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「ヒトラー・最後の12日間」を見ました。
感想ですが、ちょっと、簡単には言へません。
芸術的には、B級映画と言ふ感じでしたが、
感心しない点を挙げると、
1.この映画の(ドイツ語の)原題はDer Unterweg、
即ち、「没落」とか「敗退」と言った意味の題名です。
ところが、日本の映画会社は、何故か、日本語の題名を
「ヒトラー・最後の12日間」として居ます。
これは問題で、日本の観客に、映画の内容について、誤解を
与えて居ると思ひます。即ち、この作品は、ヒトラーだけを
描いて居るのではなく、ヒトラーの周囲に居た様々な人間模様を
描いて居るのに、まるで、ヒトラーに関する映画であるかの様な
印象が振りまかれて居る。
2.この映画は、ソ連軍がベルリンで行なった残虐行為が無かった
かの様に歴史を描いて居る。即ち、ソ連軍が、ベルリン市民に
対して行なった殺害、略奪、強姦、と言った悪魔の様な所業が
無かったかの様に、ソ連軍によるベルリン占領を描いて居る。
ただ、興味深い点も有りました。それは、
1.ヒトラーの台詞の中に、ユダヤ人に関する発言が殆ど無い。
(私見ですが、これは、史実を良く反映して居るのではないか?と
思ひます。)
2.ゲッベルス夫人の描き方など、当時のドイツ人を客観的な眼で
描いて居る。ヒトラーを含め、あの時のドイツ人たちを、
少なくとも「悪魔」や「愚者」として描いては居ない。
思ひ出さずには居られなかったのは、岡本喜八監督の
「日本の一番長い日」でした。良く似て居ます。ただ、とにかく、
ソ連軍の描き方が気に入らない、と言ふのが、私の感想です。
西岡昌紀(にしおかまさのり)
http://blogs.yahoo.co.jp/nishiokamasanori/