兵に接近を断られると、「これからどう生きていったらいいのか」と途方に暮れていた。
居残っていた住民たちもヘリコプターで次々と飛び立っていく。黒人女性の保育士デボラ・ジョージさん(57)は、自宅がひざの深さまで冠水した。家族11人で自宅にとどまってきたが、食料が底をついた。
(読売新聞) - 9月5日13時41分更新