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http://www.asahi.com/international/update/0806/009.html
2005年08月06日18時51分
ロンドンの中心を走る地下鉄とバスで50人以上が犠牲となった同時爆破テロから7日で1カ月を迎える。最初のテロから2週間後の7月21日には、ロンドンで再びテロが発生。英捜査当局は双方の事件で、実行者とされる容疑者全員を特定した。だが、二つのテロの関連性や、国外グループとのつながりの有無など、背後の解明は難航している。
ロンドン警視庁は、7日のテロを実行したとされるパキスタン系英国人らのグループと、21日のテロ実行が疑われる東アフリカ系グループとの接点を、探っている。
●パキスタンで接触?
両グループの接触を示す確かな情報は乏しい。メディアは英ウェールズ地方で今年6月、両グループの容疑者が「急流下り」を一緒に楽しんだ、との観測を伝えた。ロンドン北東部フィンスベリーパークのモスクが謀議の場だった、との報道もある。いずれも、捜査当局は懐疑的だ。
しかし、21日のテロのリーダー格とされるムクタル・サイード・イブラヒム容疑者(27)が昨年12月、パキスタンに入国した、との新情報が浮上。7日のテロのリーダー格とされるモハメド・サディク・カーン容疑者(30)らが同じ時期パキスタンに滞在しており、両グループが神学校などで接触した可能性が指摘されている。
●爆発物は劣化?
米ニューヨーク市警は最近、英捜査当局からの情報として、起爆しやすい物質「HMTD」を使った手製の爆発物が双方のテロで使用された、と指摘した。7日の場合、物質は英中部リーズの住宅で冷蔵庫に保管され、容疑者らは犯行当日、クーラーボックスに入れて運び出したと当局はみる。これとは違って、爆破未遂に終わった2回目のテロでは、クーラーボックスなどを使わなかったため爆発物の性能が著しく低下した可能性があるという。
ロンドン大学のハンス・ミッチェル教授(化学工学)は、7日のテロで犯人が「起爆用にHMTDを使って過酸化アセトンの爆薬を爆破する」という高度の技術を利用したと分析する。21日の場合、爆発物の保管状態が悪かったか、製造から時間が経過して起爆能力が衰えていた、との可能性もあると考える。
英捜査当局は、HMTDの使用に関して否定も肯定もしない。ただ、テロの直後に取りざたされた「軍事用の高性能爆薬」との情報は途絶え、入手が容易な原料でつくられた爆発物との見方が支配的になっている。
●依然模倣説も
「両グループに接触はなく、後の事件は模倣だった」との仮説も消えてはいない。
7日にバスで自爆したとされるハシブ・フセイン容疑者(18)は当初、地下鉄ノーザン線で爆破を狙った、との見方を英捜査当局は固めたとみられる。この地下鉄路線が閉鎖されていたため、急きょ犯行場所を変えたという。21日のテロの容疑者らはそうした事情を知らず、7日と同じ地下鉄3カ所、バス1カ所をそのまままねて標的にした可能性が捨てきれない。
もっとも、両グループの背後に共通の首謀者の存在を指摘する声も絶えない。その場合、両グループはテロ組織の末端グループだったことから、互いを知らなかった可能性があるという。