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ハリケーン、広がる略奪 治安維持には州兵不足
2005年09月02日07時40分
「これが米国の都市なのか。まるでバグダッドだ」と米国の記者が嘆いた。米メディアは被災地で起きた略奪の光景を詳しく報じている。
ハリケーン「カトリーナ」の被害が集中したニューオーリンズの繁華街では、商店から略奪した「戦利品」を入れた大きな袋をかついだ半裸の若者たちが行き来している。銃を携帯している人が多いので、いさかいになると発砲騒ぎも起きる。夜になると、通りを出歩くのも危険という。
悪化する治安に同市は31日、生存者の捜索や確認をしていた約1500人の警官を、略奪防止の街頭パトロールに戻した。「このままではホテルや病院まで狙われかねない」との危機感からだ。だが、30日には警官が撃たれ「これは軍隊の仕事だ」との不満の声があがる。1日は当局のヘリコプターも何者かに銃撃された。
略奪は避難先の町にも広がる。バトンルージュのレストランでは店主が「銃を持った被災者が金がなくなって自暴自棄になっている」と警戒。暴風と大波などでマンションが倒壊するなど大きな被害が出たミシシッピ州のビロクシー市では、空き家になった高級住宅地の個人宅が狙われるという。ハリケーンからの避難命令で、マイカーを持つ中流以上の人の多くは町を一足先に逃れ、無人と化した住宅街は格好の標的になった模様だ。
略奪する側もメディアに主張する。テレビのインタビューに一人の若者は「こうしなけりゃ生きていけない」と悪びれずに語った。車も現金もない貧困層には、そのまま自宅にとどまって被災した人が少なくない。ミシシッピ州は黒人の人口が4割近い。全米で2番目に貧しい州でもある。取り残されたという「持たざる層」の恨みと、救援物資の配布が遅れている現実が、略奪に拍車をかけているようだ。
治安維持に当局の手が回らない背景には、救援の実行部隊となる各州の州兵が、イラク派遣などで「不足している」(当局者)ことがある。
米メディアによると、ハリケーン被害を受けた南部4州は州兵を総動員し、救援と復旧にあたっている。しかし、被災が集中したミシシッピ州でも4000人の州兵がイラクに派遣されており、救援は約6割の兵力が支える。とくに必要な工兵部隊やヘリなどは、他の8州からの応援に頼っている。「この事態に兵力不足は大問題だ」と関係者はこぼす。ニューオーリンズのあるルイジアナ州からも州兵3000人がイラクに派遣されている。
州を越えた大災害は連邦政府の出番だが、国防総省が揚陸艦や病院船の派遣など救援に本腰をいれ始めたのは31日になってから。ルイジアナの元市長はCNNテレビで「救援には軍の力が必要だ。大統領は注意を向けてほしい」と不満を表した。
http://www.asahi.com/international/update/0902/004.html
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イラクから戻せ