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□ハリケーン避難民40万人、「南北戦争以来の大移動」 [読売新聞]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050904-00000014-yom-int
ハリケーン避難民40万人、「南北戦争以来の大移動」
超大型ハリケーン「カトリーナ」がルイジアナ州など米南部を襲ってから5日で1週間になる。
被災地では4日、救援活動や治安改善がようやく軌道に乗り始めたが、市内の8割が冠水した同州ニューオーリンズの都市機能復旧や数千人とされる死者の捜索、収容は今も見通しが立っていない。米史上最大級の自然災害は米経済やブッシュ大統領の政権運営にも深刻な影響を及ぼしている。(ニューヨーク 大塚隆一、小山守生)
◆死者1万人説も
最大の被災地ニューオーリンズでは今も至る所に遺体が放置されている。衛生当局者によると、州内の刑務所に設けた一つの遺体安置所だけで2000体を受け入れる見通しだ。市の沿岸部にあるシャルメット地区では住民数百人が行方不明になっている。
被災4州が公式発表した死者はこれまでのところ計約160人だが、最終的には「1万人を超えるかもしれない」(ビター米上院議員)との声さえある。
一方、すり鉢状の市街地に流入した水の除去について、米軍は80日以上かかると予測。米連邦緊急事態管理庁(FEMA)の担当者は、排水に6か月、さらに乾燥に3か月が必要としている。「ジャズの都」再生への道は遠い。
◆高まる「人災」批判
州兵が本格的に投入された2日以降、市内の被災者の救援活動は一気に加速した。ドーム競技場と会議施設に身を寄せていた計約4万5000人の移送は3日までにほぼ完了し、市街地での略奪も収まっている。
しかし、テキサス州のドーム施設など被災者が送り込まれた先はどこもすし詰め状態で、とても長くは暮らせない。全体で約40万人の“ハリケーン難民”は「南北戦争以来の人口大移動」(米メディア)を強いられた。帰れるあてのない彼らの生活をどうするかは大きな課題だ。
救援が遅れたのは「人災」だとしてブッシュ政権を批判する声は強い。大統領は4日、ラムズフェルド国防長官やライス国務長官ら政権幹部を被災地に派遣したほか、自らも5日、被災地を再訪問するなど矛先をかわすのに必死だ。
◆損害11兆円
閉鎖された石油精製施設は徐々に復旧しているが、直撃を受けたメキシコ湾内の原油生産量は3日現在も通常の約20%にとどまっており、完全復旧まで数か月かかる見通しだ。
3連休初日となった3日には、ガソリン品切れによるスタンド閉鎖が全米各地に拡大、車での外出を控える動きが広がった。開いているスタンドも1日に何度も値上げしている。
経済損失は1000億ドル(約11兆円)超と、ハリケーン被害としては過去最大になる見通しで、ジョン・スノー財務長官は3か月程度の間は経済成長の減速が避けられないとの見方を示している。
(読売新聞) - 9月5日2時4分更新