★阿修羅♪ > 戦争73 > 1172.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
米政権へ「怒り」強まる
ハリケーン被害 イラクの影
大型ハリケーン「カトリーナ」の被災地対応をめぐり、ブッシュ政権への風当たりが強まっている。ブッシュ大統領の現地入りが被災から四日経過した二日だったことに象徴される対応の遅れに加え、イラク派遣による州兵不足や災害予防予算の削減が問題視されている。二日付の米紙ニューヨーク・タイムズは「これは人災である」と論じた。 (ワシントン・小栗康之)
<州兵不足>
自然災害の対応にあたる州兵が足らない。州兵は災害時に招集されるが、有事には米軍に組み込まれることになっていて、今回も多くの州兵がイラクに派遣されている。
しかも、州兵は平時に警察や消防などの職業に携わっているケースが多いとされ、こうした人々の不在が、結果的に被害を膨らませたとの指摘もある。大被害が出たルイジアナ州では、州兵全体の三分の一に当たる約三千七百人がイラクに派遣されていた。
カトリーナ発生前からの「反戦ムード」も強く、このため「(州兵が)イラクにさえ行っていなければ」という恨み節も聞こえてくる。
<防災費削減>
ニューオーリンズで決壊した堤防を強化するための予算を、ブッシュ政権が出し渋ったとの批判もある。現地では二〇〇一年以降、堤防強化のため四億九千六百万ドルの予算を求めたが、ブッシュ政権の回答は、半分以下の一億六千六百万ドル。これ以外でも治水関係予算が削減されたという。
堤防が強化されていたなら「これほどの被害にならなかったはずだ」と指摘する現地関係者もいる。
ブッシュ政権はイラク戦費確保のため公共事業投資などを抑えてきたという背景もあり、防災予算でもイラクが影を落としている。
<遅れた対応>
大統領の初動の遅れへの批判も根強い。夏期休暇中だった大統領がワシントンに戻るのが遅れた事実は、危機意識の低さを象徴。さらに、被災者に貧困黒人が多かったことは人種問題に発展する可能性もあり、支持率低下に苦しむ政権には、あらたな頭痛の種だ。
大統領は巻き返しに必死で、二日の現地入りには国民人気の高いローラ夫人も同行。ただ、「本当に危ない場所には行かなかった」などの声があるほか、被災者と触れ合う大統領の姿が「過剰な演出」として、必ずしもプラス面ばかりではない。大統領はイラクだけではなくカトリーナの泥沼にもはまってしまったようだ。
http://www.chunichi.co.jp/00/kok/20050904/mng_____kok_____001.shtml
(<>内見出しは「東京新聞」記事から書き込む)